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№5349:「切り抜き文化」は有害か?

こんにちは。遠藤です。
※過去分(4740回分)はこちらにあります。

さて、ここ最近(数年?)は「切り抜き文化」が台頭しています。

代表はYouTubeです。

数分の「切り抜き動画」が人気です。

視聴者からすると「面白いところだけを数分で見ることができる」ので、30分とかの動画よりも気軽に楽しめます。

視聴者のニーズに応えているのですから、これは「良いサービス」ということができるでしょう。

実際、私も1日1回は何かしらの「切り抜き動画」を見ていると思います。

Twitterが登場した10数年前からは140文字の「短文文化」が台頭しました。

なので、現在は「短文文化+切り抜き文化の時代」ということになります。

こういった流れを批判する向きもありますが、前述のように便利だし、使い勝手もいいのですから、決して悪いことではありません。

使わないで文句をつけるのは愚かなことだし、一種の老化現象だと思います。

とはいえ、このようなことが当たり前になると「文脈が読めなくなる人」が増えていくのは事実でしょう。

仮に「3分の切り抜き動画」の前に「10分の背景説明」、後ろに「10分の弁明」があったとしたら、それを知らずして物事の正邪等を判断することはできません。

が、今の時代はそれができてしまうし、あたかもそれが正しいかのようにまかり通ってしまいます。

私からすると「健康オタク」が言っていることも「切り抜き」に過ぎません。

人生全体、身体全体の文脈を捉えずに「部分情報」だけを切り取って「あれは身体に悪い」「これは身体にいい」的なことを言っています。

こういった症状を予防するために必要なのは、やはり「読書」でしょう。

それも幅広く多くの本を読むことです。

専門書の掘り下げは「読書」とは言いません。

そういった意味での「読書」は「切り抜き」でも「短文」でもないし、当然、文脈を理解しないと読むことができません。

なので「短文がダメ」とか「切り抜きがダメ」というのではなく、しっかり「読書」をしていれば、そういった表面的、かつ部分的な情報に翻弄されることもなくなるし、何よりも様々なツール等を楽しむことができます。

が・・社会人の約半分が月間読書数0冊。

それを含めた社会人の約84%が月間読書数2冊以下。
※つまり月間1~2冊が約34%ということ。

実際、本を読んでいない人は考え方が表面的で短絡的です。

こちらの方がよほど深刻な社会問題ではないかと思います。

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