№5613:「知り合いの社長がジムをつくりたいから任せたい」という話
こんにちは。遠藤です。
※過去分(4740回分)はこちらにあります。
さて、タイトルの「知り合いの社長がジムをつくりたいから任せたい」という話。
今も昔も結構あります。
私も昔はちょくちょく相談を受けたものですが、一貫して「断りなさい」と言っています。
ちなみに最近はそういう相談は一切ありません。
そんなことすら判断できない人がまわりにいないからです。
では何故断るべきか。
答えは簡単。
「崩壊するから」です。
では何故崩壊するのか。
理由は大きく3つあります。
1つはその経営者の参入動機に信念や情熱がないからです。
おそらく「今後は健康ビジネスの時代だ」的なノリで参入しているだけです。
こんな思いつきのようなビジネスがうまくいくわけがありません。
2つは人選の視野が狭すぎるからです。
おそらく頼んだ相手は経営者のパーソナルトレーナーであるとか、自分が会員のジムのトレーナーとかそんな感じだと思います。
採用活動で考えれば明らかですが、そんな狭い中から選んだ相手が優秀である確率は低いです。
3つは「2つ目の理由」を決定づける説明になりますが、そのトレーナーに経営能力がないことです。
フリーのパーソナルトレーナーにしても、社員では働いている人にしても、それなりの専門力はあるのかもしれませんが、それまでにビジネス力とかリーダーシップ力とかマネジメント力を鍛えている人はほぼいません。
交友関係も狭く、月に5~6冊程度の読書も一切していないはずです。
故にこういう怪しい話に乗ってしまうのですが、このレベルで成功するほどビジネスは甘いもんじゃありません。
また、こういう人に限って「トップハンティングされた」というとんでもない勘違いをします。
「トップハンティング」というのはソフトバンクとか楽天とか、そういう企業の経営陣に抜擢されることです。
それを恥ずかしげもなく口に出してしまうところが、なんともイタいと思います。
こういった理由により時間軸の中で「崩壊」に向かいます。
で、「金のトラブル」になります。
最初のお金の出所が違い、かつお友達的に契約しているので責任範囲が曖昧だからです。
思ったように資金が回収できない経営者は苛立って次第に口を出すようになります。
思ったようにやりたいトレーナーは不満を抱えるようになります。
こうやって経営だけでなく人間関係も崩壊します。
「金の切れ目が縁の切れ目」ですね。
経営者が大富豪で赤字でも問題ないなら、ダラダラと運営を続けることができますが、こういうトレーナーはただの召使い。
それでいいなら問題ありません。
という感じ。
今後は旧態依然とした経営を続ける多くのクラブの業績がさらに悪化します。
見た目の数字は改善しても「やりがい」は低下する一方になります。
こうなると先行き不安がトレーナーがこの類いの話しに乗っていくこともあるでしょう。
が、物語の結末はここまで記したとおり。
ほぼほぼうまくいかないと思います。
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