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週刊金融日記 第235号 トランプ大統領候補が大炎上の"Locker Room Talk"で教えてくれたこと、本当にヒラリー圧勝なのか、もうひとつの六本木の一軒家フレンチ、仕事のチームに抱きたいモデルがいます、他

// 週刊金融日記
// 2016年10月11日 第235号
// トランプ大統領候補が大炎上の"Locker Room Talk"で教えてくれたこと
// 本当にヒラリー圧勝なのか
// もうひとつの六本木の一軒家フレンチ
// 仕事のチームに抱きたいモデルがいます
// 他

 こんにちは。藤沢数希です。
 日本は三連休でしたね。みなさん良い休暇を過ごせましたでしょうか? 僕のほうは、いつものように連休に働き、明日ぐらいから旅行に出かける予定です。
 日本が連休中に、超大国アメリカのリーダーを決める2回目のテレビ討論会が開かれました。ヒラリーさんもトランプさんも、お互いの持ち味を出して、素晴らしい討論をしていましたね。この話題については、また、あとでふれたいと思います。じつは、恋愛工学的にも見どころ満載でした。
 今週も面白い投稿がいくつも寄せられました。注目のトピックは以下のとおりです。

―仕事のチームに抱きたいモデルがいます
―結婚を迫ってくるアラサー女性について
―セフレがそんな関係やめたほうがいいと周りに言われているそうです
―『タイタニック』のキャルは非モテか
―『ビフォア・サンライズ』視聴しました
―気になっていた同僚の連絡先をついに聞くことができました

 それでは皆さん、今週もよろしくお願いします!

1.トランプ大統領候補が大炎上の"Locker Room Talk"で教えてくれたこと

 日曜日に行われたトランプvsヒラリー第2回テレビ討論会の直前に、ドナルド・トランプの10年前の「女性蔑視」の発言が暴露され、世界は揺れ動きました。ヒラリーを支持するメディアや識者たちは、大々的にこの発言を報じ、辛辣な批判を浴びせています。実際に、ドナルド・トランプの支持率は数ポイント下落し、共和党からも、もはやトランプを支持できないとする議員が続出しました。
 僕自身は、前後の文脈や実際に彼の口から発せられた言葉から「女性蔑視」というのは、少々大げさであり、いつものようにメディアが、批判しやすい部分だけを切り取り、扇動的に報じたものだという印象を持っています。
 しかし、僕はアメリカ大統領選挙で投票するわけでもなく、また、ヒラリーもトランプも、どちらも支持しているわけでもありませんので、政治的なコメントは控えることにしましょう。また、どのような発言が女性蔑視、あるいは女性差別に該当するのかを、ここで議論するつもりもありません。なぜならば、僕たちの『週刊金融日記』はフェミニズムやポリティカル・コレクトネスを論じるメルマガではないからです。
 しかし、奇しくもこうして世界中の人々に晒されてしまった、ドナルドと彼の友だちのビリー・ブッシュとのプライベートなちょっとした男同士のバカ話は、作り込まれた映画のセリフや、ポリティカル・コレクトネスを求められる公式な場では決して聞けない、活き活きとしたリアルな恋愛工学の教材となっています。今日はそのことを解説しましょう。
 見どころは3つあります。まずは、生きた英会話の教材として。次に、いかにマインドを高めるかの方法。そして、どのように女性に接するればいいかのヒント、です。
 ブログのほうに、動画とともに、彼らの"Locker Room Talk"(更衣室の雑談)の全訳を掲載しておきましたが、ここでも再度掲載しましょう。

●Transcripts: What the mics caught Donald Trump saying in 2005 and what he said in his taped apology
http://www.latimes.com/politics/la-na-pol-trump-bush-transcript-20161007-snap-htmlstory.html

●暴露されたトランプ米大統領候補の女性蔑視発言の全訳
http://blog.livedoor.jp/kazu_fujisawa/archives/52092677.html

