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”これからの時代のためのソマティックス”のはじめの2章を無料大公開します

この小冊子を出して一年が経ちました。

より幅広い方に「ボディーワーク」や「身体性」について幅広くお伝えしたい。特に、身体をただの物質として「思考からのトップダウンで管理する」ような扱い方ではなく、「ソマティック」という「感覚を伴い、心や感情との架け橋としての身体」として関わるように、身体との関係性を変えていくことのインパクトの大きさについてご紹介したく作成しました。

偶然コロナの時期と重なって、(大会場で配ることを想定して大量に紙の小冊子も刷ったのですが)PDF版が多くの方に読まれ、ご感想嬉しく拝見しています。

先日はTwitterで若い起業家の方が、

プロセスワークもそうだけど、『ソマティックス』も完全に欲しかった言語化が行われている分野だと思った。
ソマティックス、もはや資料読んでるだけで、整っていけるので魔法(笑)
いかに自分が日々感覚遮断をしているのかに気づく

とご感想をシェアしてくださいました。(何をお読みになったのか興味を持って伺ったら自分の小冊子だったときの驚き、笑)


書いた頃よりもより多くの方に、ここに書いた内容がまっすぐ受け取っていただけるようになってきている時代の流れを感じます。

ということで、一周年記念?!
目次と、冊子冒頭の「理系エンジニアだったわたしがボディーワーカーになるまで」「ボディーワークとは」の2章を無料大公開いたします。興味を持たれたらぜひ冊子もご購入くださいね。ね!

目次

理系エンジニアだったわたしがボディーワーカーになるまで ·· 1
 ボディーワークとは ························································ 5
「ソマティック」って何? ··············································· 9
現代という時代とソマティック ········································· 12
 凍りつきをとかす ··························································· 15
 生命エネルギーを取り戻す ··············································· 17
 ソマティックスの現場から ··············································· 21
 ソマティック心理学 ························································ 25
 ソマティックの道のマイルストーン ··································· 27
 感じることから始める ····················································· 30
 「今ここ」に戻る ··························································· 34
 思考(マインド)のスピード / 身体のスピード ··················· 37
 潜在意識に橋を架ける ····················································· 42
 身体の声を聞くって? ····················································· 48
 姿勢(posture)と姿勢(atitude/態度)の密接な関係 ·········· 52
身体が変わると人生が変わる ············································ 56
 「あてはめる」から「見つける」へ ··································· 60
 ゆるむことをAllow(アラウ)する ··································· 62
 自分のあり方にオプションを増やす ··································· 65
 身体が変わると、認知が変わる ········································· 68
 良い姿勢とは「楽な姿勢」 ··············································· 70
 サポートを感じ、ゆだねる ··············································· 72
 リソースに意識的になる ·················································· 74
 ソマティックからはじまるパラダイムシフト ······················· 76
 あとがき ·······································································81


「理系エンジニアだったわたしがボディーワーカーになるまで」

はじめまして。小笠原和葉です。
「ボディーワーク」というものを施術することを職業にして、そろそろ17年になります。

子どもの頃から、宇宙の謎について考えてばかりいました。
ベッドに横になって、この天井の上に広がる夜空を星がなくなるはじっこまで飛んでいったらそこに何があるのだろう?
星がない暗闇にも「何もない」っていう状態がある、その何もないを端までいったら...???などと考えては、ワケがわからなくなって寝る、ということを繰り返していました。

大学院まで宇宙物理学という学問を学び、オーストラリアの砂漠にある特殊な望遠鏡で、ブラックホールを観測し研究していました。

科学というものがどのような手続きを踏んで、実験をデザインし観測データから理論を構築しそれを検証するのか、どんなことが「科学」と呼ばれ、どんなことが「非科学」と呼ばれるのかを学べたことは、今、人の心や身体を扱う上でとても役立っています。

