モンゴルでサッカー教室を開催したい理由
モンゴルでプレーし、今年で3シーズン目になった。
この国の人たちの親切さに魅了され、ウランバートルでの住み心地も良く感じ、日々色々な問題も起きるけどそれすらも楽しんでいる。
ただ、自分はプロサッカー選手としてこの国で生活しており、常に結果を求められている生活を送っている。
その分、苦しいことも少なくはない。
特に今シーズンは、正直今までで一番苦しい。
チームは優勝を目標にスタートしたのにも関わらず、結果が伴わず残留争い中。
この結果を受けて、移籍期間にチームを去っていったチームメートも多数。
更に、給料の未払い問題は、この記事を書いている現在も未だに解決されず…
その影響でチームを去った選手も居る。
シーズンスタート時に3人いた外国人籍の選手も、現在は自分1人だけの状況。
良い状況とは、とても言いがたい。
しかし、自分は”サッカー”というツールを通じて、偶然モンゴルに住むことになった。
『サッカーが好きで、サッカー選手に憧れて、サッカーで海外に出たい!』
と思っていた過去の自分が居たからこそ、この国と不思議な縁で結ばれた。
幼い頃から抱いていた夢を、モンゴルという地で叶えた自分は、この国に対して特別な感情を抱いているし、感謝している。
改めて、サッカーの可能性が無限大であることを実感している。
そして、モンゴルの国全体の更なる発展にも、サッカーは今後多いに役に立つと、自分は思っている。
まだまだ、発展途上中の国で、貧富の差も激しく、政治家の汚職も耳にするし、環境汚染の問題、ウランバートルの渋滞問題、他にも社会問題を多数抱えている状況だ。
ハッキリ言って、日本と比べれば物質的な豊かさはまだまだ乏しいし、不便なことも多い。
インフラも安定していないので、しょっちゅう停電や断水が起きる。
それでも、モンゴルの人たちはとても明るい。
些細なことは気にしていない。
日々の生活を存分に楽しんで、笑顔で生きている。
そして、自分と関わっているモンゴルの人たちは、みんなとても親切だ。
何か困ったことがあれば助けてくれるし、いざという時には心強い味方が自分の周りには沢山いる。
モンゴルの人たちの明るさと心の温かさに、自分は感謝している。
今の日本より、精神的な豊かさがある国だと、自分は思っている。
●モンゴルの子供達向けにサッカー教室を行いたい!
そこで自分は、モンゴルという国に対しての感謝の気持ちを、何か形にしたいと思った。
現在、自分はモンゴルでプロサッカー選手という立場。
一番得意なことはもちろんサッカー。
サッカーというツールによりモンゴルに導かれ、この地にたどり着いた自分にできることは、サッカーで恩返しをすること。
そこで、モンゴルの子供達向けにサッカー教室を開催したいと考えた。
●モンゴルでのサッカー環境の現状
近年、少しずつサッカー人気に火が付いてきているモンゴル。
大人たちがバーやパブなどでプレミアリーグの中継を見ていたり(民放でプレミアリーグが中継されてる)、子供たちが海外クラブチームのユニフォームを着て町を歩いていたり、少しずつ国民がサッカーに興味を持ち始めている。
また、今年6月に行われたW杯アジア一次予選を突破したモンゴル代表は、二次予選で日本代表と同グループに。モンゴル国民のサッカーに対する関心は、更に増してきている。
しかし、モンゴルサッカー界を取り巻くハード面の課題は多い。
せっかくサッカーに興味を持っても、気軽にサッカーをプレーする環境がまだまだ整備されていない。
(実際に自分が、給料の未払いや練習環境の問題に直面しているし…)
現在、自分が一番の問題だと思う点は、自由にサッカーができる場所やグラウンドが少ないこと。
現地でプレーしている自分から見て、早急に改善が必要な部分だと感じている。
首都のウランバートル中心部は、大きなビルや商業施設が立ち並び、自由にサッカーをして遊べるような場所が限られている。
今年まで使用していたサッカーグラウンドが取り壊され、ビルに変わってしまったような場所も存在する。
これでは、モンゴルの子供たちがサッカー選手に憧れたり、サッカーに興味を持ったとしても、プレーする場所が少なく、サッカーを楽しむ機会が失われているのではと危惧している。
それは、大人も(モンゴルのプロサッカー界も含めて)一緒。
専用練習場を所持しているチームは限られており、ほとんどのチームが練習グラウンドをレンタルして利用している。
国内1部リーグのプロチームも例外なく、大半のチームがグラウンドをレンタルして練習を行っている。
1部リーグ全10チーム中、9チームは首都ウランバートルを本拠地としており、各チームが限られたウランバートル市内のグラウンドをシェアしている状況。
自分が所属するFCウランバートルが利用した後、週末に対戦するチームが同じグラウンドで練習するような光景が、日常茶飯に起きている。
