ジョン・レノンの好きな曲を片っ端から紹介してみる

人間的には賛同できない面もあるが、音楽的にはジョン・レノンは大好きだ。とんでもねえ曲をたくさん書いている。ポール・マッカートニーはそれなりに普遍的な曲をたくさん書くが、ジョン・レノンには、彼にしか表現できない曲がたくさんある。ビートルズは、ローリング・ストーンズとは違って自分にとってのモスト・フェイヴァリットではないが、ジョンには、どういうわけだかシンパシーを抱いている。早死にしたからでは決してない。彼が不思議な人だからかもしれない。

では、そんな彼のキャリアで好きな曲を適宜ピックアップしながら紹介していこう。

A day in the life

サージェントペパーズのトリなのだが、ポール・マッカートニーのパートも含めて、これこそビートルズの完成形だろう、と思えてならない。自分の中でもビートルズで最も好きな曲だ。

Happiness is a warm gun

この曲(の後半部)によってポリリズムというものを知ったけど、ハマるとこれって凄まじく効果的なのだなあ、と思ってしまう。音楽的に探究心をくすぐられる曲と言って良い。

Yer blues (perfomed with the Dirty Mac)

ローリング・ストーンズの「ロックンロール・サーカス」に参加したジョンの、スーパーグループ。ザ・ダーティー・マック。ジョンは言うに及ばず、当時クリームのエリック・クラプトン(リードギター)、ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンスのミッチ・ミッチェル(ドラムス)、そしてストーンズのキース・リチャード(ベース)。ビートルズのオリジナルよりこちらの方が破壊力があって好きだ。

And your bird can sing

似たような時期にポール作の「Paperback writer」という曲を書いて出しているが、これはもっとドライな曲かもしれない。デッドパンとはよく言ったものかもしれない。

You're going to lose that girl

シンプルなのに凝った転調をしていてただ者じゃないなと感じさせる。自分としては「Help!」の中でも最も好きな曲。

You've got to hide your love away

同じく「Help!」から。ボブ・ディランの影響下にあるとされるが、たぶん、そんな単純なものではないだろうと思う。スタイルだけ拝借した、のかもしれない。

No reply

「The Beatles for sale」の頭がイントロ無しでいきなりこれだもの。この意表のつき方がたまらなかった。ジョンのこういう驚かせ方は好き。後のジョージ・ハリスンの名作「Something」を彷彿とさせるキー展開も好き。

I'm a loser

No replyを取り上げた以上、これも取り上げないわけにはいかない。これとNo replyという「The Beatles for sale」の冒頭2曲は個人的にはとても感傷的で良いと思っている。

Working class hero

突如ソロ期が登場するわけだが、特にその前半期などは、政治的にはともかく、音楽的にはダークだった時代だと思う。ジョンが「Double Fantsy」以後も生きていたら、もっとハッピーな曲をたくさん書いただろうに。

Woman is a nigger of the world

歌詞やタイトルは今なら確実に物議を醸すだろうし、当時でも相当問題になったと思うんだが、ここではその問題には敢えて触れない。触れて何かが解決するとはとても思えない。だが、当時のジョンは歌わずにはおれなかったのだろう。この怒りを。

New York City

この時期のジョンは、音楽的にはダークだと書いたけど、良い曲も多くて、これみたいなゴキゲンなジャーナリスティックソングも書いたりする。この頃のバックはプラスティック・オノ・バンドとは称していなくて、エレファンツ・メモリーがやってるけど、音が厚く感じる。

Happy Xmas (War is over)

実際、ジョンが理想とする世界はこれから先も恐らく生まれることはないのかもしれないが、でも、仮にそうだとしても、彼の生んだ音楽まで死に絶えるわけでもなければ、彼の主張、彼の考え、彼の想像したものまでが死に絶え無くなるわけでは決してない。そう思いたい。

I am the warlus

ジョンは案外、こういう混沌が実は好みだったのかもしれないと、こういう曲を聴いていて思ったりする。

Rain

ポール・マッカートニーの変態的なベースラインを聴くだけでも価値があるという曲。あと、リンゴが自賛したほどのドラミングも価値がある。それもこれもジョンの曲があってこそだが。

(Just like) Starting over

返す返すも、このアルバム「Double Fantasy」以後も彼が生きてたら、どんな作品を世に問うたのか、と思うととても悲しいし、残念に思ってしまう。この曲はそのような新世代のファンファーレになるはずだったのだから。

Give peace a chance

紋切り型の言葉を並べたこの曲が新しいジョン・レノンの始まりだったと思うのだが、それは同時にビートルズというアイコンからの決別をも意味していたんだな。

The ballad of Jon and Yoko

ビートルズ末期にジョンとポールだけで録音したというこれを最後の最後に紹介しておこう。演奏から、何とも言えない楽しさが伝わってきそうな気がする。

というわけで、主に好きなジョン・レノンの曲をずらずらとご紹介してきたが、もちろんこれらだけが好きなわけではない。もっと他にもたくさんあるのだが、徒に長くなっても困るので、この程度に留めておいた。第2弾があるかどうかはわからない。もう亡くなった人だし、これ以上、新しい曲が出て来ることはないかもだし。

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