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推し活って難しい

推しを好きでいることは幸せなことだ。
でも好きでいるのに幸せでなくなったら、、?



わたしの推し遍歴
中学生の頃、人生で初めて男性アイドルのファンになる。大学時代に某大手女性アイドルグループに出会い、数年オタクをする。社会人になる頃、別の大手男性アイドルグループに出会い、数年経ったいまもオタク継続中。そして現在は2.5次元舞台を主とする若手俳優の推しに出会い、掛け持ちオタク活動中。

最新の推しである若手俳優のファンを本格的に始めて約1年。これまでの大手アイドルの推したちとは勝手が違いすぎて、ちょうどいい距離感が分からなくなっている。
わたしの推し活を振り返ってみる。


推し活~中学生ver.~

主な推し活といえばアイドル雑誌やCDを買うことだった。毎月の雑誌発売日を楽しみにして学校帰りに書店でチェックし、買ったら学校に持って行ってオタクの友達と一緒に読んだりしていた。デビューしたてのグループだったので、まだ数の少なかったオリジナル曲の歌詞をルーズリーフに書いてみたり、メンバーが出ているテレビドラマを見たり。地方在住だったので基本コンサートには行けず、地元にツアーで来た1度だけ行けた記憶がある。推しメンバーのドラマ初出演が決まったときは嬉しくて泣いた。あゝなんてピュアなファンなの。


推し活~大学生ver.~

主な推し活は劇場公演の映像を見ることだった。その女性アイドルグループに出会ったとき、私は海外に住んでいたためライブ、握手会などはしばらく参加できなかった。ほぼ毎日の頻度で公演があって、かわいい女の子たちが懸命に歌って踊って、泣いて笑ってしている姿に荒んだ心が癒されていた。帰国後は総選挙のためにCDを何枚か買ったり、CDを買えば行ける握手会に参加したり、無課金でソシャゲしたり。メンバーの卒業コンサート(通称:卒コン)や周年ライブ、劇場公演にも年1~2回ほど行っていた。メンバーの笑顔が見れるだけで超満足で、あまり近づきたいと思うことはなく握手会にお金を注ぎ込むようなことはしなかった。唯一行った握手会で某メンバーに「可愛い~!」と頭ぽんぽんっされたのは普通に嬉しかったけど!同性ファンの特権ですみません。



推し活~社会人ver.~

お金を稼ぎ出した社会人オタク、少しだけ雲行きが怪しくなってくる。東京遠征をし始める。主な推し活は、初期:ライブや舞台遠征、アイドル雑誌、ブログ購読、CD・Blu-ray・写真やグッズの購入。現在:年1回ほどのライブor舞台遠征、CD・Blu-rayの購入、出演映画やドラマを観ること。やはり東京に気軽に行くようになったことが大きい。東京だけではなく、グループが売れた現在はライブも当たらなくなってきて全国どこでも狙っていかないとチケットが取れない。したがって全国どこでもチケットが当たれば遠征することになる。過去の遠征は東京、横浜、札幌、福岡など、旅行ついでにライブ遠征。かかるお金は確実に増えてきているものの、それだけリターンというか、満足度は結構高い。遠征をしても年1回あるかないかだし、かつてはグッズ(主に写真)が出るたびに毎回買っていたが最近は抑えられている。



推し活~現在~

さて、問題の現在である。若手俳優を推し始めた今の主な推し活は舞台・ライブ・個人イベント、Blu-rayやグッズ購入。東京遠征は当たり前だ。舞台は行けるだけ行く、つまり行ける日程でチケットが取れる限り行く。直近のライブは1回分を除きほぼ全通した。個人イベント(ファンミーティングや接触イベ的なもの)もチケットが取れたら行っている。それぞれ結構な金額が飛ぶ。俳優個人のSNSがあるのでDMで舞台の感想を送ったり、ファンレターを出したりもする。

ここで若手俳優オタク界隈の独特な文化について言及したい。私はこの1年でカルチャーショックを受けることが多々あったが、まずは舞台やライブに「行けるだけ全部行く」人が多いこと。大手アイドルグループのような大規模ファンダムではないので、頑張ればチケットが取れてしまう。同じ舞台、ライブに何度も通う人が大勢いる。SNSには数十枚のチケットを写真に撮って載せている人もたくさんいる。2.5次元舞台には通称「客降り」と呼ばれる、舞台の演出でキャストが客席を練り歩くファンサタイムがあることも一因だと思う。客降りで推しの動線に当たるかどうかは単純に何度も行けば確率が上がる。

