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社長として1年間真剣にnoteを書いて気づいたこと

この個人noteアカウントで本格的に記事を書き始めて、ちょうど1年が経ちました。

私が経営する会社(ユニークワン)では、会社アカウントでかなり活発にnoteを公開しています。その数ざっと120記事以上。

実はこの1年、企業のnoteだけでなく私の個人noteでも情報発信を強化してきました。理由は、会社が目指す方向性について広く知ってもらうため。会社のnoteでももちろん発信はしているのですが、会社の代表個人としてのnoteだからこそ書けることもあるなと。

もともと飽き性な私ですが、「月1回は必ず投稿する」というマイルールをなんとか破らず更新を続けてきました笑 

正直、途中で「発信するネタがないな」「ちゃんと読んでもらえてるのかな」と不安になったこともあります。しかし、1年間本腰を入れて取り組んだからこそ分かった気づきやポジティブな変化があったので、今回はそれを書こうと思います。

「情報発信を強化したいけどなんだかおっくうだな」と感じている経営者の方にこそ、ぜひ読んでいただければ嬉しいです。

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実は、自分でnoteを書いてませんでした

冒頭からいきなり期待を裏切る形になりますが、実は自分でnoteを書いていませんでした。「noteを真剣に書いて分かったこと」ってタイトルなのに、さっそく裏切られた…と99%の方が感じているはず笑

では誰がnoteを書いていたのか。実は当社の広報担当であるソガさん@rie5_sauna)に、個人noteの企画・執筆に協力してもらっていました。彼女は、ユニークワンのnoteを運営する中心人物でもあります。

ちなみに、私が全く関与していないかというとNOです。私が考えたことを彼女に直接伝える。その言葉を彼女が「編集者」として第三者視点からnote化してもらっていました。

毎月1回、今月の個人noteで伝えたい内容について広報担当と打合せをします。私が伝えたいことがあるケースだけでなく、ソガさんからテーマ案をくれることも多々ありました。テーマが決まったら、打合せの中で私はとにかく自分の考えを語ります。私の言葉をソガさんがnote記事の形にしてくれる、という流れです。


「言いたいこと」を「聞きたいこと」に変換してくれる「編集者」は必要不可欠

自分の言いたいことを第三者がnote記事にする。このフローで1年間やってみて分かったのは「編集者」の存在は必要不可欠ということです。

大前提として、自分の「言いたいこと」と読者の「聞きたいこと」のあいだには、かなり距離があります。

自分の伝えたいことをそのまま書くと、独りよがりな文章になりがちです。いくら伝えたい気持ちが強くても、読者の「聞きたい」「もっと知りたい」という感情をかきたてない文章では読んでもらえません。

自分が「言いたいこと」をみんなの「聞きたいこと」へ変換してくれるのが「編集者」という存在です。

たとえば「私がローカルメディアに取り組む理由」という記事。「ユニークワンは『インターネット広告会社』の印象が強いけど、ローカルメディアの色も押し出していきたい」という想いがありました。

広報担当に話しながら言語化することで自分の考えも整理できたし「あの記事読みました!」と反応をいただくことも多かったです。

逆に、自分としては「そこまで面白いテーマじゃないよな?」という内容でも、他人にとっては面白いんだ、と感じることもありました。

例えば「コミュニケーションが苦手でも、なんとかなる」という記事。私はいわゆるコミュ障(死語?)で、できればそのことにあまり触れたくありませんでした笑 だけど、編集のソガさんが「よく考えたら社長なのにコミュ障ってあんまり聞いたことなくて面白いですよね笑」とnoteネタにしてくれたのです。

この記事は、予想に反していいねを多くもらえました。コミュニケーションが苦手だな…と感じる方に意外と刺さる内容だったのかもしれません。

編集者が主観と客観のバランスをとって、他人から見て「面白い」と思える記事にする。個人noteを続けることができたのは、編集者として広報担当が携わってくれたおかげです。


個人noteに注力してよかったこと

会社のnoteとは別に個人noteを頑張ってきてよかったと感じるポイントは3つあります。

1つは、頭の中が整理されることです。

経営者って、基本的に孤独な存在ですよね。一人でひたすら悶々と考える時間も多い。ところが個人noteに取り組むと、考えを言語化する機会が定期的に発生します。アウトプットを試みることで「今時分はここに悩んでいるんだ」「ここを大事にしたいんだ」と気づく良い機会になっています。

2つ目は、メンバーの声を知れる点。これは私と編集者(社内の広報担当)という体制でやってきたからこそのメリットです。

編集者であるソガさんは、広報担当ということもあり社内を広く見渡しています。私にとって彼女は、いわばメンバーの代表。「社員はこういうことが知りたいはず」「この表現だとメンバー視点では微妙かも」と意見を聞けるのは大きなメリットです。

経営者が情報発信したくても、客観的にチェックしてくれる人がいないですよね。独りよがりなメッセージ発信にならないためにも、社内に信頼できる編集者がいるのは心強いです。

3つ目は、いざというときの「ログ」になることです。

最近こちらのnoteに出会って、経営者として自分の考えを残しておくのって大事だなと気づきました。

創業社長は強い想いを持って起業します。社長の一言が会社全体の方針を決めるような影響力を持つでしょう。

ただ、創業社長もいつか退くタイミングが必ずやってきます。2代目社長にとっては「求心力のある先代社長が不在のいま、どうやって組織をけん引しようか」と不安になるはず。

