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もし過去に戻ってもう一度起業するなら絶対にやり直したいこと【これから起業したい方へ】

最近、都心だけでなく地方でも「起業」する人が増えてきたように感じます。

私自身、起業に関するインタビューを受けることも増えてきました。

今は資本金がほとんどなくても、パソコン1台で簡単に起業できる時代。
学生の中でも、エリートコース=大手企業に就職という概念は薄れ、起業する人が増えてきている印象です。

しかし、起業するのは簡単でも、その後企業として生き残るのはものすごく大変です。

自分一人でユニークワンを起業して8年目を迎えていますが、振り返ってみると「あのときこうしておけば良かった」と思うことは本当にたくさんあります。

「こうしておいて正解だった!」ということよりも「もっとこうしておけばよかったのに…」という反省の方が圧倒的に多いです笑

今回は、起業に少しでも興味がある方に向けて「起業するときにやっておくべきこと」を実体験ベースでお伝えします。反省してる部分も包み隠さずお伝えします。起業したいと考えている方に少しでもタメになれば嬉しいです。


1.ミッション・バリューを明確にするべし

私の起業経験のなかで数少ない「正解」だったのは、創業時からミッションを設定し今まで変更せず貫いてきたことです。

ミッションは企業が果たすべき使命。ユニークワンのミッションは「地方のIT化をリードする」です。創業当初からこのミッションを掲げることで、共感して多くのメンバーが入社してくれました。

しかし反省もあります。それは「バリューをコロコロ変えていたこと」。

ミッションが企業の果たすべき「使命」だとすれば、バリューはミッションを実現するために必要な「行動規範」です。

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バリューも、ミッションの達成に重要な要素ではあるのですが、実はミッションほど重視していませんでした。

そのため、例えばお正月休みにふと思いつきでバリューを変更したり、他の企業に触発されてバリューを無理やり短くシンプルな内容に変えたりと、一貫性がありませんでした。

しかし、起業して8年経ってひしひしと感じるのは「会社のカルチャーを醸成するにはバリューが超重要」ということです。

正直、今までは会社のカルチャーは自然と出来上がっていくものだと考えていました。しかし組織規模が大きくなるにつれて、会社のカルチャーを明文化しメンバーへ意識づけする必要があると痛感しました。

バリューは組織の行動規範。流行に振り回されてコロコロ変更するのは、絶対にやめたほうがいいです

私は新年度を迎えるにあたってバリューを考えなおし、改めてメンバーに伝えました。

※新しいバリューはこちら

あえて短くしたり頭文字をそろえたりするのでなく、本当に大切にしてほしい考え方を私の言葉でそのまま書いています。なので結構ボリュームが多めです。

このバリューは、よほどのことがない限り変更しないつもりです。


2.職場のルールを定めるべし

バリューを固めたら、それに沿って職場のルールは速やかに決めたほうがいいです

職場のルールとは、就業規則に留まりません。例えば「経費申請って誰にどうやって出すの?」「リモートワークをしたいときは誰に許可を取ればいい?」など、全社員に関係する共通のルールです。

創業してから社員数が10名くらいまでは、暗黙のルールでなんとかやってこれました。しかし10名を超えてくると、ルールを明文化しないと余計なコミュニケーションコストがかかってきます。

ルールという言葉を聞くと「縛られる」「息苦しい」など、ネガティブな印象を持つ人もいるかもしれません。

ですが、職場におけるルールの役割は「余計な迷いや不安を無くす」ことです。もし道路に信号も車線も速度制限もなかったら、めちゃくちゃ迷うし不安になりますよね?交通ルールと同様に、職場でもストレスなく自由に働くためには、働くメンバー全員が守るべき共通のルールを早めに作っておくことが重要です。


3.創業時に多額の借金をするべし

実はユニークワンを創業するとき、外部からの資金調達は一切せず、自己資金のみで進めました(借金しないことを前提に妻を説得し、なんとか起業しました笑)。

ですが今思うと、創業時には多額の借金をしてでも先行投資すべきだったと反省しています。

理由はシンプルで、深く沈みこまないと高くジャンプできないから。

特にIT業界は少ない初期投資で簡単に起業できます。
しかし事業を加速度的にスケールさせるには、資金が必要です。

事業戦略に自信があれば、創業初期に資金をたくさん集めて優秀な人材を採用し、スピーディに事業拡大できる環境を整えるべきです。

4.幹部人材を早期採用するべし

多額の借金をしてでもやるべきだったことは「幹部人材の早期採用」です。

創業期は常に「猫の手も借りたい」状態なので、目先の忙しさに追われてつい現場で活躍できそうな人材を採用しがち

実際、ユニークワンを創業した初年度に採用した社員は、前職カガヤキ農園時代の部下とハローワークで一般事務を探していた主婦の2名。私を含めた計3名でなんとか仕事をこなしている状況でした。
その後、取引のあったWebサイト制作会社の社員が「入社したい」と言い出したので、4人目の社員として快く受け入れました。

