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協力者が現れる仕組みを 「クラウドファンディング」 で作れ。

『新世代サッカー指導者のWEB戦略』vol.6

Vol.5▶︎『スポーツ海外留学における「クラウドファンディング」の可能性』


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■留学に付きまとう「人脈」の問題

サッカーの指導者(スポーツの指導者)が海外留学をする場合、「人脈」という問題が付きまといます。特に、充分な資金がない場合や、まだ若く業界につながりがない場合、何をどうしたら良いのかわからないという人も多いです。例えば「人脈」が全くない場合、留学を斡旋する会社にサポートをしてもらう、という選択肢もありますが、基本的には高額な資金が発生するので、一定の条件を満たしている人しか会社を通して海外に留学することは出来ません。

例えば、若者が海外でサッカーを学びたいと思った時に「人脈がない」という理由で諦めてしまう人が一定数いるのであれば、それは日本にとって大きな損失であると私は考えています。


■「人脈」は気持ちで解決できない

"人脈を言い訳にして海外へ行かないやつは、そこまでの気持ちがないのだ"

私も、今でこそアルゼンチンでサッカーを学ぶことが出来ていますが、基本的に常に「お金」「人脈」の問題とぶち当たっていたので、何十回とこのセリフを言われました。ただこういう状況が続いている限り、島国日本がこのグローバルなスポーツで世界と戦えるようになるのは、非常に難しいと言わざるを得ません。

国全体で「人脈」という問題を解決するべきだとは思いますが、それが理解されるまでにはかなりの時間を有しそうなので、今回は「人脈」を解決できる可能性の一つとして、私が行ったクラウドファンディングを例にしていきたいと思います。


■私の状況

私は現在アルゼンチンに在住しておりますが、クラウドファンディングでプロジェクトをリリースするまでは、当然資金は全く足りず、「現地の人脈は0」の状態でした。その為、クラウドファンディングで資金を集めると同時に、人脈の問題も解決しよう、と考えました。

上にあるのがクラウドファンディング内にも掲載した「アルゼンチンでの計画」です。当時は人脈がなかったので、1年目は「アルゼンチンでの土台を作る」としていました。人脈を作ることからはじめ、生活場所を探す、資金繰りを考える、語学を学ぶ、という様なことに1年目を費やすしかないと思っておりました。

ただ、クラウドファンディングを行ったことで、これらの問題を一気に解決することが出来、1年目からそれら「土台作り」をする必要がなくなったので、現在は計画表よりも1年早く全てが進んでいる状態です。


■協力者は必ず現れる

サッカーの業界でいえば、現在は世界中に日本人がいます。もしくは過去に居た場合が非常に多いです。なので、クラウドファンディング、もしくはその前の段階から「どこどこにサッカーを勉強しに行きます」ということを、WEBで先に言ってしまう方が良いです(もちろん行動を伴わせた状態で)。

私の場合、ひとまずの通過点としていた「ライセンススクール入学」を無償でお手伝いしてくださる方(去年までそのスクールに通っていた方)が現れ、その方のお陰で右も左もわからない状態から住居を確保することが出来、サッカーの勉強をし始めることが出来ました。

その他にも、今でもお付き合いをしてくださっている現地在住の日本人や、別の国で協力をしてくださる方、プロジェクトをサポートしてくださる日本企業など、現地で必要な「人脈」を、クラウドファンディングを発表した段階で解決することが出来ました。

しっかりとプロジェクトの熱意と計画を伝えることができれば、必ず協力者は現れてくれます。人と人は、いくら海外であれ、どこかで繋がっているからです(その際に工夫しなければならないことは、次回の連載で書いていきます)。


■協力者は隠れている

クラウドファンディングの発表の段階で、私の様に協力者が現れなかったとしても、必ずいつか現れます。協力者は、あなたがどれほどのことをするのか、どれほど実行する意欲があるのか、など様子を伺っている可能性が高いからです。

もしも行動がしっかりと伴ってくれば、どこかのタイミングでコンタクトをしてくれる人は多いはずです。その時のために、「拡散装置」「計画表」の両機能を備えたクラウドファンディングがあれば、よりスムーズにいきます。これは私の実体験からも言えることが出来ます。


■どの様な工夫が必要か

ただし、ただクラウドファンディングでプロジェクトを作ったり、WEBで「どこどこにサッカーを勉強しに行きます」と宣言したところで、そこに様々な工夫がなければ協力者は現れてくれません。

次回はクラウドファンディングを行った「3つ目の狙い」と合わせて、私が行った工夫を共有していきたいと思います。

以下参考に私のクラウドファンディングのページを貼っておきます。かなり前のものなので恥ずかしい失敗も多々してますが、それらのことも共有し、日本のサッカー界から若者がどんどん出ていける様な可能性を、少しでも広げていければ幸いです。


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※この記事は、NYC/TOKYOをベースにスポーツテックの分野で活動する「スポヲタ社」のnoteマガジンで行っている連載です。

スポヲタ株式会社HPhttps://sportajapan.com/


筆者:河内一馬

92年生まれ。アルゼンチン指導者協会名誉会長が校長を務める監督養成学校「Escuela Osvaldo Zubeldía」に在籍。サッカーを非科学的な観点から思考する『芸術としてのサッカー論』を執筆中。

Twitter:@ka_zumakawauchi

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