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「首相の交代」よりも「ラーメン屋の閉店」?-私がローカルメディアに取り組む理由

ユニークワンって、ネット広告の会社ですよね?

お客様や知り合いからはよくこう聞かれます。

たしかに、ホームページにはデカデカと「成果を追求するインターネット広告会社」とあるので、そのイメージが強いと思います笑

しかし実は「Webメディア運営」というもう一つの顔があるんです。

ユニークワンでは創業当初から、地域情報に特化した「ローカルメディア」を運営しています。新潟市でスタートした「にいがた通信」は、月間300万PVを超えるメガメディアになりました。いまは全国で約20のメディアを展開しており、最近韓国へも進出しました。

いきなり自慢みたいな話になっちゃいましたが、よく考えると今まで「Webメディア運営」についての想いを公に話すことはありませんでした。というか、意識的に話すことを避けてきました。「インターネット広告会社」というフレーズは非常に分かりやすい一方、「メディアもやってます!」というと混乱されそうだったので笑

ただ、今後は「Webメディア運営の会社」としての存在感も高めていきたい。

ということで、このnoteではWebメディア運営を始めたきっかけや想いを、正直に書いていきます。



ネット広告未経験からの起業。お客様から選ばれる「何か」が必要だった


ユニークワンを創業する前。東京の会社からUターンしてしばらくは、父親が代表をつとめる農業法人「カガヤキ農園」で働いていました。

このとき節々で「地方のIT化の遅れ」を実感したことが、ユニークワンを起業する原動力となりました。

▼起業までの経緯は自己紹介noteをご覧ください。

当時の新潟には、いわゆる「ホームページを制作する会社」はたくさんあるものの、 その後の集客・運用を中心とした「Webマーケティングをトータルで支援する会社」が見当たりませんでした。

この危機感から「ネット広告に強い会社を作ろう!」と思い立ったものの、もちろん未経験でした。新卒で入ったNTTドコモで、広報部門への配属経験はありません。起業する直前の職業に至っては農家です。

よく考えると、一般的に起業って「自分の得意なこと=Can」や「やりたいこと=Want」がきっかけになることが多いと思います。が、私の場合は「社会にとって無くてはならないこと=Must」が動機でした。

そのため、今までの経歴や得意分野を活かしてネット広告事業を進めることが不可能だったんです。前職が農家の人間に、ネット広告について相談したいと思いませんよね?笑

未経験の自分がお客様から選ばれるには「信頼」と「実績」が必要。でも起業当初の自分には、そのどちらもありませんでした

そこで、2つ注力したことがあります。

一つ目は「資格を取ること」。たとえば創業当時、GAIQ(Googleアナリティクスの公式資格)は有料で、しかも英語版のみ。日本でGAIQを取得している人はプロ野球選手より少なかったと思います笑 

資格を取った当時のFacebook投稿です笑

媒体社公式の資格を取れば、一定の「信頼性」は増すだろう。そう感じ、個人資格はもちろん、GoogleやYahoo!の認定パートナーなど、様々な資格をいち早く取得しました。

ただ、資格だけでは競合他社と十分に差別化できません。同じ資格を取得されてしまったら、優位性が失われてしまうからです。

競合他社に負けないためには確固たる「実績」が必要。そう考え、もう一つ注力したのが「自社メディアの運営」でした。

私は学生の頃、スノーボードのインストラクターをしていたんですが、スノーボードを滑れないインストラクターは1人もいませんでした。しかし、世の中には、自社でうまく集客できてないのに人へ教える「Webコンサルタント」が意外といるんです笑。

お客様から信頼してもらうには、自身がプレイヤーとして実績がないと価値を感じてもらえない。なので、自社でもWebメディアを運営し、成功するノウハウをお客様にも還元しようと考えました。


新聞に載った次の日に行列。カガヤキ農園時代に実感したメディアの力

「自社メディアを運営しよう」と考えた中で、なぜローカルメディアに行きついたのか?

実は、カガヤキ農園時代にきっかけがあります。

ある日、新潟日報(新潟県最大手の地方紙)の方が、カガヤキ農園の取材に来てくれて、記事になったんですね。

すると次の日、農園の直売所には大行列が出来てたんです。

この光景を見た時「世の中を動かすのはメディアだ」と、メディアの持つパワーを強く実感しました。世の中って「情報」で動いているんだと。

さらに人の行動に大きく影響するのは自分の身近で起きている「ローカル」な情報なんだ、というのも強く実感しました。

この原体験が「ローカルメディアを作りたい」という一つのきっかけになりました。


「首相交代」より「近所のラーメン屋閉店」の方が気になる。”半径5キロ”の情報に価値がある

繰り返しになりますが、大半の人は「自分の身の回りのこと」に強い関心を持っています。

例えば同じ日に、2つニュースを知ったとします。

A.日本の首相、●●に決定!新政権誕生
B.学生時代から通っていたお気に入りのラーメン屋が●月●日で閉店

皆さんは、どちらに関心がありますか?

