週刊金融日記 第648号 株価と企業収益とGDPと金利の基本的な話をわかりやすく解説、テスラとエヌビディアで明暗分かれる、深センで分子ガストロノミー中華を食べてきた、Temuは怪しい噂がありますが大丈夫でしょうか、他
// 週刊金融日記
// 2024年10月15日 第648号
// 株価と企業収益とGDPと金利の基本的な話をわかりやすく解説
// テスラとエヌビディアで明暗分かれる
// 深センで分子ガストロノミー中華を食べてきた
// Temuは怪しい噂がありますが大丈夫でしょうか
// 他
こんにちは。藤沢数希です。
日本ではいよいよ衆院選の立候補者が公示されましたね。自民党と公明党で過半数取れるかどうかが争点で、過半数割れしたら石破総裁の責任問題になりますから、またいろいろゴタゴタするんでしょうが、野党が小選挙区で候補を一本化するのにやはり手こずったようで、自公連立は維持されるんじゃないかな、という感じですね。
先日も書きましたが、石破総裁の考えうる最速解散、最短期間での選挙へ、という速攻プレイが功を奏しています。結局、政策なんかほとんど関係せず、支持率も大して関係なく、野党側が小選挙区で候補者を一本化できるかどうかのゲームですね。
●衆議院選挙公示 小選挙区・比例 計1344人が立候補 27日投開票
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20241015/k10014609431000.html
●衆院選が公示 与野党「一騎打ち」は2割どまり
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA132550T11C24A0000000/
★僕は香港に住んでいますが、日本国籍なんで「在外選挙人証」というのがあれば領事館で投票できます。これをゲットするには領事館にパスポート持っていって簡単な申請用紙書くだけなんですが、それが日本で最後に住んでいた自治体に送られて選挙人として登録されないといけないんで、数週間かかります。これまで恥ずかしながら選挙はぜんぶスルーしていたんですが、今回はちゃんと登録しました!
日本の政策というのは、年間140兆円に達して、さらに毎年3兆円ずつ増えていく、年金と医療の社会保障費をどう削減するかという話が、本来は9割のはずですが、そのことは誰も言及しません。経済政策も、素人のアイディアコンテスト以下ですし、当選したらしたで忘れられ実行されません。万が一に実行されても良い結果にならないことがほとんどであって、政治家の経済政策の公約なんて、茶番劇に過ぎません。
大事なことは、世界がこれだけきな臭くなっている中で、日本が少しでも代理戦争に巻き込まれる可能性が減るかどうかじゃないんですかね。
●社会保障の給付と負担(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_21509.html
『週刊金融日記 第639号 中国脅威論について』
『週刊金融日記 第642号 進次郎の憲法改正にご用心』
今年のノーベル平和賞は日本原水爆被害者団体協議会(被団協)が受賞しました。日本の被爆者の証言などを地道に収集したり、平和教育をしていた団体ですね。そろそろ生きた証人がいなくなってしまいますし、実際に核戦争の脅威が高まっているということでしょう。
ノーベル賞は権威があるのは自然科学関連の方ですが、そもそもダイナマイトの発明で大金持ちになったけど、それが戦争に使われてしまったノーベルさんが設立した団体なんで、平和賞こそが本当にやりたかったことなのかもしれません。
●ノーベル平和賞に被団協 授賞の背景や国内外の反応は
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE122WH0S4A011C2000000/
今週も読者から興味深い投稿がいくつもあります。見どころは以下のとおりです。
-Temuは怪しい噂がありますが大丈夫でしょうか
-JTC所属で某アジアにて駐在員ですが帰国した際の子供の小学校について悩んでいます
-米国債のリスクヘッジとしての中国株はいかがでしょうか
-実際に見て感じた中国経済の活気について教えてください
-他の先進国よりGDPが成長している中国経済はなぜ不景気とされているのですか
-弊コンサルファームで中国リスク回避戦略を顧客に売り込んでおります
それでは今週もよろしくお願いします。
1.株価と企業収益とGDPと金利の基本的な話をわかりやすく解説
とても基本的なことですけど、株式というのは会社の利益の分配をもらうための証券であって(議決権とかありますが個人投資家にとっては事実上ほぼ無意味)、原理的には株価というのはこれからその会社が稼ぐ利益をディスカウントレートで割り引きながらぜんぶ足し合わせてやれば決まることになります。
細かい話やもっと難しい話はいろいろありますが、要は1株当たりの利益であるEPS(Earnings Per Share)とその成長率で株価は理論的には決まるわけですね。それでPER(Price to Earnings Ratio、株価÷EPS、英語圏ではP/Eと表現することが多い)は割高か割安かを考える一番基本的なバリュエーションですね。それで成長率が高ければ高いほどP/Eは高くなり、もう成長が止まって毎年同じような配当を配っている成熟した企業のP/Eは低くなります。逆に言えば、高いP/Eの企業は、市場がこの企業の利益がどんどん成長していくと当てにしていることになります。
アメリカ株にしろ中国株にしろインド株にしろ、世界の株式市場で投資していたら、代表的な株価指数をひとつの大きな会社に見立てて、株価指数のP/Eなどのバリュエーションを考えることになります。
ということで、今週はこうした国別のP/Eだとか、GDP成長率だとか、金利環境みたいな、超基本的なファンダメンタルな数字をざっくりつかんで、なぜ僕が中国株ロングを始めたのかいろいろ語りたいと思います。
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