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本来なら今日はこういう試合の日だった

でもまあ、COVID-19にまつわる一連の顛末があり、本日(2020年5月6日)現在に於いて、日本国内でサッカーの試合を興行としては行っていない。残念だが、こういう御時世なのだし、やむを得ない現実として受容するべきだと思う。

春先にまだCOVID-19の広がりが穏やかな印象だった頃には、エア明治安田生命Jリーグ、というのがカテゴリを問わずプチブームになったことがある。
だが、このテキストに於いては今更それを蒸し返そう、とかいう目論見ではない。そんなものに今更需要があるとも思えないし。自分もそんな面倒きわまりないことをする気はない。
よって、テイストは全くそういうものではない。

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2018年のちょうどこの時期(試合が実際に行われたのは5月3日)に、ガイナーレ鳥取vsセレッソ大阪U-23戦がとりぎんバードスタジアムであった。

そして本来なら、今日5月6日にはAxisバードスタジアムで、このカードが行われるはず、だったのだ。

ちなみに、2018年の5月6日には味の素フィールド西が丘にてFC東京U-23戦があったのだが、それは観に行っていないので、今回はひとまず置いておくとしよう。

結果から言ってしまうと、試合は1-4で大敗した。ガイナーレ鳥取は良いところをほとんど見せられず、セレッソ大阪U-23の若い選手たちに翻弄され、レオナルド(現・浦和レッズ)の返した1点のみでほとんど手が出ないまま試合を終えることとなってしまった。

ハイライト動画もそんなセレッソ大阪U-23の選手たちが喜ぶシーンがサムネイルに使われており、全く以て残念な試合だったが、自分としては後から思い返した時には、結果の方はともかくとして、むしろ嬉しい一日でもあったと思っている。理由を以下に列記する。

1:推し選手であった松本翔(現・高知ユナイテッドFC)が出場した。

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彼のことはこの当時は(いや、今でさえもそうだが)選手として注目していたし、活躍するだろうとも思っていた。実際、とても期待していたし。
しかし、この試合を含めても、ガイナーレ鳥取に於ける公式戦への出場は僅か2試合に終わる。後に本人からTwitterでリプライもいただいた記憶があるが、この現実を前にして、サッカー選手としては忸怩たる思いがあっただろうことは、何となく想像できる。

その後、彼は試合では活躍の場をなかなか得られなかったが、アスリートフードマイスターの称号を遺憾なく発揮し始め、松本食堂の立役者になり、あまつさえこの年の「もう一つのルヴァンカップ」に於いてガイナーレ鳥取が二位に躍進するきっかけを作った。

その辺のことは(あくまでもこの当時時点での話だが)ここに書いている。

今、彼はご存知のように高知ユナイテッドFCに籍を置いている。四国リーグで大活躍し、地域CLをも勝ち抜き、チームはJFLへと駒を進めた。

サッカー選手としても活躍しているが、それと同様に、アスリートフードマイスターとしても本領を発揮し、「寮ま飯」なるハッシュタグを付けながらTwitterでのツイートを数多く展開し、寮での食事について、寮母さんと組んでいろいろ提示していたみたいだ。
今ではサッカーと食とをリンクさせた、新しい形のインフルエンサーとしての立場を両立してさえいる。敬服に値すると言って良い。

鳥取にいた時より、この方面でもパワーアップしてる、と嬉しくなると同時に、そんな彼の魅力に触れられる高知の人々がちょっと羨ましく思える。ぜひ今後とも、プレーでも、寮などの食事の面でも、活躍してもらいたい。彼になら、きっとできる。この苦境もチャンスに変えることができるだろう。

2:実は魚里直哉がセレッソ大阪U-23の選手として出場している

今でこそガイナーレ鳥取に籍を置いている彼だが、この試合の時点ではセレッソ大阪に在籍していた。そしてこの試合に出場さえしている。以下にその証拠をお見せする。

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ね?確かに背番号41がいるでしょ?相手方にだけど。アディショナルタイムも含めて10分足らずの出場だったが、確かに試合には出ている。

えっ?メンバー表とかでなくて実際の魚里の姿を見せろ?