●RAW: Trump recorded having extremely lewd conversation about women in 2005 Original
https://youtu.be/SPomcb0_IaE

~~~トランプ"Locker Room Talk"全訳~~~~~

What the mic captured during the 2005 'Access Hollywood' segment:
(2005年の芸能界のゴシップ番組"ハリウッドをのぞき見しようぜ"の収録前のバスの中で録音されたものです。)

Donald Trump: You know and?
(トランプ:知ってるか? 女優の……。)

Unidentified voice: She used to be great. She's still very beautiful.
(スタッフ:ああ、知ってるよ。昔はマジ可愛かったよな。いまでも、ぜんぜんイケるけどさ。)

Trump: I moved on her actually. You know she was down on Palm Beach. I moved on her and I failed. I’ll admit it. I did try and fuck her. She was married.
(トランプ:だろ? じつは、俺、昔、あの女にアプローチしたんだよ。パームビーチでさ。でも、正直に白状すると、ヤれなかった。「私、結婚してるから」とか言ってグダりやがった、あの糞ビッチ。)

Unidentified voice: That’s huge news there.
(スタッフ:マジかよ? ウケるな、それ。)

Trump: No, no. Nancy. No this was? And I moved on her very heavily. In fact, I took her out furniture shopping. She wanted to get some furniture. I said, "I'll show you where they have some nice furniture." I took her out furniture? I moved on her like a bitch, but I couldn’t get there. And she was married. Then all of a sudden I see her, she’s now got the big phony tits and everything. She’s totally changed her look.
(ドナルド:けっこう、俺、マジでナンシー口説いたんだよ。実際、あのバカ女を、家具屋に連れてったから。家具屋、ウケるだろ? なんか、家具を買いたいとか言うから、あのバカ女。そんで、飯食ったあとに、ギラついたんだけど、"私結婚してるグダ"だよ。マジ、ウケるんだけど。で、最近、あの女にばったり出くわしたら、豊胸手術してやがんの。くっそウケるわ。)

Bush: Sheesh, your girl's hot as shit. In the purple.
(ブッシュ大統領の従兄弟:[バスの中から外を見て] おい、見てみろよ、ドナルド。お前の今日の相手、すげぇ美女だぞ。紫のドレスで。おお、ファックしてぇよ!)

Trump: Whoa!
(トランプ:おお、俺もファックしてぇ!)

Bush: Yes. Yes, the Donald has scored!
(ブッシュ大統領の従兄弟:ドナルド、お前ならあの女、ぜってぇファックできるから!)

Trump: Whoa!
(トランプ:あたりめぇだろ!)

Bush: Whoa, my man!
(ブッシュ大統領の従兄弟:クッソ羨ましいぜ。あんなビッチとヤれて。)

Unidentified voice: Wait, wait you've got to look at me when you get out and be like ... will you give me the thumbs up? You've got to put the thumbs up.
(不明:ちょっと待って、バスから出るとき……、ええっと、それ取ってくれる……)

[crosstalk]
(会話、聞き取り不能)

Trump: Look at you. You are a pussy.
(トランプ:このマンコ野郎め!)

[crosstalk]
(会話、聞き取り不能)

Unidentified voice: You've got to get the thumbs up. You can't be too happy, man.
(スタッフ:もうそろそろ行くぞ。マンコの話はまたあとだな。)

Trump: Alright, you and I will walk down.
(トランプ:大丈夫だ。俺は分別のつく男だから。)

[crosstalk]
(会話、聞き取り不能)
(バスから降りようとするところ)

Trump: Maybe it's a different one.
(トランプ:あれ、さっきの激マブ女どこいった?)