しかし最先端の学問の現場にいることは楽しいことではありましたが、「何かがわかった」という感じは得られず修士課程が終わったところで宇宙開発等を扱うシステム会社に就職しました。


研究生活の途中から、そして就職してから本格的に幼少期からあったアトピーとアレルギーが悪化し、わたしは普通の生活を送ることができないほどになっていました。体中が血だらけで痛くて、横になって眠れないため、ソファーに座り、壁にもたれて眠っていました。2003年ぐらいのことです。

東京中の病院や治療法を試しても良くならなかったこの頃、偶然「ヨガ」に出会い、ここから人生が大きく変わり始めました。

健康体操、ぐらいのつもりでなんとなく始めたヨガ。アトピーの治癒には期待していませんでしたが、カラダを動かすことの楽しさにはまり、毎日自宅でもヨガをするようになりました。

そんなある日、それは突然起こったのです。

一通りヨガをやって、最後のシャバアサナ(屍のポーズ)で休んでいたときに突然

「!!!!!!!!!」
「このカラダの、この足の先の、この指先の、隅々までわたしのカラダだったんだ!」
「わたしが、ここに、いたんだ!!」

と雷に打たれたように思いました。いえ、「思った」のではなく、はじめて「感じた」のです。そして驚くことに、そこから急激にアトピーは回復していきました。

「心と身体のつながりって、面白い」と心底感嘆したわたしは、かつて学んでいた研究領域の科学とは違う真実がある予感にドキドキしながら、エンジ二アをやめてボディーワークの世界に転身しました。

その学びの過程で触れた解剖学、生理学、心理学、脳科学、神経生理学、認知神経科学、精神医学等からの見地や自らの臨床経験を通して、「心と身体」のつながりについて理解を深めると、かつての自分の人生に起こっていたこと…なぜわたしは病気になり、なぜヨガで癒えたのか、それぞれのときに何が起こっていたのかが、すっきりと理解できました。
同時に、「これは全員が知っておいたほうがいいことなのではないか?」「っていうかなぜこれを学校で教えてくれなかったんだ?!」と強く思うようになりました。

さらに、自分らしいと感じる瞬間、幸せを感じる瞬間が劇的に増え、好奇心やエネルギーがどんどん湧いてくるようになりました。ゆらぎがあることを受け入れ、タイミングを待つこともできるようになってきました。能動と受動のバランスが取れることで、生活にも人生にもスペースが生まれ、新しい出会いや世界が広がっていきました。完璧ではない人生と日常の中でも、心身が自由な時間が増えてきました。黒白はっきりつかないグレーの中にもやすらぐことができるように、葛藤や苦しさがあっても、それ込みの人生を、味わい愛でられるようになってきました。

「ソマティック」とは、身体をただの物体として捉えるのではなく、心や感情、意識を含んだその人の全体性への入り口として捉えるアイディアです。

和をもって尊しとなす、の文化の中で「あなたは、どう感じるか」を問われるかわりに「みんなに迷惑をかけないこと」をトレーニングされ、幼い頃から「身体の外で、いかにうまく生きていくか」についての教育ばかり受けてきたわたしたちは、自分自身、あるいは「身体の内側にいる自分」とのつき合い方を学んできていません。
そしてひたすら、起きてくる問題への対処を学びます。

けれどこの「自分自身と出会う」ということ抜きにして、本当に何かが解決されわたしたちが安心を得ることはありません。

この小冊子では、わたしたちが本当の自分自身と出会うための「ソマティックス」についてご紹介します。
ひとりでも気軽にできる「ソマティックなワーク」もご紹介しますので、知的な理解だけでなく、それらを通して体験し、ご自分との新しい関係性のとびらを開くことにお役立ていただけたら幸いです。

