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スコアを5打縮める為のフットゴルフマネジメント~練習ラウンドで確認する10のこと③~

~前回の記事はこちら~

今回の記事は、「練習ラウンドで確認する10のこと」に関する記事の最終回です。10項目のうち、1.と2.は前々回の記事を、3.~6.については前回の記事をご覧ください。(以下、再掲)

1.コースマップと実際の目で見た印象の違いを確認する
2.芝やバンカーの質を確認する
3.当日の天候を踏まえた上で、時刻による風向きをチェックする
4.コース全体の傾斜を確認する
5.ボールの置き所を探す
6.狙いどころとなるラインの目印を探す




7.置き所からカップまでの距離を測る

距離計測については、以前の記事(歩測を覚えてラウンドを有利に進めよう)を参考にして頂き、置き所からカップまでの距離を歩測する習慣を身につけてください。
このとき、置き所の候補となる場所が何ヶ所かある場合には、全ての置き所からの距離を測ることをお薦めします。どんなに上手い選手でも、毎回同じ置き所にボールを置き続けるのはほぼ不可能ですし、一度ミスをした置き所にはネガティブなイメージがついてしまい、次のラウンドからは狙いにくくなったりすることがありますので、ラウンド中の心理的余裕を保つためにも、置き場所は複数ヶ所用意しておくべきです。

なお、複数の置き場所を用意し、それぞれの距離を測るという作業を全てのホールで繰り返し行っていくと大変疲れますし、挙句の果てには覚えられないホールが出てきたりするのですが、ここで役に立つのがヤーデージブックです。
ヤーデージブックについては、後日改めてまとめさせて頂きますが、これを作ってこまめに更新していくことで、複数日競技のラウンドに活かすこともできますし、ラウンドすればするほどその精度が高くなっていく素晴らしいアイテムなので、作ったことがない方は次回のラウンドで試しに作ってみてください。



8.距離計測の参考となる目印を見つける

7.(置き所からカップまでの距離を測る)の歩測の際には目印を見つけておき、目印からカップまでの距離もできる限り測るようにしておきましょう。
目印には、日が変わったり、大雨が降ったり、強風が吹き荒れたとしても、カップの位置が変わらない限り、カップからの距離も変わることのないモノを選ぶようにしてください。
具体的なモノで言うと、フィールドに生えている木やバンカー、池、クリーク、そして排水溝や橋などの人工物になりますが、これは言わずもがな、距離がずれないもので基準を作っておくほうが誤差が少なくなるからです。

なお、前述したように、どんなにうまいプレイヤーでも、毎日同じ位置にボールを置き続けるということはほぼ不可能であり、少なからず、微妙なずれは生じてしまうものです。このズレをなくしたり少なくしたりする為にはキックの技術を磨くしかないのですが、このズレを許容して、別の方法でスコアメイキングに繋げることもまた技術のうちの一つです。そして、その”別の方法”というのがマネジメント力をつけるということなのですが、マネジメント力を上げる為に役立つ方法の一つが、目標物からの距離を測っておくことなのです。

以下の図をご覧ください。目印として、予めバンカーの縁からカップまでの距離を計測していて、その距離がカップから50mだったとしましょう。このとき、ボールがある位置からカップまでの距離は、わざわざカップまで歩測に行かなくとも、あるところの距離を測ることで、カップまでの距離を推測できるようになるのです。
まず、”カップと目標物を結んだ直線”に対して、垂直方向の点線を引きます。そして今度は、この点線に対して垂直方向になるよう、”ボールと点線を結んだ線”を引きます。この線は、結果として、最初の”カップと目標物を結んだ線”と平行になるのですが、この線の距離が8mだったときには、ボールとカップの距離は50m+8m=58mということがわかるのです。

フットゴルフマネジメント実際の距離


この計測方法は、今回の例のような、ボールとカップを結ぶ直線上に何も障害物がない場合にはあまり意味をなさないやり方に感じるのですが、林の中に入れてしまったり、目の前に大きな人工物があって直接歩測できないときなどにはとても有効な手段となります。
また、遅延で計測対象となっている場合等の冷静にプレーしにくい状況のときには、歩測をやめて、歩測にかかる時間分を落ち着いてキックする時間に費やしたほうが良い結果が得られることが多いので、そういうときにも上記方法でさっと距離計測を済ませることをお薦めします。




