レベルって何だ?

これから書くテキストは自戒を込める意味も含めて話を進めていく。
「Jリーグはヨーロッパの○○のリーグよりレベルが低い」みたいな物言いをよく耳目にする。「確かにそうかもしれないなあ・・・」と一旦は思ってみるものの、「じゃあ、その根拠は?」と訊くと、何だか要領を得ない答えが出始める。
レベル云々ではなくて、「サッカーに国民性の違いはあるかもしれない」と思うことは最近間々ある。
こないだのワールドカップロシア大会1次ラウンドのポーランド戦を巡る話なんてのはまさしくそう。「その時の勝負には敗れても、結果的に利得があれば良いじゃないか」となかなかならないのは、ひとえに「勝負事には何を於いても勝つべし」「ことスポーツに於いて『損して得取れ』はあり得ないこと」というような思想背景があるんじゃないかとさえ思う。

でも、俺も時々やってしまうのであまり大きなことは言えないのだが、論じる対象(ここでは仮にAとする)を卑小化したいあまりに、無意識のうちについつい「AはBよりレベルが低い」と、大した根拠もなくやってしまうことがある。その結果、後付けで屋上屋を架す的なやり方で理由をつけてしまい、それで己が納得すれば万事OKとなってしまう。
他者に向けた説得力の補強のためでなく、自分が納得するためのその種の行為は、ちょっとみっともないような気もする。俺もこれをよくやってしまうので、なかなか恥ずかしい。

俺の場合は、単に勉強不足や認識不足だったりするだけのことが圧倒的に多いのだけど、中にはたぶん、自説に固執しまくっている人とかいらっしゃるだろうし、そうなるとどうにもならないのでは、と思えることもある。
我が国を「日本は世界の国々からこれだけ尊敬を集めていてスゴい」とゴテゴテ飾り立てる人々もいる一方で「我が国の○○は欧米の○○に比べるとレベルが低すぎてお話にならない」と不必要に卑下しすぎるの人々もいる。
お互いの突出した言い分の人々が、声の大きさを競い合っているような様子は、何だかちょっとイヤだなあ、と思ってしまう。

確かに我が国のサッカーは、例えば、スペインやブラジル辺りと比べると、技術的な水準は低いかもしれないし、戦術的な研究でも後れを取っているかもしれない。
でも、それら国々の長所を何とか吸収しようと日々様々な努力があるのだろうと思っている。そこら辺りにも目を向けて行けたらな、と思う。
とは言うものの、俺はうっかりさんなので、たぶんこれからもなかなかできないかもしれないけど、そういうスタンスではいたいもの。そんな風にちょっと思っていたりします。

基本的に他人様にどうこう、と偉そうに提示するような文章ではなく、「こいつ、馬鹿でぇ」と軽くお読みいただけるような文章を書き発表することを目指しております。それでもよろしければお願い致します。