●ワーク
自分のカラダを感じ、「わたしはここにいる」と味わってみましょう。それはどんな感じでしょうか?しばらくその感覚と共にいてください。


ボディーワークとは

ボディーワークという言葉に厳密な定義はありませんが、主に「全体性を意識しながら身体に働きかけるセラピー」の総称をボディーワークといいます。

その働きかけの方法はセラピストが直接身体に触れる方法であったり、運動であったりとさまざまですが、単にその瞬間の機能・構造を整えるということを超えて、身体に働きかけることを通して心を含んだその人の全体性に働きかけようとするのがボディーワークの態度です。

具体的な手法としては

○ロルフィング
○クラニオセイクラル・セラピー
○エサレン®ボディーワーク
○オステオパシー
○アロマセラピー
○リフレクソロジー

などの徒手療法・タッチワークがまずひとつ(鍼灸・整体・マッサージなどの一部も含まれます)。

○アレクサンダー・テクニーク
○フェルデンクライス・メソッド
○野口体操

などのように、指導者のもとで、ふだん何気なく行う動作を意識的にすることで身体教育を行い、運動や動作等の無意識的なパターンを改善していく手法、


○ピラティス
○ジャイロキネシス
○ヨガ
○コンティニュアム

といった、気づきを伴って自分から動くことを通して内側から自分に働きかけていく手法など、世界中に多種多様なワークがあります(ここでご紹介したワークはそのごく一部です)。

また同じワークであっても、施術者(プラクティショナー)やインストラクターがどのような意識でそれを提供しているかによって、クライアントの肉体だけに働きかけ整える治療的・機械論的なアプローチなのか、その向こうにある「心」や「感情」などその人の全体性に働きかける、ボディーワーク的アプローチになるのかが違ってくるということができます。
  
人の身体をどのような存在として捉えるかは、受け手にとっても印象や効果の違いをもたらすものです。
  
どのような手法であれ、体験した方の感想としては

・痛みがなくなり楽になった
・動きが改善した
・よく眠れるようになった

というような治療的な効果に対する評価だけではないところがボディーワークの面白いところです。
  
たとえば、

・呼吸をつめていたことに気づくようになった
・身体に意識が向くようになった
・自分の本当の気持ちに気づくようになった
・好奇心が湧いてきた
・人間関係が楽になった
・人が怖くなくなった
・ストレスへの耐性が上がった
・身体の声が聞けるようになった
・はじめて本当のリラックスがわかった
・落ち着いていられるようになった
・子どもの頃のような気分になった
・生きていくのが楽しくなった
 
などなど、働きかける対象は身体であるにも関わらず、そのときの身体の状態を超えた広い領域にセッションの影響が及んでいるのを感じます。

わたしは、「クラニオセイクラル・セラピー(頭蓋仙骨療法)」という徒手療法を中心として、クライアントの状態に応じていくつかのワークを組み合わせて施術していますが、クライアントからお聞きするフィードバックの中でいちばん好きなのは、
 
「自分がとても疲れていたことに気づきました」

というものです。

「疲れが取れて元気になりました!」と言われるほうがうれしいのでは?と思われるかもしれませんが、いえいえ、このご感想こそがボディーワークの醍醐味。

そしてこれらのご感想に、「ソマティック」なアプローチについてのエッセンスが含まれているのです。

次の章から、ソマティックとは何か、の解説に続き、ソマティックなアプローチのエッセンスを順番にご紹介していきましょう。


●ワーク:
身体の感覚に目を向けながら、今日、今この瞬間の「自分の元気度」を感じてみてください。エネルギーのプールがあるとしたら、今水位は何%ぐらいでしょうか?考えずに、ぱっと感じてみてください。きのうはよく寝たから...などと分析的にならずカンで答えるぐらいで。



フルバージョンを読みたい方は



▼紙で読むならこちら


▼PDFで読むならこちら



ボディーワークに興味を持ったら

こちらは明日開講の「ホリスティック・ボディーワーク」4回の連続講座。アーカイブ視聴ができます。


個人セッションについてはこちらをどうぞ。体験にまさるものなし‥。


みなさんが「身体の中で生きる自分」と出会えますように!


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