正義のヒーローになりたかった。
子供の頃、わけもなく正義のヒーローに憧れていた。21歳になった今でも、憧れる。しかし空を飛んだり、かめはめ波を出すことは、僕にはできない。
しかし自分の正義を持つことは出来る。
昔、友達がこう言ってくれた「お前にも、お前なりの正義があるはずだ」
俺にそんなものがあるのか?この時は分からなかった。
子供の頃から、天然で、頭が固く、勉強が苦手、要領が悪い自分の全てがコンプレックスだった。
高校生の頃は、よく友達にキャラをいじられ、笑われていた。馬鹿にされて不快だったことも少なくないが、それがコミュニケーションになって、友達との距離が近くなることの方が多かった。
笑わすのと、笑われるのでは全然違うことは、分かっている。それでも、自分の天然が原因で、クラスメイトの皆が笑ってくれたら、教室の温度が上がって、僕の温度も上がった。
この年になって、ようやく笑顔の大切を自覚した。笑顔でいると幸せで、誰かと笑いあえたら、もっと幸せである。緊張をほぐす力や、誰かと仲良くなれるきっかけにもなる。笑う門には福来るという言葉は、あながち嘘じゃなくて笑顔を絶やさない人には、実際に「何か、来る」のだ。
自分だけでは気づけない自分とは周りから見た自分。
大学の恩師に「君は周りの空気を変える、いい意味でね。」と、言われた時、自分の存在意義がはっきりと確かなものになって、そして正義が見えた。
「いい意味で周りの空気を変える存在であり続ける」これが僕の正義だ。この正義を貫いて、人の笑顔を増やす。なんていったら、かっこつけで、何様なんだって感じだが、要は、誰だって、何か正義があるはずで、たまに誰かを助けるヒーローになったりする。
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