創業当初で資金にあまり余裕がなかったため、幹部クラスの人材を採用しようという考えは一切なくて。現場で活躍するメンバーを中心に採用してしまいました。当然給与水準もメンバークラス。

しかし、組織を大きくしていくには社長配下のミドルマネジメント層=幹部人材が大変重要です
創業初期の段階で、将来の組織の軸となる幹部クラスの人材を、借金をしてでも高年収でオファーすべきだったと感じています。


5.バックオフィス部門を全力で整えるべし

幹部待遇で迎え入れる優秀な人材には、つい現場を任せたくなります。その方が売上という目に見える成果に直結するからです。

しかし私の経験上、一番優秀な人材こそバックオフィス部門の責任者に任命すべきです。

ベンチャー企業は、制度や仕組みが整っていない発展途上国のような状態。バックオフィス部門は、そんな未整備な会社のインフラを整備する重要な役割を持ちます。

前例や慣習がない状況で会社の仕組みを整えていくのは、とてもクリエイティブで難易度が高い仕事です。仮説をもとに考えながら行動し、仕組みを整備していく必要があります。

総務・経理などの業務経験は関係ありません。身の回りにいる一番優秀だと思う人材をバックオフィス部門に置きましょう。こうすることで、会社の基盤が整い飛躍的に働きやすくなります

実際に、当社のコーポレート部門の責任者は総務経験はゼロでした。しかし、Webディレクション等の経験を活かしてスムーズに制度を整備してくれています。

さらに、バックオフィス部門を強化するためには、早々に社外の専門家と契約を結ぶべきでしょう。

具体的には、会社の顧問となる税理士・社労士・弁護士とすぐに契約すること。外部専門家に頼りつつ、最も優秀な人材にバックオフィス部門を任せる。こうすることで、社長は事業運営に集中できる環境を得ることができます。

6.給与テーブルと評価制度をイチ早く整備するべし

創業してからメンバーが10名くらいになるまで、給与テーブルはありませんでした。前職の年収などを参考に、社長である私が何となく給与決定していました。

しかし今振り返ると、創業2年目くらいのタイミングでコストをかけてでも給与テーブルと評価制度を作っておくべきでした。

個々人の給料を何となくで決めていると、メンバーが増えていくにつれて全体のバランスが取れなくなってきます

さらに「どうすれば給料が上がるのか?」の基準が不明確となり、メンバーから見ても不満がでます。

組織を拡大していきたければ、早々に給与テーブルと評価制度を整備しましょう。


「独立支援制度」を作りました

創業期を振り返ってみると、やはり反省すべき点が多々ありました笑
今思うと、創業時に起業家の方からリアルなアドバイスがあれば助かったなと思います。

そんな思いもあり、ユニークワンでは今年10月に、新たに「独立支援制度」を作りました。

事業的な背景としては、私の頭の中にインターネットに関連した新規事業アイディアがいくつかあります。しかし、リソース不足等により今は事業として展開できていません。

そこで、そのアイディアを活かして起業してみたい!というメンバーがいれば、自分の経験を踏まえて積極的に後押ししようと思ったからです。

独立支援制度の内容はこちら。

【条件】
・勤続年数が1年以上の正社員であること
・新規に創設する会社がユニークワンの100%子会社であること

【事業内容】
・ユニークワンと関連性の高い事業
 ※事業アイディアがある場合は、関連性が低い事業でもOK

【サポート内容】
・社長による定期的なメンタリング
・新規クライアントの紹介
・バックオフィス業務(労務・人事・経理・法務等)の代行
・資金的なバックアップ 等

正直、私は「どんどん起業しよう!!」という世間の流れにはあまり賛成ではありません。小粒な会社がたくさんできたところで、社会に与えるインパクトは小さいので

それでも、チャレンジ精神のある人が起業に興味を持つのは、今の世の中なら自然な流れ。それを実際に起業を経験した私が反対するのもおかしいな、と思いました。

それなら起業を全面的にバックアップしつつ、グループ全体として社会に大きなインパクトを与えていく関係性を築こう。こうしてできたのが、この独立支援制度です。

起業を考えている人にとって、特に「バックオフィス業務」をサポートしてもらえるのは大きなメリットとなるはずです。

起業に興味がある・話を聞いてみたい!という方は、ぜひDMをお待ちしています。

立川和行|ユニークワン代表取締役(@kazuyuki_tachi)

会社なのにメンバー独立を支援する…よく考えれば不思議ですね笑。そんなユニークワンに興味がある!働いてみたい!という方はぜひ採用サイトを見てみてください。


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