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中小企業診断士になってからの4年間で起きた変化

割引あり

「中小企業診断士ってどんな資格ですか?」
「どんな活動をしているんですか?」

こういった質問を頂く機会が、時折あります。

僕は2015年秋に中小企業診断士を志し勉強を始め、2016年1次試験合格(2次筆記不合格)、2017年2次試験合格、2018年診断士登録しました。

執筆時点(2021年12月)で診断士4年目の39歳。都内のシステムインテグレーター(SIer)と一般社団法人に所属している企業内診断士です。

今回の記事では、特に中小企業診断士になった後の活動実態や、具体的に起きた変化を知りたい30-40代の方に向けて、いち個人のケースを紹介します。
「3-4年経つとこんな感じになるんかいな~」というひとつの事例として、ご笑覧ください。

本記事は1年目(2018年)まで無料記事、2年目以降は有料記事(500円)です。フラペチーノ1杯分で、それ以上の価値を提供します。活動の具体的なイメージを持ちたい方はぜひどうぞ。


どんな仕事をしている?

ざっくりですが、以下の3つの顔で仕事をしています。

  1. システムインテグレーターで、自社の新規事業開発

  2. 一般社団法人で、社会課題解決のための産学連携・オープンイノベーション創出

  3. 個人で、中小企業や個人事業主の新規事業・マーケティング支援、執筆、セミナー講師

主に1.2は本業として平日日中帯、3は複業として平日夜や休日に活動しています。

ポイントは、①3つとも自分の強みを起点にしている点、②各活動は無関連ではなく、シナジー効果(相乗効果)が生まれるようなジャンルに絞っている点。

いろいろ迷い模索しながらタネをまき水をやる中で、3年経過したころにようやく自分なりの方向性が見えてきたような状況です。



そもそもなぜ、中小企業診断士を目指した?

社会人になりたての頃から企業経営に関する興味があり、診断士資格の存在は知っていたものの、日々の忙しさに流され、自分が挑戦するということとは切り離していました。

2015年6月頃。「日本の危うい現状」という、当時TACで教鞭をとっていた遠藤先生の無料Webガイダンスを見たのです。

ハンマーで殴られたような衝撃を受けました。

生まれ育った日本はいまこんなにも砂上の楼閣なのか、
この現状に蓋をしているのは他ならぬ自分自身ではないか…と。

同時期に妻の妊娠が判明しました。待望の新しい命を授かり、その神秘に触れたのは望外の喜びでした。外部と内部の両面で現実のライフステージ変化を迎えたことで、診断士の扉を本気で叩くことになったのです。変化とは一気にやってくるもんですね。この頃のメモがありました。

2015年当時のメモ

①現状への危機感
・IT業界で新卒からの営業一筋10年を越え、業界・社会の変容・グローバル化の加速を痛感。我々の仕事も変わらざるを得ない
・そんな中、変われていない目の前の仕事への焦り。そろそろ飲み屋でクダ巻くだけでなく、自らの手で世界を広げなければという危機感

②エネルギーの向け先
・仕事は楽しい。が、一方で部活やサークルに打ち込んだ学生時代のがむしゃらな気持ちが失われていく感覚
徹底的に何かに打ち込む経験をもう一度味わいたい。趣味ではなく、人生全体を動かすようなレベルで

③知識のリストラクチャリング
・社会人になってから細切れに(誤解も含めて)身につけてきた知識を徹底的に洗い直して、「本当に価値のある」体系的な原理原則へとビルドアップしたい

④取得できたら(当時考えていたこと)…
・次の10年、診断士として経験を深め、日本の企業経営の中核に携われる「究極のゼネラリスト」人材になりたい
・自ら目標を立ててキャリアを作ることで、後輩たちにとっての良きロールモデルのひとつになりたい
・経営者・診断士仲間・他士業の人たち…接する人たちの世界がこれまでと変わり、視野・フィールドが広がる(ハズ…!)

⑤子供に誇れることを
・正しい知識と知恵と人脈とを最大限に活かして、社会に貢献したい。その対価として、娘のためにも将来複数の選択肢を与えてあげられるだけの収入を得たい

青臭いことが書いてあるかもしれません。でもこれが僕の原点です。

その後、2年間の学習期間を経て、なんとか試験に合格することができました(どうやって試験勉強を進めたのかは、ここでは割愛します)



診断士のスキル:診る・聴く・書く・話す・創る

ここからは、1年目、2年目、3~4年目にそれぞれ何をしてきたかに触れます。

診断士のスキルである「診る」「聴く」「書く」「話す」「創る」に当てはめていくと、以下のようになりました。

中小企業診断士になってからの4年間の主な活動

ここからは、それぞれの年にどんな考えでどんな経験を積んでいったのかについて触れていきます。


1年目(2018):基礎固めのインプット

1年目はとにかくいろんな世界に触れ基礎固めをさせてもらいました。

【書く・話す】診断士受験生支援(一発合格道場)

何よりも多くの時間と情熱をかけたのは「一発合格道場」の活動でした。合格体験記を書いたのち、先代からありがたいことに声をかけてもらい、9代目のメンバーとなりました。おかげで、診断士としての第一歩が始まりました。

道場では1年間、おおよそ隔週ごとに2000~5000文字前後の記事を書き続けます(多いときはもっと)。限られた時間のなかで時流にあったテーマを選び、論理的に物事を捉え、分かりやすく伝える。この反復経験を徹底的に積ませてもらうことができました。

道場では春夏秋冬の時期に応じてセミナーの企画・運営を行いました。今となっては研修やワークショップを企画したり、講師として人前で話をするときの大きな礎になっています。

9代目のみんな(写真)とはいまでも大切な戦友として、ときおり連絡を取り合い、刺激し合っています。


【聴く・書く】取材・執筆スクール受講(取材の学校)

中小企業診断士のための取材・執筆専門スクールである「取材の学校」にも4-6月にかけてお世話になりました。ここでは聴く力(インタビュー力)を高めつつ、自分の文章を雑誌やWeb媒体に掲載するためのイロハを学び、修了後は実際にインタビュー・執筆案件も紹介していただくことができました。

実績に乏しい駆け出しの診断士にとって、「取材・執筆」という表現のための武器を手に入れることは、何よりの名刺代わりになります。2020~2021年にはご縁と機会をもらい、ゴルフ場経営者向け雑誌『ゴルフ場セミナー』に年数回の連載枠を頂き、最新のITキーワードの解説とゴルフ場経営への応用について寄稿していました。

また、取材の学校に集まった同期は能力も意欲も高い人が多く、ここで診断士としてのネットワークが格段に広がりました。

↓取材・執筆などを含めた主な実績はこちらに


【聴く】フレッシュ診断士研究会

診断士としての哲学・常識・行動規範を学ぶ場として、東京都中小企業診断士協会認定の研究会である「フレッシュ診断士研究会」に入会しました。

先輩診断士からの話をじっくり聴くというのが中心でした。フレッシュと言いつつ、参加者の平均年齢はやや高め。

複数の方から話を伺う中で、テクニックや知識よりも「心構え」「在り方」を学んでいった記憶があります。


【診る】マスターコース受講(BCNG)

コンサルティングの考え方・手法を会得するためのマスターコースのひとつである「BCNG」(東京都中小企業診断士協会 中央支部認定マスターコース)。ここでは、診断士としての実践的な知識を体系的に学びました。

BCNGでは毎月、先輩診断士から最新の理論・事例を叩きこまれ、また演習では「実際に活かす」ためのディスカッションを繰り返します。診断士試験の1次・2次の範囲より深く・広くしたイメージです。

1年かけて修了したのち、こんどは自分たちが講師側に回ることで、知識や経験がさらにブラッシュアップされていきます。僕にとってはまさに「診断士活動のベースキャンプ」のような存在となっています。

きっとみなさんの住む地域にも、「マスターコース」あるいは「プロコン塾」があると思います。合格後も学びを深める場はたくさんありますので、楽しみにしていてくださいね。


【話す】講座開発講座受講(志師塾)

診断士に限らず、士業・コンサル・講師・コーチなどの「先生」と呼ばれる方が、集客や独立開業のノウハウを実践型で学ぶスクールにも通いました。

塾長の五十嵐さんという方は診断士でもあり、取材の学校経由のインタビュー案件で卒業生の方を取材させて頂いたことをきっかけに僕も門を叩きました。

受講にあたっては、以下の目的意識がありました。

  • そもそも自分の成し遂げたいこと、提供できる価値は何なのか

  • 尖がれるポジションはどこなのか

  • 講座開発の勘所・ノウハウには何が必要なのか

講座の受講料は決して安くはありませんが、幅広い属性・バックグラウンドの方々が集まるので、診断士にとどまらず自分のことを俯瞰的に棚卸し、先生業のネットワークをつくるには非常に良い場だと思います。


【診る】本業(経営企画)

本業では、もともとSIerの法人営業として長らく従事していましたが、1次試験合格後に事業推進部門に異動。さらに2次試験合格後には経営企画部門に異動させてもらいました。

奇しくも経営企画の1年間は、自社がグループ統合を行うというタイミングでした。会社統合というのは、経営戦略・組織論、経営法務、財務会計、オペレーションマネジメントなどの知見が総合的に必要とされるリアルの場です。

時にヒリつくようなこともありましたが、様々な部門の人たちと丁寧に会話を重ねながら、会社の組織も規則も、そして人々の想いも束ねていくというプロジェクトに携わらせてもらえたことは、代えがたい経験になりました。



2年目(2019):学びをコンテンツに昇華

2年目自分なりの武器を磨くことに注力し、1年目の学びをコンテンツへと代えていきました。

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