そして「俳優と距離が近い」ということ。私が推している俳優個人でいうと、ファンクラブに入会している有料会員は300人に満たないので本当に狭い世界である。個人イベントに行くと、ツーショットが撮れたり握手できたり、1対1で話せる時間が数秒設けられる。物販で買えばチェキも撮れたりする。オンライントーク会があると、数千円で1~2分話せる。私の推し遍歴であまり手を出してこなかった、推しと話せる時間……。今でこそ慣れてきたものの、初めてイベントに行ったときは頭が真っ白になってうまく話せなかった。まだ私の推しにはないけど、他の俳優さんはカレンダー発売イベントでサイン会やチェキ会があったり、ファンクラブ会員限定でバスツアーとかもあったりする模様。推しにもいつかあるかもと思うと怖い。お金を使ってなんぼの世界だ。

さらに「俳優にプレゼントをする」人も多い。個人イベントに行くとファンレターの他に紙袋がたくさん献上されていて、噂によるとオタクたちが洋服やアクセサリー、実用的な小物などをプレゼント(つまり貢ぎ)しているらしい。昔、大手アイドルの推しにファンレターを何度か出したことがあるが、一方的に物を贈るとはなんともカルチャーショックだ。ちなみに俳優たちは「お手紙やプレゼントありがとう」と発信してくれるし、これまた噂によるとオタクが贈ったものを身に着けて写真でアップしてくれるらしい。贈った人はさぞ嬉しいだろう…。

界隈の狭さから、同担の動向はよくわかる。舞台やイベントに行っているかどうか、数量限定のグッズを手にしているかどうか、重課金して大量にチェキを撮ってるとか、SNSで俳優から反応をもらっているとか。それもなんだか今までの大手アイドルの同担内ではあまり気にならなかったのに(気にならないほどファンの人数が多かったからか)気にしてしまう自分がいて嫌だ。


舞台に行けるだけ行ってファンサをもらう、チェキやサイン会に重課金する、俳優にプレゼントを貢ぐとかをするのってやっぱり俳優に覚えてもらいたいから?(所謂認知というやつ)覚えてもらったとて、何になるのだろうと思いつつ、その覚えてもらいたい気持ちがちょっと分かる自分もいる。個人イベントに行くようになって、目が合うと嬉しいし、接触で笑顔で話せるとちょっと嬉しい。きっと私の勘違いだが、舞台やライブの客席にいてあ、今見つかった?と思う瞬間もやっぱり嬉しい。

じゃあ私はどこまでお金を出せるのか。
俳優の推しのことは好きだけど、お世辞にも売れてはないし超絶芝居が上手いとかめっちゃ歌が上手いとかではない、発展途上の若手俳優である。仕事して稼いだお金をこんなに使うほど価値のある相手なのか、と思ってしまうときもある。大手アイドルを推すより時間もお金もたくさん消費してしまうわりに、得られる対価が少ない気がして(舞台はまだよくてもイベントは…)、要するにコスパ悪いなと思ってしまう。お金を出せないと思ったらもう降りるべきだろうか…?そもそも舞台鑑賞(俳優オタク)はコスパが悪いものなのかもしれない。


また同担の話になってしまうが、学生と思われる若い子たちがチェキに大金を払っていたり、俳優にプレゼントを出しているのを見るとなんだか複雑な気持ちになる。(オタクの年齢層が若いと分かっていながら物販ヤクザしてくる運営も酷いと思う)バイトでそれだけ稼ぐのも簡単じゃないだろうに、仕事してる大人のオタクが自己責任で散財するのと訳が違う。お金は大切にしなね……。まあこれも私がいい大人だから思うわけで、彼女たちはただピュアに俳優を応援しているんだろう。社会人になって、あの時チェキやプレゼントに使った数万円を働いて手に入れることがいかに大変か、その数万円がいかに生活に必要か分かるんだろう。私は学生のときに若手俳優に出会ってなくてよかった…。


まとめ

お金を自由に使えるようになった今だからこそ、俳優の推しのことは程よい距離感で推していきたい。沼に深入りしすぎないように。舞台は彼の本業なので後悔しないように行くとして、イベントに毎回遠征して行くのはやめようかな。チェキやプレゼント貢ぎに課金はしない。お金がかからない応援(ファンレター・DM・リプとか)は気が向いたらする、タスクにはしない。目が合ったときの(あれ、顔覚えてくれてるのかな?)という淡い期待を期待のまま楽しむ。

せっかく出会った推しなので、できる限り長く応援していきたい。サステナブルな推し活をしよう。


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