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世界2位のコラージュが出来るまで

こんにちは。グラフィックデザイナーでコラージュアーティストのカズシです。

この度、世界中で開催されたMarshmello×Adobeデザインコンテストにて準グランプリを獲得し、世界2位となりました!(大袈裟に言ってますが実際には準グランプリ9名の中の1人です笑)
せっかくなのでその作品が出来るまでと受賞についてを書きたいと思います。
とても長くなってしまいましたので適当に飛ばしながら読んでください(笑)

募集

2020年11月、Adobeさんより今回のコンテストの募集が開始されました。

正直Marshmelloという方をなんとなくしか知らなかったのですが、調べると凄い方でした。

Marshmelloとは「2019年に世界で最も稼いだDJランキング」で2位のDJであり、楽曲「Happier」が全米、全英チャート2位を記録している音楽プロデューサーです。
Adobeについては説明の必要はないでしょうが、世界で最もクリエイターに使われているPhotoshopやIllustrator等のソフトウェアの会社です。

この世界トップ同士がコラボしたコンテストの価値が凄くないはずがない!

挑戦

そんなコンテストに僕は何としても入賞したい!と思い、気合を入れて挑みました。
今までAdobeさんが主催する国内のコンテストでは数々の賞を獲得出来た僕ですが、世界となると話は別です。
規模も参加人数も桁違い。
そこでどうやって審査の目に止まる作品を作るか。
それをまずは考えました。

僕に出来るのはコラージュ。でもただのコラージュではありきたりな物になる。
しかし、日本人の僕にしか出来ない、世界で目を引くコラージュがありました。
それが「和風コラージュ」またの名を「浮世絵コラージュ」でした。

以前Adobe×LadyGagaのコンテストに応募し、入選には至らなかったものの、Twitterにて海外からの反応がすごく良かったコラージュなのです。

この和風コラージュはパブリックドメインとなった浮世絵を切り貼りして作るコラージュです。
この手法でMarshmelloも作る事にしました。

開始

今回のコンテストはMarshmelloのヘルメットをデザインするというもので、顔が中心にあり、筒状にデザインを展開する仕様となっていました。

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まず素材となる浮世絵を集めました。

名称未設定

これら全てを使った訳ではありませんが、使えそうな物を集めてからレイアウトを考えていきます。

制作

そして最初に出来たのがこちら。

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左右に対照的な絵を並べてコントラストのあるイメージでありつつ統一感もあるデザインにしました。

しかし、これではただイラストを並べただけで、マスクに馴染んでいないしDJらしくない。
そう思い改良したのがこちら。

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うん、DJらしいカラーになったし、マスクに馴染んできた。
もう少しバランスを修正しよう。
人ばかりで面白くないから龍や松の木も追加しよう。

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うん。バランス良くなった。
けど、このカラーはやはり和風の良さが死んでる。
色は和のカラーに戻そう。

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カラーもバランスも良い。
でももう少し人を減らして、動物を入れたい。
目も黒じゃない方が良い。
真ん中の顔も全体に馴染むデザインにした方が良さそう。

完成

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よし。出来た!
実際は細かい修正を何度も繰り返してこの完成バージョンになりました。

タイトルも考えました。
エモーショナルな浮世絵のコラージュという意味で
「Ukiyoemotion(ウキヨエモーション)」
国境を超えてエモい音楽を奏でるマシュメロに和を纏って欲しいという思いも込めました。

応募

そして応募しました。
今回のコンテストでは通常の審査とは別にファン投票という投票制の賞もありました。
なのでこちらも一生懸命に票集めに走り、沢山の方に投票を協力して頂きました。


1日1回毎日投票出来るので、本当に沢山の方が、多くの時間を僕の為に使ってくれて、とても感動しました。
投票する人には何の得もないのに毎日サイトにアクセスして頂き、さらには他の方への呼びかけまでしてくださる方もいて、ものすごく愛を感じました。
それだけで今回のコンテストに出て良かったなと思えたほどです。

投票の結果は世界18位(日本1位)とベスト10には入らず入賞は逃しました。
しかし、皆さんのおかげでここまでの順位に登れた事が嬉しかったです。
(おそらくシステム的に繋がりのある方の票がほとんどだと思われる)

とはいえ、作品の価値は人脈で決まるものではないし(もちろん人脈は大事だし有難いという事が大前提かつ負け惜しみも少しある)、作品としては審査の結果が大切なのではないかとも思い、審査で入選したら最高だけどな〜と淡い期待を抱いていました。

通知

そしてある日、アメリカから英語のメールが届いたのです。

Hi,
Great work! You have been selected as the Second Prize winner, pending eligibility verification, of the ADOBE MARSHMELLO HELMET REMIX CHALLENGE.
If we are able to verify you as the winner, your prize will consist of one (1) Four Hundred Dollars (USD $400) (or local currency equivalent) check; one (1) poster autographed by Artist, and one (1) three (3) month subscription to Adobe Creative Cloud All Apps.
In order to ensure you are eligible to receive this prize according to the Official Rules, please read the attached Official Rules and reply to this email within seventy-two (72) hours letting us know if you want to accept or forfeit the prize. If we do not hear from you by 5:00 pm on December 23, 2020, you will automatically forfeit your prize and we will select an alternate winner.

英語だし、長いし(実際はこの3倍の文章)、送り主がAdobeさんじゃないし、72時間以内に返信とか厳しいし、2位とか書いてあるけど、僕は18位だったし、何だこれ?迷惑メールか?と疑ってしまいましたが、本物でした(笑)。

ここから頑張って難しい英語を対応しながら何とか書類も色々提出し、無事に受賞権利を獲得しました。(英語の勉強を本気で考えました)

しかし最初のメールから公式発表まで2ヶ月もあり、ずっとウズウズしてました(笑)。

発表

そしてようやく発表されたのがこちら。

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動画形式で発表され、各国の受賞者が並ぶ中、日本人で唯一自分の作品が入選しているのを見ると誇らしい気持ちになりました。

そして皆さんからのお祝いのコメントやいいねも沢山頂き、とても幸せを感じました。

理由

僕がコンペを頑張る理由。
それは、自分の作品を認めてもらいたいのもあるけど、フリーランスの自分が仕事を獲得するた為の手段の一つなのです。
何の肩書きも実績も無い、営業力もない状態ではお仕事獲得には限界があると考えてコンペを頑張り始めました。
肩書きが出来れば仕事にも価値や信頼性も上がると思っています。
安心して依頼していただけるように結果を残しておきたかったのです。
そしてコンペは受賞出来なくても作品として残ります。全力で作った作品は自分の代表作になるし、無駄にはなりません。
受賞は運や相性も伴うので、落選したからと言って必要以上に落ち込む必要もありません。
だからコンテストには積極的に参加すべきだと思うし、僕はこれからも参加していきます。
なのでこれからも暖かく見守っていてください。
そしてお仕事をください(笑)

最後

最後にいつも応援してくれたり、いいねやコメントをくれる皆さんにお礼を言いたいです。とても励みになってます。ありがとうございます。

長くなりましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。

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