私らしい「働き方」はなんだろう
新卒で入社して数年後、会社での私のあだ名は「ちょんぼ」だった。
ちょんぼ… 関西弁でいうところの「失敗」。そう、仕事で大失敗を繰り返していたのだ。
本当に出来の悪い社員だったと思う。ちょんぼ連発するわ、コミュニケーション能力低いわ、昼過ぎはいつも眠そうにしてるわ…。私が上長だったら絶対社長に「あいつをクビにしてください!」と直訴していた。
それでも周りの人のサポートがあり、17年も会社員を続けられた。会社というのはなんと有難いシステムなんだ。今振り返ってそう感じる。
そんな有難い会社を辞め、数年間何もしていなかったが、今年の3月に「開業届」を出した。
特にこれといった意気込みもなく、メリット・デメリット考えた上で開業した方が良いのでは、という判断だった。
そして、出してしまえばある種の「覚悟」ができるのでは、という淡い期待もあった。「開業したんだから、個人事業主・フリーランスとして、がっつり仕事しないと!」というマインドになるかも、と。
けれど、結果として、去年の今頃と、仕事の量はほとんど変わっていない。いわゆる「マインド」もほとんど変わっていない。
仕事で神経を擦り減らし時間に追われるのは嫌いだけれど、暇すぎるのも好きではない。
ひとりでいると気楽でいいと思っていたけれど、最近は誰かと一緒に何かをしたいと思っている。
そりゃぁ、お金だってもう少しあれば、クリスマス前に娘と自分に(あ、夫にも)ご褒美のひとつも買ってあげられるかも。
と、ひと通り、仕事をしよう、仕事をしたい、という気持ちがありながらも、なんとなくウダウダしている。
働きたいのに働いてない、のは何故だろうと考えてみた。
失敗が許されない
若かりし頃に「ちょんぼ」と呼ばれていた私は、正直、仕事が「デキる」人ではない。
会社というのは素晴らしいシステムで、ミスが起きないようチェックする体制があるし、もし誰かが失敗しても周りがサポートしてくれる。(そうでない会社もあるかもしれないが、少なくとも私の働いていた会社はそうだった。)
けれど、フリーランスとして仕事をしていく上では、「ちょんぼ」は許されない。
自分で自分の力量に見合った仕事を探し、選び取り、失敗や遅滞なく完了しないといけない。
クラウドソーシングサイトを眺めては「まぁ、できないことも、ないかもしれないけど、万が一できなかったからといって、後で『ごめんなさい』では済まないもんねぇ。」と、そっとPCを閉じる日々だった。
フリーランスという働き方が、自分には合っていないのでは、と感じることもある。
自分で仕事を創り出せるか
クラウドソーシングサイトを眺めては閉じることに嫌気がさした私は、「自分で仕事を創り出すことができないか」と考え始めた。
「何者でもないオカンがDX人材になり得るか?」というテーマで始めた「おかんDX」という活動。(というほど大層なものではないけれど) 今は2つのコミュニティで、それを実践している。
実践している、とは言ってもやはり、「Pythonちょっと勉強してる主婦なんですけどぉ、ちゃんと最後までできるか分からないんですが、それでもやらせてもらえませんかねぇ?」なんてスタンスの人に、仕事を任せてお金を払ってくれる人はいないと思う。
会社員であれば、まず目の前に仕事がある。それをどうこなしていくか試行錯誤する中でスキルも身につくし、できることが増えていく。何もできない新入社員の時から月々決まった給料がもらえるし、ひとりで責任を取ることは滅多にない。
そこまではしんどい、という場合は、パートやアルバイトで、時間内に言われたことをこなせばいい。その代わり、時給が上がることは、まず、ない。
会社を辞めてしまい、パートではモヤモヤし、フリーランスになったものの自分で仕事を取ってくる度胸がなく、自分で仕事を創り出すこともできるかどうか分からない。そんな今の自分。
この宙ぶらりんな感じが、毎日ちょっと嫌だなぁと思う。
やっていくしかない
あーだこーだつべこべ言っていても仕方がない。フリーランスの皆さんはどこかで覚悟を決めて仕事を取ってくるか自分で創り出すかしてるんだし、会社員の皆さんは組織で働く上での辛さもある。
自分だけヘラヘラ甘えて仕事ができると思うなよ、と思いつつも・・・
あかんの?フリーランスでも、仕事を受けながらスキルアップしていくって、できないの?とも思う。(いや、そうしてる人が大半かもしれませんが、私は出来てないので。)
参加しているコミュニティでは、失敗しても、途中までしか出来なくても、「ALL OK!」な雰囲気はある。みんな応援してくれる。それはとても居心地が良い。
でも、やっていること・やろうとしていることを、自分なりの働き方につなげていかないと、そこで終わっちゃうのはもったいない。そもそも私、働かないと、だし、そのために色々やってるんだし。
なんかとりとめのない話になってしまいましたが。
来年の今頃読み返すと「そんな悠長なこと言ってられるのは今のうちだよ!」と思えるくらい、適度に忙しく、ちゃんと働いてお金ももらって、誰かの役に立てていたらと思う。