そんなとき、社長の考えや大事にしていることが記録に残っていれば。もし自分がいなくなっても、会社のコアとなる指針は残っている。迷ったときに頼れるコンパスとして、経営者がログを残しておくことは大事なんだと思います。


Webコンテンツにこそ「編集者」が必要

雑誌やマンガは、作者のとなりに「編集者」が必ずいますよね。それと同じで、Webコンテンツにも「編集者」の存在が必要だと思います。

私が好きな本のひとつが、竹村俊助さん(株式会社WORDS代表)の「書くのがしんどい」。このタイトル通り、自分だけでnoteを書くのは精神的にかなり辛いです笑

話したいけどネタが出ない。書き始めるのがおっくう。せっかく書いたけど全然リアクションがない。

一人で情報発信するには、上記のような壁を乗り越えるタフさが必要なのですが、ほとんどの人はどこかでつまづいてしまうはず。結局、何も発信していない…という状況に陥りがちです。実際、私も最初は一人でやろうとしたのですが、すぐに挫折しました。

この1年間は「編集者」が伴走してくれていたので、情報発信を続けることができました。

情報発信を強化したい!と考える会社がやりがちなのが「ライター」だけを増やしてしまうこと。

ライターが増えて編集者が不在だとどうなるか。「語尾はです/ますで統一」や「使っていい絵文字はこれとこれ!」など、細かいトンマナを平準化しようと余計な労力がかかります。

もちろん、記事を書くための基本ルールは必要です。が、細かいトンマナを守ることに注力しすぎて面白みが失われたら本末転倒です。

記事全体の統一感を守るには、編集者がいればいいんです。ライターを何人も増やすより、良い編集者を一人でも採用することが遥かに重要だと思います。


「noteって効果が見えない?」と感じている方に伝えたいこと

ありがたいことに「ユニークワンみたいにnoteをやってみたい!」とご相談をいただく機会が増えてきました(最近はnote proのセールスパートナーにも認定されました!)。

ご相談でよく聞くのが「noteって効果が見えにくそう」という声。気持ちはとてもわかります。

私はこのとき、「販促活動」と「採用」において「効果」の考え方がそもそも違うことをお伝えしています。

販促活動の目的は、売上を拡大させること。商材ごとにターゲットはあると思いますが、ターゲットでないユーザーが購入しても売上が上がればOKですよね。Webの世界に置き換えると、ターゲットでないユーザーからでもコンバージョン(例:問い合わせ)が取れればOK。なので必然的に、サイトのページビュー数やコンバージョン数といった「量」が大事になります。

一方で「採用活動」の目的は、自社にマッチする人材を採用すること。極論、1つの求人枠に対して1人が応募して1人採用するのが一番効率いいのです。なので、noteや採用サイトのページビューや応募数が多ければ多いほどいいか、というとそうでもない。

仮にnote記事が1PVでも、それが求職者1人に刺さればOKなのです。採用コンテンツは「量」以上に「質」が大事なんです。

ただ「うちは年に1-2人しか採用しないんだよ」という中小企業が多いのも事実です。しかし、情報発信の効果は「採用」に限りません。広い意味で「組織づくり」に有用だと感じています。

ユニークワンのnoteや私個人のnoteは、「採用」を含めた「組織づくり」をメイン目的として運営しています。特に私個人のnoteは、社内のメンバーに向けて発信することも多いです。そのため、コーポレートサイトと異なり、PV数やスキ数を厳密には追っていません

PV数を追うよりも、採用・育成フローの中でボトルネックになりそうなところでnoteを活用する、という方針にしています。

たとえば面接に進んだ方には、面接官のインタビューnoteを送っています。入社後のメンバーには、まず知っておいてほしい私の考え(例えば「Webマーケターのバランス感覚」に関するnote)を見てもらう、ということも実行しています。

「コンテンツの質が大事なのはわかるけど、費用対効果が見えにくいものにお金を出しにくい」とお声をいただくこともあります。

ただ、noteをはじめとした情報発信って、費用対効果が見えないからやらないってわけにはいかないよな?というのが私の考えです。

情報発信を強化するのは、企業にとってもはや義務というか。「うちは社内の様子をオープンにしますよ!」と姿勢をアピールするのって、マイナスに働くことはないと思っています。

例えばインターネットが発達する前までは、会社紹介パンフレットを配るのが当たり前でした。インターネット化が進んでからは、会社の顔としてコーポレートサイトを作るのが当然になりました。

費用対効果が見えにくいから、といってコーポレートサイトを作らない会社は、今はほとんどないですよね。

そしてSNSが発達し「一億総メディア社会」となった今。会社はもちろん、個人としてもメディアとして情報発信を続けるのは企業の姿勢として不可欠だと思っています。

まずは「情報発信が大事なんだ」と企業の中で見解が一致するのが第一歩。ただ、リソース的にどうしてもおざなりになってしまう…と壁にぶつかることもあります。

そういうときは、外部のプロに頼るのも手です。実際私も、社内ではありますが他のメンバーに頼ったおかげでnoteを頑張れたので笑

手前味噌ですが、当社には優秀な編集者が何人もいます。情報発信を頑張ってきたこともあり、最近はnote proのセールスパートナーとして認定いただきました。

「広報を強化したい!」と考えている方とは、ぜひお話をしてみたいです。TwitterのDMからでもいいので、お気軽にご連絡ください!


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