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林業というとザックリしすぎてるので、林業という仕事を細分化してみた!

 「林業ってどんな仕事?」と聞かれたとき、どう答えますか?
多くの方は、「木を伐る仕事」と答えるでしょう。Wikipediaにもそう書いてありますから…

たしかに実際にやっている仕事からすると正解ではありますが、
これから林業を仕事にしたいと思っている方はもう少し深掘りする必要があります。
なぜなら、林業といっても木を伐らずに仕事をしている業者さんもいるからです。
そこで今回は
「木を伐りたかったのに全然この会社木を伐らない」
「木を植えたいのに全然この会社木を植えない」
みたいなことにならないよう林業という仕事の業種を細分化していきたいと思います。


素材生産業

 素材生産業は、立木(素材として売れる地面に生えている樹木)を購入し、木を切り倒して主に丸太やチップなどの素材にして販売することがメインの仕事です。
 Wikipediaに書いてある林業とは、まさに素材生産のことでしょう。林業の中でも花型といえるのではないでしょうか。
チェーンソーや刈払機より高性能な大型の重機を導入して効率的に木を伐る事業者が多いこともあり、若い林業従事者が年々増加しています。高性能な重機を使うため、その重機の操作技術とメンテナンス技術が必要です。


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農林水産省Webサイト(https://www.rinya.maff.go.jp/j/kaihatu/kikai/kikai.html)

 木を伐ることがメインでカッコいい仕事だと思いますが、木を植えたい方や山を守りたい方にはあまり向かないかも…
木を伐る仕事がしたい方やカッコいい重機を操作したいという方は素材生産をオススメします!


造林業(育林業)

 造林業は、将来木を利用するために保育されている山林で、その山林に対し,林木の造林・保育・保護がメインの仕事です。地拵え→植栽→下刈り→除伐→間伐と、1年を通して季節ごとの山林の手入れ作業を行います。作業内容が豊富なので、作業に応じた技術と木が育つための知識を身につける必要があります。
 人工林は、手入れをしないで放置すると山林が荒れ、立木の価値も下がってしまいます。そのため、山林を手入れして守っていく造林業は無くてはならない重要な仕事です。
 しかし、林業の中でも特に若い林業従事者が少なく、大型の機械を使うこともあまりないため、体への負担は大きいのが現実です。
体への負担が大きい分、太っている方や健康に問題がある方は少ないです。
体を動かした仕事がしたい方や機械に関することが苦手な方、森林が好きな方は造林業
をオススメします。

 ちなみに、昔話に出てくる芝刈りをするおじいさんは造林業をやっていると思われます。


原木流通

 原木流通業は、素材生産業者で伐採した木を購入・請負って、木材を加工する工場などに運ぶことがメインのお仕事です。分類としては林業というより運送業ですが、林業でも欠かすことのできない業務のため、項目に入れてみました。
 山林から丸太を運び出し、一般道を通って工場まで行くので、高度なトラックの運転の技術とグラップル(丸太をつかむ機械)の操作技術を身につける必要があります。林業の学校でもグラップルの操作以外はあまり教えられないみたいなので、林業の事業者からは重宝される人材のようです。
 また、林業用トラックは見た目も仕組みも特殊なトラックで種類が豊富です。トラックや機械が好きな方は特にオススメですね!


種苗生産業

 種苗生産業は、業者が植えたい樹種を把握し、山林用の苗木を育成することがメインのお仕事です。山に木を植えるときは種を蒔くのではなく苗木を植えるので、再造林への注目度が高まっている現代において、とても重要な仕事です。

 地面にしっかり根を張る強い山にするためには高い品質の苗木が必要不可欠です。苗木品質を左右する工程である掘取、抜取と選苗は大変重要な作業です。
 樹木を一から育てたいという方はオススメです。

※ざっと紹介しましたが、種苗生産はまだ知らない部分も多いので、後日またアップデートします。


特用林産物生産業

 特用林産物生産業は、森林原野において産出される産物のうち,一般用材を除く林産物を生産するお仕事です。特用林産物とは、薪や木炭・わさびなど森林が起源の生産物の総称なので、細分化するとものすごい種類の仕事があります。
 特用林産物を事業としている事業者は他の業種と比べて多くはないですが、林業において木を余すことなく使うためには、これからニーズが高まっていく分野だと思います。
 田舎だと個人で山菜の生産やきのこ類の生産をしている方もいるので、副業みたいな感じでやってみるのもいいかもしれないですね!
 最近だとエッセンシャルオイルや化粧水などを作っている方もいるのですが、これも特用林産物なのかな?
だとしたら、今後最もおもしろくなる分野かもしれませんね!


 こんな感じで紹介してみましたが、林業と一口に言っても多種多様な産業です。
深く知れば知るほど、より魅力的に感じる業界だと思います。
林業で働きたいという方はぜひ自分の得意分野と照らし合わせて選択してみてください!


林業従事者数及び生産工程従事者数の推移
https://www.rinya.maff.go.jp/j/kikaku/hakusyo/30hakusyo/attach/pdf/zenbun-9.pdf


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