プロサッカー選手としてプレーしている大人たちがこのような状況なので、子供たちを取り巻くサッカー環境は、更に良くない。
学校施設のグラウンドも存在するが、普段は入り口に鍵がかけられており、自由に使用できない場所が多い。
学校の体育の時間、またはサッカーチームに所属している子供たちだけが、限られた時間にグラウンドを使用できる、という状況。
放課後にサッカーをして遊びたい子供たちが、グラウンド横のコンクリート上でサッカーをする姿をよく目にする。
サッカーをしたい(遊びたい)子供たちは多く存在するのに、サッカーをする場所が非常に少ないのが、モンゴルの現状。
※サッカー場に鍵がかけられており、その隣のコンクリートでサッカーをする子供たち
●綺麗な芝生の上でサッカーができる環境を提供したい
そこで、無料のサッカー教室を開催し、子供たちが綺麗な芝生の上でサッカーを楽しめる環境を提供したい!と考えた。
少しでも、サッカー環境改善のきっかけとなるように、是非とも開催したい。
開催を検討している場所は、今年完成したばかりの人工芝サッカーグラウンドがウランバートル市内中心部にあり、そこでモンゴル現地の子供たちを集めて行いたい。
しかし、そのグラウンドを1回利用するには、2時間あたり日本円で約2万円(休日価格)の使用料がかかる。
もちろん自分1人で料金を負担して実行してもいいのだが、モンゴルの現状を伝えながら日本との交流を図ること、そしてサッカーで恩返しがしたいというこの気持ちを皆さまと共有したく、自分が今オーナーとして活動している『KAZUTAKA OTSU 蹴球サロン』(オンラインサロン)のプロジェクト第一弾とした。
●『KAZUTAKA OTSU 蹴球サロン』
具体的には、オンラインサロンの参加費(月額500円)のうち、運営費用が20%(100円)かかるので、その金額を引いた400円(1人あたり)を、サッカー教室の開催費用(グラウウンド使用料)に当てる。
50名の参加で1回分のサッカー教室が開催可能。(400円×50人=2万円)
なので、8月中に50名の参加を目指している。
しかし、あと1週間で残り42名の参加が必要な状況(8月23日現在入会者8名)。
是非、noteを読んでくださる皆さんにご協力していただきたく、この記事を更新した。
もし、自分の思いに少しでも賛同して頂けるのであれば、以下のURLから蹴球サロンへの参加をお願いします。
また、蹴球サロンについての詳細は自分のブログでも公開しています。
●最後に…
これからモンゴルが国として更に発展し、社会問題を解決し、物質的な豊かさを手に入れたとき、今の日本のように精神的な豊かさを失って欲しくないと強く思う。
はっきり言って、サッカーなんか存在しなくたって生きていける。
だけど、物質的に豊かになっていた状況の日本に自分は生まれ、ただ生きていくだけには必要がないと思われるサッカーによって、自分の人生は大きく精神面で豊かになった。
そして、サッカーをしていたことによって、自分はモンゴルの人たちと出会った。
彼らと出会い、自分は様々なことを考えさせられ、大きく成長し、より豊かな人生を送っている最中だ。
人生において、ただ生き延びていくためには必要ないと思われる無駄なことも、極めれば人生を豊かにするツールになることもある。
自分の場合、それがサッカーだった。
だから、サッカーが好きで純粋に楽しんでいるモンゴルの子供たちの夢を奪いたくない。
少しでも、サッカーが好きな気持ちを大人になっても抱き続けて、モンゴルという国の更なる発展の力になって欲しい。
それを実現するためにも、自分はモンゴルで子供たち向けにサッカー教室を開催したい。
チームは結果が出ていない、給料も未払い、いつまでこの国に居れるか分からない。
そんな状況でも、自分はこの国の人たちのために少しでも力になりたいと思っています。
その気持ちに、嘘偽りはありません。
それだけ、モンゴルには大きな魅力があります。
皆さま、少しお力を貸してください。
よろしくお願いします。
■プロフィール
大津一貴(オオツ カズタカ)
1989年 10月 25日 北海道旭川市出身(その後すぐに札幌市)
札幌市立山の手小学校(山の手サッカー少年団) → 札幌市立琴似中学校(SSS札幌サッカースクール) → 青森山田高校 サッカー部 → 関東学院大学 サッカー部 → 2012 ホームテック株式会社入社(一般サラリーマン、サッカー引退) → 2013-2014 T.F.S.C(東京都リーグ、サッカー再開) → 2015 FC Ulaanbaatar(モンゴル) → 2016 Three Kings United(ニュージーランド) → 2017 Kamphaengphet FC(タイ) → 2018~2019 FC Ulaanbaatar(モンゴル)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?