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【エグゼクティブの成功マインドを磨くCEOコーチング:シーズン1‐1】CEOコーチングとは何か?(前編)

(1)内から行なうコーチング、外から行なうコーチング

こんにちは!
エグゼクティブ専門コーチの久野和禎(ひさのかずよし)です。

本記事では、ポッドキャストの番組『エグゼクティブの成功マインド磨くCEOコーチング』でお話ししている「CEOコーチング」のエッセンスを、テキスト形式でお伝えしていきたいと思います。
音声でお聞きになりたい方は、ポッドキャストの中で「CEOコーチング」で検索をしていただくか、下記のURLからポッドキャストにアクセスをお願いします。

https://qr.paps.jp/phJSc

シーズン1 第1回目の今回は、「CEOコーチングとは何か」について、前後編の2回に分けてお話ししていきます。

「CEOコーチング」という言葉は、2010年代初頭に私がつくった言葉ですので、「初めて聞いた」という方も多いかと思います。とはいえ、なんとなくの意味は想像がつくかもしれません。

「CEOコーチング」は、その言葉通り「CEOに対するコーチング」を意味しています。

「コーチング」には、誰かが誰かに対して行なうもの(「外」から行なうもの)もあれば、自分で自分に行なうもの(「内」から行なうもの)もありますが、「CEOコーチング」に関しては、誰かがCEOに対して行なうものになります。

(2)ある分野におけるトップを指す「CXO」

本記事を読んでくださっている皆さんの多くは、「CEO」という言葉をご存じだと思います。ただ、私が「CEOコーチング」を提唱し始めた頃は、「これは何て読むんですか? セオコーチングですか?」と言われたことが何度もあります。

私自身はビジネスの世界で長い時間を過ごしてきましたので、CEOといえば「最高経営責任者」(Chief Executive Officer)のことであると当然のように思っていましたが、10年弱前の日本では、ビジネス、経営に関わりがない方にとって、そこまでポピュラーな言葉ではありませんでした。

CEOと似た言葉には、COO(最高執行責任者)、CFO(最高財務責任者)、CHRO(最高人事責任者)、CTO(最高技術責任者)、CIO(最高情報責任者)、CRO(最高リスク管理責任者)といろいろとありますが、「CXO」(Chief X Officer)を一言でいえば、会社経営におけるある分野のトップ、全責任を負う総責任者を指す言葉になります。

「CEO」は、もともとアメリカから来た概念です。日本では「最高経営責任者」と訳されていますから、たいていの場合は「社長」のことだと思えばいいでしょう。
ただ、アメリカと日本では、「会長」や「社長」の意味合いが少し違うこともあって、たとえば、「CEO兼会長」「COO兼社長」という場合があったりもします。

いずれにしても、「CEOコーチング」というのは、日本の文脈で言えば、「社長コーチング」ということになります。

(3)英語圏でも受け入れられ始めたメソッド

私の著作『CEOコーチング』(日本経済新聞出版)は、日本語だけでなく、英訳されて英語圏でも販売されていますから、「CEOコーチングは、久野が開発したメソッドだ」ということを知っている方も増えてきました。

ですが、私は自分のブランディングのためにこのメソッドを開発したわけではありません。世の中にとって、そしてCEOコーチングを受ける方にとって、これは必要なメソッドだと思ったから、「CEOコーチングをやりたい」と考えたのです。

私はコーチングというのは、相手が「成功する」「目標を達成する」、あるいは「夢に近づく」ことを支援するものだと捉えています。

その意味で言えば、誰だって「コーチ」になり得ます。たとえば、「受験に合格する」という目標達成の支援する役目を担う塾の先生はその典型で、他にも、友達、親、学校の先生などもコーチとなり得る存在です。

そして、その関係性は一方的なものではなく、自分がコーチングしてもらうこともあれば、逆に誰かをコーチングすることだってあります。
たとえば、一人の人間であっても組織のなかでは、ある人にとっての上司となることもあれば、ある人にとっての部下になったり、先輩になったり、後輩になったり、同僚になったりします。つまり、どんな人でも、コーチングをする立場になることもあれば、される立場になることもあるということです。

もちろん、コーチングには技術が必要ですが、技術の優劣は別として、応援したり、応援してもらったりしているのであれば、そこには「コーチング」が存在していると言えます。

褒められれば嬉しくなって、「よし、次も褒められるようにがんばろう」と思うのが人の常です。そうやってよい循環、サイクルが生まれると、がんばろうという気持ちになるのが、人間の脳の特徴の1つなのです。

(4)「コーチング」と「コンサルティング」との違い

「コーチング」に関する研修を受けたことのある方であれば、人の話をしっかりと聞く「傾聴」スキルがコーチングには必要だということをご存じかと思います。

私も傾聴スキルの重要性については異存はありませんが、コーチングにおいては、もっと大切なことがあります。

それは、「限られた人生の時間」という制約の中で、目の前の人に対して、可能な限り力になろうとする姿勢です。
その姿勢が根幹になければ、コーチする側、そしてされる側の両者が責任をもって、「コーチング」に適した関係性を作り上げていくのは難しいでしょう。

「傾聴」は、経営等にアドバイスしたり、場合によっては一緒に実践する「コンサルティング」においても必要なスキルになりますが、「コーチング」と「コンサルティング」とは役割が違います。

もちろん、コーチングにおいても、一歩踏み込んだアドバイス、たとえば、「こうしたらいいんじゃないですか?」「私のほうでこういうことをやりましょう?」という要素が入ってくることもあります。

ただ、あくまでも「その人の思いを受け止めたうえで、前に進みやすくする、前に進むのを促す」ことに比重を置くのがコーチングであり、具体的な方法や考え方を教えることにより比重を置くのがコンサルティングであると私は捉えています。

以上のことを踏まえて考えるなら、社長に対して「がんばれ!」と応援できるのであれば、コーチングの役割は果たせていると言えます。

だからこそ、先述したように、親でも、友達でも、先生でも、上司でも、先輩でも、同僚でも、コーチングをする立場になり得るのです。

ただし、ことCEOコーチングに関して言えば、社長と対等に話せるくらいのビジネス経験、事業に対する知識がなければ難しいのも事実です。
たとえば、ビジネスについてよく知らない人から、「がんばれ!」と言われたら、社長はどのように思うでしょうか。
「社長の重責を担ったことのない君に言われたくない!」とまでは思わないにしても、「気持ちはありがたいけど、なかなか私の苦しみまでは判ってくれないよね」と思ってしまうに違いありません。

ですから、CEOコーチングをするのであれば、社長やCEOが背負っているであろう苦労を経験したことがあったり、あるいはもっと大変な苦労をしてきたうえで、「教えてあげるよ」「やってあげるよ」ではなく、「実践するのはあなただけれど、応援しますよ」というスタンスで関わることが必要になってきます。

つまり、「社長と対等に話せるくらいの経験」、そして「相手を応援したいという思い」の2つがそろわなければ、CEOコーチングのスタートラインには立てないということです。
そして、その2つが揃ってはじめて、「では、応援するには具体的にどのような技術が必要か」という話に入っていけるのです。

ですから、20代〜30代前半くらいの方が、いますぐにCEOコーチングのコーチを担当するのは難しいと言わざるを得ません。それでも「将来、CEOコーチングを実践したい」ということであれば、まずは企業の社長と対等に話せるくらいの経験をすること、さらに、もともとの性質として、あるいは後天的にでも、「目の前の人を応援したい」という気持ちを持ち、深めていくことからスタートしてはいかがでしょうか。


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