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ドイツサッカー育成の徹底された守備戦術に驚いたこと

今回はスペインとアルゼンチンの育成組織と比較して、ドイツの育成組織で徹底されている守備戦術をお話します。

スペインとアルゼンチンの育成を経験した後、現在はドイツでプレーしていることから、ドイツの育成年代の試合も観ることがあります。そして驚いたことがあります。

それは徹底された守備戦術です。

ドイツサッカーで求められることは「縦への速さ」です。

守備の際、状況に応じた適切なポジショニングを選手たちに求め、前線から連動してどんどんプレッシングを掛けていきます。
ボールを失った後もすぐに攻守を切り替えプレッシングします。その際も選手たちが連動して前からプレッシングをするので、その分直線的な上下運動が多いと感じています。

攻撃時もスペースがあれば前へボールを運ぶよう要求されます。
前にスペースがあるのに止まれば、かなり指摘されます。
守備でも攻撃でも、前への速さをとにかく求られます。

アルゼンチンとスペインの育成組織でも守備戦術は勿論ありますが、どちらかといえば、ボールを奪い取る「個のポテンシャル」を求められていると感じました。

しかしドイツはプレッシングを掛けることと守備の際のポジショニングを育成年代からより徹底していました。

詳しく説明します。

まず最初に、ドイツは9歳から11歳までの3年間は7人制サッカーです。

ミュンヘン1860のU-10対バイエルン・ミュンヘンU-10の試合を見ていたときです。

【この状況でどうプレッシングを掛けますか?】

10歳以下の選手たちということもあり、おそらく、まずボールに1番近い青(7)がプレッシングにいくと思います。

すると、パスを赤(11)に通された時に、青(4)が素早い対応を出来ていなければ、赤(11)と青(4)は1対1の状況を作られてしまいます。
そこに赤(9)も加われば、2対1の局面を作られ、青チームのピンチになります。

【一方で青(6)がプレッシングはどうでしょう?】

このような状況の時は青(6)がプレッシングを掛けるという決まりがあれば、このような状態になります

青6がプレッシングを掛けることで、マークをずらす必要はなくなりました。

この時に重要なのが、中央に空くスペースを埋めるため青4、11、10がコンパクトになることです。

それを実際に行っていました。

僅か10歳の子たちが守備戦術を理解しながらプレーしていたことに驚きました。

これを選手たちが実際に試合中やるとなると、「戦術を理解する→実行しながら分析する→状況判断する→修正する」といったことが出来なければ、実際に試合中には出来ません。

その守備を理解して動ける選手たちも凄いですし、その戦術を10歳のチームに必要な重要点として教えているドイツも凄いと思いました。

求めていることの基準が年代を問わず、高いからだと思います。

実際にドイツでプレーしているとチームの決められたプレッシング通りの守備戦術をしなかったり、1人プレッシングの遅れをとるとチームからの信頼や評価を大きく落としてしまいます。

育成年代からチームでプレッシングを掛ける守備戦術を徹底し、根付いているからだと思いました。

次回はスペインやアルゼンチンの育成にも触れていきたいと思います!!

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


伊達 和輝

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