Bush: It better not be the publicist. No, it's her. It's her.
(ブッシュ大統領の従兄弟:ああ、いたいた、あそこだ。)

Trump: Yeah, that's her, with the gold. I've got to use some Tic Tacs, just in case I start kissing her. You know I'm automatically attracted to beautiful--. I just start kissing them. It's like a magnet. I just kiss. I don't even wait. And when you're a star, they let you do it. You can do anything.
(トランプ:おお、俺の女だ! ちょっと待て、口臭予防キャンディ食っとくわ。あの女にすぐにキスするかもしれないからな。俺は、美女を見たら、無条件に口説く。そんで、すぐにキスする。ディープキス。いちいち待つもんか。それから、パンツの中に手をつっこんで、マンコを触ってやる。こうすると女は喜ぶんだ。女はスターにこういうことをされるのが大好きなんだぜ。俺はスーパースターだ!)

Unidentified voice: Whatever you want.
(スタッフ:ああ、お前はスターだ。お前なら何をやっても許される。お前はドナルドだからな。)

Trump: Grab them by the pussy. You can do anything.
(トランプ:ああ、俺はスーパースターだ! あの女に手マンしてやるぜ!)

[crosstalk and chuckling]
(会話、笑い声、聞き取り不能)

Unidentified voice: Yeah those legs, all I can see is the legs.
(スタッフ:おい見てみろよ、あの脚。うっひょ~、すげー脚だぜ。)

Trump: Oh, it looks good.
(トランプ:クッソ、あの脚舐めてぇ!)

Unidentified voice: Come on, shorty.
(スタッフ:そろそろ行くぞ。)

Trump: Oh, nice legs, huh?
(トランプ:クッソ、あの脚舐めてぇ! ウッホウッホホ!)

Bush: Oof, get out of the way, honey. Oh, that's good legs. Go ahead.
(ブッシュ大統領の従兄弟:そろそろ(バスから)降りようぜ。最高だな、あの脚。なあ、ドナルド。)

Trump: It's always good if you don't fall out of the bus. Like Ford. Gerald Ford, remember?
(トランプ:ああ。降りるとき気をつけろよ。覚えてるか、あのバカ議員? ジェラルド、あいつ、この前、バスから降りるとき、ずっこけやがったの。アホだろ?)

Bush: Down below. Pull the handle.
(ブッシュ大統領の従兄弟:ああ、まったくマヌケなやつだ。よし、行こう。)

(トランプとブッシュ大統領の従兄弟がバスから降りる)
(今日の番組にいっしょに出るモデルのアリアンヌに対面)

Trump: Hello. How are you? Hi.
(トランプ:こんにちは。お元気ですか?)

Arianne Zucker: Hi Mr. Trump. How are you? Pleasure to meet you.
(アリアンヌ:はい、元気ですよ、トランプさん。あなたにお会いできて、光栄ですわ。)

Trump: Nice seeing you. Terrific, terrific. You know Billy Bush?
(トランプ:こちらこそ、あなたみたいな素敵な女性にお会いできて、とても嬉しいです。ところで、こちらのブッシュさん知ってますか? ブッシュ大統領の従兄弟。)

Bush: Hello, nice to see you. How are you doing, Arianne?
(ブッシュ大統領の従兄弟:はじめまして、アリアンヌさん。お会いできて、光栄です。)

Zucker: I'm doing very well, thank you. [To Trump] Are you ready to be a soap star?
(アリアンヌ:ブッシュさん、はじめまして。お会いできて光栄ですわ。ところで、トランプさん、今日の番組の準備はオッケー?)

Trump: We're ready, let's go. Make me a soap star.
(トランプ:僕はいつでもオッケーですよ。さあ、行きましょう。)

Bush: How about a little hug for the Donald? He just got off the bus.
(ブッシュ大統領の従兄弟:ところで、アリアンヌさん。もし、よろしかったら、ドナルドにハグをしてあげてくれませんか? 彼、バスの長旅で疲れてて。)

Zucker: Would you like a little hug, darling?
(アリアンヌ:もちろんよ。ハグしていいかしら、トランプさん?)