国レベルでの影響力は、もちろんAの方が強いでしょう。テレビ番組でも連日報道されるはずです。ただ、あなたにとってよりビックニュースなのはBではないですか?僕だったら「閉店前にラーメンを食べておこう!」とお店に行きます。

東京にいた時は、仕事柄「日本の国際競争力を上げるためには?」のように、いわゆる「高尚」なことを常に考えていました。そしてそれが当たり前だと思っていました。

しかし、新潟で地元の人たちと関わって実感したのは、世の中の大半の人は「首相が変わる」という国家レベルの情報よりも「好きなラーメン屋が閉店する」といった身近な情報に興味があるということ。

よく考えたら、地元から出ずに一生暮らす方って結構たくさんいます。自分の生活圏="半径5キロ"以内の情報がビックニュースなんです。

実は、自社メディアを始めようとしたときは「スマホのアプリ比較」のような多くの人に役に立つテーマにしようかとも考えていました

しかし汎用的なテーマでは、東京のベンチャーと競合になってしまう。

そこで、全国のたくさんの人に役立つ情報ではなく新潟市のニッチな情報に特化したメディアをやろう!と決意しました。

どこにいる誰にでも書けるテーマであれば競合してしまうけど、ローカルに特化したメディアであれば競合はしない。ユニークワンならではの価値になると思ったからです。

「にいがた通信」の運用を始めてすぐに「身近な情報に価値がある」という仮説は当たったと確信しました。

開始して1,2ヵ月で、ブログの閲覧数が想像以上に伸びたのです。



「広さ」よりも「深さ」。見えない情報を可視化して"ちょっとした幸せ"を増やしたい

ユニークワンは「ネット広告」というイメージが強いと思いますが、今後は「Webメディア」分野もますます強化していきます。

ローカルメディアを全国・海外に広げていくことはもちろんなのですが、本質的に目指しているのは「メディアの価値を変える」ことです。

今のメディアの価値って「広さ(=リーチ)」だと思います。ページビュー数が多ければ多いほど、そのメディアに価値があるとされている。

しかし私は、「広さ」ではなく「深さ」にも価値があると思っているんです。

「人生に影響を与えたコンテンツ」って、皆さんにはありませんか?たとえば「スラムダンクを読んで自分もバスケを始めた」のような…。コンテンツの「深さ」とは「態度変容につながる」という意味で、非常に価値があると感じています。

コンテンツの「深さ」でいうと、私が小さい頃、少年野球をやっていた時を思い出します。

毎回試合を観戦にくる、友だちのお父さんがいました。翌日になると「試合の結果速報」をA4サイズの紙面で作成し、毎回父兄に配ってくれたんですね。「●●くんがヒットを打って…」「●●くんの守備が素晴らしく…」と試合の様子を詳しく書いてくれて、自分が載ったときはすごく嬉しかったのを覚えています。

この新聞を心待ちにしている人は、少年野球をやっている本人とその家族くらい。ごくわずかです。しかし、特定の人にとってはすごく価値あるもの。

このように、人生に深くかかわっているけど可視化されていない情報はたくさんあると思います。それこそ「にいがた通信」で取り上げている閉店情報は、今までどのメディアにもなかったのではないでしょうか?

たとえば「学生時代から通っていたパン屋さんが閉店する」という情報を見た人が、営業最終日にお店へありがとうと言いに行った…のようなストーリーが、ローカルメディアがあることで生まれているはずです。

見えてなかった情報を可視化することで、地域の人々に物語が生まれる

そういう「ちょっとした幸せ」を地域に増やしていきたいと考えて、ローカルメディアを運営しています。今後はより幅広い分野で、情報を可視化していきたいです。

今まで見えてなかった情報を拾うために、テクノロジーを使った情報収集やWebマーケティングのノウハウも活かしながら、Webメディア運営に力を入れていきます。

Webメディアの力で地域社会を豊かにしたい!」と興味を持ってくれた方は、ぜひ採用サイトを見てみてください。

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