9.カップ回りの傾斜とラインを確認する

これは主に、カップを中心とした十字のラインを引く作業になります。詳細については、以前の記事(石川遼もやっている、4方向からのパッティング練習)にも書かせて頂いていますので、今回は割愛致します。
なお、時間があるのであれば、もう少し広いエリアの傾斜も確認しておくと良いでしょう。アプローチやバーディーパットの精度が更に高まります。





10.優勝スコアを仮で想定してみる

優勝スコアの予測は、優勝争いをする上では非常に重要な作業です。ただ、私が知る限り、フットゴルフ界において、優勝スコアを予測する為のメソッドを持っている選手はまだいないと思いますし、私の予測方法もまだ精度はそこまで高くありません。
しかし、それでもなお私は、「優勝スコアは予測するべきである」と考えていますので、そのメソッドについて、後日改めてまとめさせて頂きます。乞うご期待ください。

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~練習ラウンドで確認する10のこと、まとめ~

最後に、1.~10.のチェックポイントをまとめます。

1.コースマップと実際の目で見た印象の違いを確認する
2.芝やバンカーの質を確認する
3.当日の天候を踏まえた上で、時刻による風向きをチェックする
4.コース全体の傾斜を確認する
5.ボールの置き所を探す
6.狙いどころとなるラインの目印を探す
7.置き所からカップまでの距離を測る
8.距離計測の参考となる目印を見つける
9.カップ回りの傾斜とラインを確認する
10.優勝スコアを仮で想定してみる




~リカバリーゲームこそが、フットゴルフの醍醐味であり、本当の面白さである~

今回も含めて全3回の寄稿を使って、練習ラウンドの重要性について書いてきましたが、私がこれだけ練習ラウンドにこだわるのには理由があります。もちろん、”良いスコアで回る為”、という理由もあるにはあるのですが、それよりももっと本質的な理由として、”ミスキックの後のリカバリーゲームこそが、フットゴルフという競技の本質的な面白さなのではないか”と思っているからです。

”リカバリーゲーム”は、そもそもがミスを起点として始まった”マイナスからのスタート”なので、イーブンに戻すだけでも苦労しますし、そこから更にプラスに持っていこうとする場合には相当な技術とマネジメント力が必要になります。でも、だからこそ、良い結果が得られたときの喜びは格別なのです。
良く、ゴルフ大好きおじさんたちが、「林に入れてしまったけれど、リカバリーショットで2オンして楽々パーをとった」などと語っていたりするのも、嬉しくてたまらない成功体験を忘れられないからだと思いますし、これと同じ現象が、既にフットゴルファーたちの間でも起こっているのが何よりの証拠だと思います。
ちなみに以下の動画をご覧頂ければわかるのですが、プロゴルファーでさえも(あのタイガー・ウッズですらも!)リカバリーショットが成功したときには大喜びしていますので、アマチュアの方たちが自慢げに語る姿を見かけたときには、暖かい目で見守ってあげてください。(笑)


もちろん、リカバリーゲームで無理をして更なるマイナスを生むこともありますし、マイナスの上にマイナスが加わることで、「フットゴルフってつまらない」と思ってしまう人もたくさんいるでしょう。
多分、早々にフットゴルフを諦めてしまう人のほとんどは、「リカバリーゲームで更なるミスを繰り返し、フットゴルフの本質的な面白さを体感できずに離脱してしまっている人たち」なのではないかと思っています。

だから私は、フットゴルフを普及させ、メジャースポーツへと発展させる為には、この”リカバリーゲームの面白さ”を体感してもらわなければならないと考えていて、面白さを体感してもらう為にも、”フットゴルフマネジメントの重要性”を理解してもらわなければならないと考えているのです。
私が、フットゴルフマネジメントについてnoteに書き記していこうと思ったのは、その為です。

なお、リカバリーゲームを楽しむことができるようになると、ミスを恐れなくなり、心に余裕が生まれます。心に余裕が生まれると、周りが良く見えるようになります。サッカーで言うところの、ゾーンに入った状態に近いような感覚になることができるのです。
ゾーンに入ることができたなら、結果として、プレー全てに余裕が生まれ、自然とミスも少なくなっていき、更に良いスコアで回れるようになっていきます。

だからこそ、練習ラウンドでは、これら10の項目をチェックしながらラウンドして頂き、完璧な状態で本番に臨んでもらうことで、リカバリーゲームまでも楽しんでもらいたいと思っています。



~次回の記事はこちら~


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