Trump: Okay, absolutely. Melania said this was okay.
(トランプ:もちろん、喜んで!)

(アリアンヌがトランプにハグする)

Bush: How about a little hug for the Bushy? I just got off the bus. There we go. Excellent. Well, you've got a nice co-star here.
(ブッシュ大統領の従兄弟:いいな、こんな美人にハグしてもらえて。僕も、バスの長旅で疲れてるんだけどな……。僕にだって、ハグぐらいしてくれても……。)

Zucker: Yes. Absolutely.
(アリアンヌ:もちろん!)

(アリアンヌがブッシュにハグする)

Trump: Good. After you. Come on, Billy. Don't be shy.
(トランプ:いいね! おい、ブッシュ、お前、そんなとこ歩いてないで、こっちこいよ。まったく、いつもシャイだからな。)

Bush: As soon as a beautiful woman shows up, he just, he takes off on me. This always happens.
(ブッシュ大統領の従兄弟:いや、ドナルドが……、お前がいつものように美人の前で、俺を押しのけたんだろ?)

Trump: Get over here Billy.
(トランプ:まあ、いいから、こっち来いよ。)

Zucker: I'm sorry, come here.
(アリアンヌ:こっちにおいで。笑)

Bush: Let the little guy in here, come on.
(ブッシュ大統領の従兄弟:じゃあ、アリアンヌのほうに行くよ。)

Zucker: Yeah, let the little guy in. How you feel now? Better?
(アリアンヌ:(私のとなりで)どんな気分?)

Bush: It's hard to walk next to a guy like this.
(ブッシュ大統領の従兄弟:ドナルドのとなりの百万倍いいよ!)

Zucker: I should actually be in the middle.
(アリアンヌ:じゃあ、私が真ん中を歩こうかしら。)

Bush: Yeah, you get in the middle. There we go.
(ブッシュ大統領の従兄弟:それがいいね。)

Trump: Good, that's better.
(トランプ:ああ、こっちのほうがいい。)

Zucker: This is much better. This is?
(アリアンヌ:本当だ、こっちのほうがいいわ。)

Trump: That's better.
(トランプ:ああ、こっちのほうがいいね。)

Bush: Now, if you had to choose, honestly, between one of us: me or the Donald? Who would it be?
(ブッシュ大統領の従兄弟:ねえ、アリアンヌにちょっと聞きたいんだけどさ。もし…、もし仮に、僕かドナルド、どっちかとデートしなければいけないとしたら、どっちがいい?)

Trump: I don't know, that's tough competition.
(トランプ:ああ、さっそく、取り合いだな……。)

Zucker: That's some pressure right there.
(アリアンヌ:それはとても難しい質問ね。ふたりとも素敵だから。)

Bush: Seriously, you had to take one of us as a date.
(ブッシュ大統領の従兄弟:正直に言ってよ。僕は傷つくことにも慣れてるから。)

Zucker: I have to take the 5th on that one.
(アリアンヌ:うーん……。ごめんなさい。ここは黙秘権を行使させていただいくわ。)

Bush: Really?
(ブッシュ大統領の従兄弟:ええ!? マジかよ。)

Zucker: Yup. I'll take both.
(アリアンヌ:じゃあ、ふたりとも!)

Trump: Which way?
(トランプ:ところで、次、どっちに行けばいい?)

Zucker: Make a right. Here we go. [inaudible]
(アリアンヌ:ああ、そこを右に曲がって。こっちよ。)

Bush: Here he goes. I'm going to leave you here. Give me my microphone.
(ブッシュ大統領の従兄弟:あっ、僕はこっちに行かないと。僕のマイクくれる?)

Trump: Okay okay. Oh, you're finished?
(トランプ:オッケー。もう、これでお終い?)

Bush: You're my man. Yeah.
(ブッシュ大統領の従兄弟:ああ、また、あとで。)

Trump: Oh good.
(トランプ:ああ、また!)

Bush: I'm going to go do our show.
(ブッシュ大統領の従兄弟:さあ、ショーがはじまるