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【北欧旅行記2】一緒に旅する二人との出会い

【北欧旅行記2】
もしあなたが甘え下手なら、北欧へ行ってみるのはどうだろう? 

一緒に旅する二人との出会い


原因不明の体の痛みがあって、20代はほとんど家の中に引きこもっていたというユカちゃん。
30代になった頃から、痛みが落ち着いてきて、
徐々に外出できるようになったのだという。
家事手伝いをしながら、医療系の資格取得のための勉強に励んでいた。

ユカちゃんは「ヨーロッパ」というミュージシャンが好きで、
中学生の頃から、北欧に行ってみたいと憧れていたらしい。

ユカちゃんと出会ったのは、メーリングリストだった。

すっかり「ノルウェー」が好きになった私が検索して見つけたのが
「えひめ北欧から学ぶ会」というメーリングリストだった。
(今は廃止されている)

私が「えひめ北欧から学ぶ会」のメーリングリストに登録してまもなく、
「デンマークからの修学旅行生受け入れについて」という情報が流れた。

うずうずした。

デンマークから愛媛に修学旅行でやってくる。
しかも、半数は障害のある人たちなのだという。

ボランティアとしての協力を呼びかけるメールだったが、
テレビリポーターの端くれとして、取材したいと思った。

一体、なぜデンマークからやってくるのか。
どんな学生たちなのか。
どんな受け入れをするのか。
障害のある学生たちの海外への修学旅行とはどんなものなのか。
彼らは愛媛をどうみるのか。

興味というより、謎だらけだった。

早速、メーリングリストに書かれていた
「デンマーク修学旅行生受け入れ実行委員会」に連絡を取った。

「今週末に、デンマークの学生たちと一緒に観光する予定の場所を下見に行くので、一緒にどうですか?」
と言われて、参加させてもらうことにした。

日曜日、早朝のラジオニュース勤務を終えて、午後から合流した。

受け入れ実行委員会のメンバーは、白壁やうだつなどの古い町並みが残る内子町を下見していた。

ひとりの女性が、私の姿を見つけると、
全く警戒心のなさそうな満面の笑みで手を振ってくれた。

なんだろう、この方の力が一気に抜ける感じ。
一応、取材に来たつもりなのに、この女性の醸し出す空気感に、私はすっかりリラックスして、一緒に内子町観光を楽しんだ。

それが、のちに一緒に北欧旅行に行くことになったシーさんだ。

それから私は「デンマーク修学旅行生受け入れ実行委員会」に参加することになった。メンバーとして、取材者として。

シーさんのおかげか、いつもその会合は、おだやかな空気感をもっていた。おだやかな空気感の中でも、効率的にどんどん物事は決まっていく。

「ちょっとまって、私、さっきの〇〇ってよくわからんのやけど、なんなん?」

そこに伊予弁で明るくよくしゃべる若い女性がいた。
それがユカちゃんだった。
「わからないことは、だまっておこう」など
見えないふり気づかないふりをすることなく、
自然な発言で、問題を解決し、その場の共通理解を深めていく存在だった。

初めて会ったときは、直接言葉を交わすこともなかった。
2回目に会ったのは「車椅子講習会」だった。
先に会場についていたユカちゃんは、私の姿を見つけると
「かずえちゃ〜〜ん」とまるで大親友かのように手を振ってきた。

ほどんど話したことのない人に親しげに手を振られ、名前で呼ばれたことに一瞬ひるんだ。仕事柄、信じられないかもしれないが、実はちょっぴり人見知りなのだ。ユカちゃんは、ひるんだ私にひるまなかった。
いつも素直な考えや感情を表してくれるユカちゃんを前にすると、私の心の固結びがほどけていった。むしろユカちゃんの親しみやすさに甘えた。

家事手伝い・研究者・アナウンサーと、仕事もバラバラなら、
趣味も考えていることもバラバラな3人はこうやって出会った。

「北欧」とスカンジナビア

日本でいう「北欧」とは、
たいていの場合「ノルウェー・スウェーデン・デンマーク・フィンランド」の4カ国だろう。さらには「アイスランド」を含んでいることもある。

ただ、ノルウェーで聞いた話によると、日本でいう「北欧」のくくりは、あまり現地では一般的な感覚ではないそうだ。

「北欧」というくくりではなく「スカンジナビア」というくくりの方が一般的な感覚に浸透しているらしい。
「スカンジナビア」にはスカンジナビア半島の「ノルウェー」と「スウェーデン」そこに対岸の「デンマーク」が含まれるらしい。
「フィンランド」は別なくくりという感覚なのだそうな。
もちろん、人それぞれ感覚は違うだろうが、一般的に「ノルウェー・スウェーデン・デンマーク」のスカンジナビア3カ国は仲間意識があるらしい。

「えひめ北欧から学ぶ会」のメーリングリストは、
当然日本人的な感覚の「北欧」だ。
「学ぶ会」というネーミングも影響しているのか、主に福祉や医療関係者の登録が多かった。時々、芸術系やライフスタイル系の情報もあった。

「デンマーク修学旅行生受け入れ」をきっかけに出会った
シーさん、ユカちゃん、私は、
その後も「えひめ北欧から学ぶ会」に参加した。
メーリングリストだけではなく、月に一回例会を開いていたのだ。

その例会で、私が「女性海外派遣」で訪れたノルウェーの話をした。
ほぼ写真のスライドショーをしただけだったにもかかわらず、
シーさん、ユカちゃんの北欧に行きたいいう気持ちに火をつけてしまった。

「スカンジナビアの行きたいところを回ろう」

数ヶ月後、私たちは行動に移した。
海外旅行経験がゼロに近い30代女、3人でいく北欧の旅へと。

【北欧旅行記】
もしあなたが甘え下手なら、北欧へ行ってみるのはどうだろう?
(ぼちぼち連載中)これまでの記事はこちらから。
北欧旅行記1
https://note.mu/kazuefukui/n/n9e58c1f703cc
北欧旅行記2
https://note.mu/kazuefukui/n/n9ee6f2f99073
北欧旅行記3
https://note.mu/kazuefukui/n/n78f05ffff80c
北欧旅行記4
https://note.mu/kazuefukui/n/nf40c1cbb9775
北欧旅行記5
https://note.mu/kazuefukui/n/n3d71a4502d2c
北欧旅行記6
https://note.mu/kazuefukui/n/n65788f3afc6b
北欧旅行記7
https://note.mu/kazuefukui/n/nc3d51d896472



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