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意外と私、1人で生きるのがめんどくさいって思います。

大豆田とわ子と三人の元夫8話、今回は今の自分と少し重ねてしまい、見入る。それにしても、とわ子が出会う人って、なんであんなに不思議な関係な人ばかりなんだろう。とわ子がプライベートで出会った、数学好きな男(小鳥遊大史(オダギリジョー))が、しろくまハウジングを買収する外資系の会社の責任者であった。会社の社長としては気まずいが、プライベートでは気の合う2人である。

「ここからはビジネスで、ここからはプライベートってわけられるんですか?エアコンみたいに、暖かいの冷たいのって、切り替えられません。」

とわ子が大史にファミレスで言った言葉が印象的だった。かなりの偶然で、普通ではありえないかもしれないが、例えば社内恋愛をして、社内の会社の事では気が合わないが、実はプライベート(外)では気の合う2人、というパターンはよくあるかもしれない。でも、それは、ちゃんとビジネスとプライベートをわけようとしているだけかもしれない。

社会人の恋愛って、仕事とプライベートをわけないといけない。仕事場でいちゃついてるってあり得ない。だけど、とわ子が言ったセリフみたいに、ちゃんと線引きするのも難しい。

何がなんだかわからないけど、好きになってしまうのが「恋」だし、エアコンみたいに気持ちを切り替えろなんて言われてもなかなか難しいのも「恋」だ。

◇◇◇

そして、私の最近の事とは、こんな感じだ。(またか??と思った人はしつこくてスイマセン笑)

恋って、浮き沈みが激しい。私はこの頃、好きな人で頭がいっぱいだった。そして、この記事から3日たって、また進展があった。

「田植え機に乗りませんか?」

好きな人に突然言われた。こんな気持ちで二人乗りするのだ。田植え機というと、他の農業機械の何よりも難しいという印象がある。農家育ちの私は、父に絶対に乗せてもらえない乗り物だった。どうしてか本心を聞きたかった。でも、他の人もいる中だったので訊けなかった。

私の気持ちは、乗り物の走り方を習うなんていう頭はどこにもなく、近距離2人っきりじゃん…という気持ちの方が大きかった。だから、エンジンのかけ方などを教わるときに、「ちょっとソコ、抑えてて」とレバーを握っていると、必然的に手が触れてしまう。結局、3日で少しはマトモに植えれるようになった。

1日目。「すいません、頭が真っ白です。」と言い放つ。もちろん、操作もあるが、彼と接近したことの方が大きい(笑)。

2日目。「今日も乗ろう?大丈夫ですよね?」と言われると「大丈夫じゃないです。」と返すが無視される。「さ、ここから乗るよ!」と言われて指導を受ける。

3日目。この日は、水田の半分ほど乗せてもらった。「もう自分のカンで進んでください。私はタバコ吸って休んでますから。」と言われたが、彼は結局ぜんぜん下りなかった。もうだいぶ運転できそうだったから、私から降りるのを引き留めることもしなかったが。3月までロクに会話すらしなかった私たちが、二人で田植え機の乗っているものだから、母がわざわざ写真を撮る(笑)。近所の農家さんも何人か見に来るが、声はかけられない。…どう思って通り過ぎたのだろう。

この3日目が終わる頃には、コップから溢れそうだった気持ちは、すでに勝手にあふれていた。恋が冷めたわけではない。好きと伝えたわけでもない。そして、好きと言われたわけでもない。

私たちは、こういう関係でいいんだ。

プライベートとビジネスなんて、恋したら分けられない、分けたいけどわけるのが難しいんだと思う。1か月前に思った、敬語でアクリル板を貼っているという気持ちは、敬語でなんとかアクリル板を置いて自分たちを制御してるんだ、という気持ちに変わってしまった。

田植えという農家の最大のミッションが片付いた。彼にまた飲みに行こうと誘われた。彼と私と娘、母で近所の飲み屋で食事をした。ついに私の娘が彼に懐いてしまった。娘が抱っこをせがむと、彼は慣れない手つきで娘を抱いた。…彼はホントに十年以上、彼女とか子供とかと向き合ったことのない感じで、おぼつかなさが滑稽すぎた。

彼が「来年からはお年玉とかあげなくちゃダメだねぇ。」と話はじめたので、「じゃあその前にクリスマスプレゼントですよね?」と突っ込んでみると、「そういうのどこで買うの?」と言われたので、あえて答えなかった。近所におもちゃが売ってる場所なんて知らないんだと思ったし、娘が好きなプリキュアなんて、さっぱりわからないだろう。

そういう、新鮮な会話が楽しすぎた。仕事の話しかしてこなかったからこそ、発見があって面白かった。

◇◇◇

娘が生まれてすぐ離婚し、ずっと1人でもいいかなぁって思って今まで生きてきた。でも最近、とわ子が言ってた「意外と私、1人で生きるのがめんどくさいって思います。」っていうのがなんかわかるような気がしてきた。誰かとなんでもいいから共感したり、会話したりすることは、めんどくさくないなぁって。




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