見出し画像

心に残るスピーチの「終わらせ方」

何かを伝えたい時、伝える最後に話し手(書き手)は熟慮して選んだ言葉で伝えるか、全てを言葉にせず解釈を相手に委ねるのが良い、と思う。

なぜなら、人は、自分が思っていることを全部相手に言われてしまうと、急に冷めてしまうことがあるからだ。

2日間で15本のスピーチを聴いて感じたこと

週末に、所属するトーストマスターズクラブのクラブ定例会とスピーチコンテストがあり、2日間で15本のスピーチを聴いた。みなさん練習を重ね練り上げられたスピーチを披露され、聴いていた私は胸を打たれた。

トーストマスターズクラブの典型的なスピーチでは、自身の経験などを通じて感じたこと、伝えたいことを約5〜7分にまとめて披露する。

子育てで感じたこと。平和への祈り。職場での経験。様々なエピソードが生き生きと語られる。ジェスチャーや声のトーンの使い分けなどの「話し方(How to say)」も伝わるスピーチになるかどうかの決め手になる。でも、伝わるかどうかの一番の決め手は、やはり、話の構成や言葉選び(What to say)だと思う。

「共感を得る」とは

例えば、話し手が「職場での困難な状況」の話をする。すると、聞いている側は、話し手のストーリーを聴きつつも、自分にも似たような状況があったことを頭の中で思い出す。するとそこに「共感」が生まれる。

聴き手が「うんうん、あるよね〜」「私もそんなふうに思ったわ。」「そういえば、私にも同じような経験があって。。。」と思わず言いたくなる。そうなれば「共感」ゲットだぜ!に成功。

せっかく「共感」を得られても。。。

だがしかし。その「共感」を保ったままスピーチを終わらせ、聴き手が余韻を感じたまま、そのスピーチを忘れられないものにできるかどうか。そこが難しい。

話し手は、つい「この経験から、私は、こんなことを感じました。」をすべて言葉にしたくなる。それが、熟慮された言葉で表現され「そうそう!そうなのよ!」と聴き手がさらに共感を深められれば、それが一番理想的。

ただ、聴き手が「このストーリーを通じて、話し手はきっとこう感じていたんだろう。そして私も同じことを感じたことがある。」と思っていたことと、話し手が最後に言葉にして伝えたことに齟齬があれば、聴き手の気持ちは急に冷める。「え、あなたは、そう感じたの?」「その経験から感じたことが、それ?」となってしまうと、そこまでのストーリーがもったいない。

また、伝えたいことを改めて言葉を尽くして言われてしまうと、押し付けがましいのか、急に気持ちが冷めてしまうこともある。「みなまで言うな」とまでではないけれど、言語化することとしないことのバランスが難しい。

「共感」を冷めさせないスピーチの終わり方

週末に聴いたスピーチはどれも素晴らしく甲乙付け難かった。その中で差がついたポイントは、スピーチの最後の部分。いかにラストが熟慮した言葉で伝えられたか。言語化する部分としない部分のバランスが良く、聴き手の共感を冷めさせないものだったか。その2点だったと気が付いた。

私もラストが説教くさくなりがちなので、今回の気付きを次のスピーチに生かそうと思う。(←ここな!)





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?