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彼がセレッソ大阪の選手として写ってる写真がないかと思って探したら、ちゃんとあった。何故か撮っていたのだ。
しかし、まさかこの時はこの選手が後々ガイナーレ鳥取に移籍してくるなんて思いもしなかった。試合での印象も決して強くはなく(まあ、終盤での途中出場だしね)、恐らくこの場ではきれいさっぱり忘れていたはずだ。

そしてこの試合からおよそ3ヶ月後、そんな魚里はどういうわけかガイナーレ鳥取の選手になっていた。ビックリした。

おさかな天国をモチーフにしたチャントを賜り、今の彼はガイナーレ鳥取の主に右サイドを主戦場にしている。頼もしい選手だと思う。これからもぜひ主力として活躍してほしい。それぐらいのポテンシャルは持っている選手のはずなのだから。

3:レオナルド(現・浦和レッズ)を見られた

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まあ、この試合だけでなく2018年シーズンの試合には大概出場していたレオナルド(現・浦和レッズ)だけど、やっぱりねえ、こういう選手がたとえ1シーズンだけでも、ガイナーレ鳥取というチームにいたことは誇りでしょうよ。

この試合に限らず多くの試合に出場して、いくつものゴールを量産するんだから。しかも、その結果として「リーグ得点王」という副産物をも手にしてしまう。それも2年続けて。底知れぬ可能性を秘め、能力を有する選手であることに疑いの余地はない。

彼はこのシーズンが済んだ後には、アルビレック新潟に移籍し、そこでも得点王を獲得してしまった。そして、浦和レッズに目をかけられ、2020年シーズンから移籍している。

レオナルドが鳥取を去った時、むしろ彼は鳥取で収まるような選手ではないだろうなと思っていたので、特に残念だとは思わなかった。むしろ大きな飛躍の機会を得た、とさえ思った。彼ぐらいの力があれば、この先更なる大舞台でも活躍することはできると想像していた。
そりゃ得点王にもなったような選手がいなくなることは悲しいし、惜しかったけれど、たぶん彼のポテンシャルはそんなものじゃないはずだ。自分はそのように信じている。
今の彼は着実に名選手への階段を上っていると思う。この先、更にどんな風に進化成長するのか、予想すらもつかない。

ともあれ、新潟でも周囲の期待以上に働いた彼は、ここでも得点王を獲り、今度は浦和レッズへと戦いの場を移した。浦和でも得点王を獲ったら、Jリーグの全カテゴリで得点王を獲得する、という想像のつかない活躍をすることになるわけだが、その可能性があるならば、ぜひ達成してほしい。

レオナルドならできると思う。と言うより、できなければ困る。くどいようだけれど、それだけの力を彼は有しているはずなのだ。そして、そんな選手を我々は偶然、目の前で見る機会を得られた。とても幸せなことだ。

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・・・とまあ、いくつか理由を列挙したが、要は、好きで試合を観に行っているだけなので、理由はいくらでも後付けが可能ではある。でも、松本翔の件に関してはガチだとは申し添えておきたい。

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本来ならスタジアムの名前がこの名前でなく、新しくなった中で

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新しい名前のついたスタジアムには、従前と変わらぬ多くの応援者たちが詰めかけて、大きな声を張り上げたり、大きなアクションを取りながら、応援行為に精を出し

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ひょっとしたら、抜けるような青空にこういったものが乱舞していたかもしれず

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旨いスタグルも食えたであろうに。

COVID-19とは、実に罪なことをしてくれたものだ。こうなった以上は持久戦も止むなしと思ってはいるが、いい加減、従前通りにスタジアムに於いて、自由に楽しくサッカーを楽しみたい。
いや、サッカーだけではない。それも含めたスタジアムの雰囲気を楽しみたいのだ。それが差し止められている現状は、実に辛いものだ。辛いけれど、今はひとまず涙を呑んで辛抱するしかない。

でも、この先にきっと必ずあるであろう、取り戻した日常への喜びを改めて噛みしめて、しみじみと味わうためにも、自分たちにできる対策を講じつつも、もうしばらくはいろいろなことに耐えながらも、しかし、同時に新しい楽しみを見つけていこうではないか。我々はそれができるはずだ。

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何故ってサッカーだけでなく、いろいろな種類のスポーツや芸能などの、いわば「不要不急のものたち」がもたらす有益性を、自分たちは有り余るほど享受してきているのだから。今この苦境下に於いて、そのありがたみを改めて感じたいと思う。

だからこそ、スタジアムがたくさんの人で彩られるこういう様子を、また再び目にする日が来た時のために、そして、結果はどうであれ、またスタジアムに訪れて贔屓のチームや選手の背中を押すために、今はひたすらエネルギーを充填しておこう。
そういうモチベーションがあればきっと大丈夫。再びスタジアムが沸く日は必ず来るはずだもの。

基本的に他人様にどうこう、と偉そうに提示するような文章ではなく、「こいつ、馬鹿でぇ」と軽くお読みいただけるような文章を書き発表することを目指しております。それでもよろしければお願い致します。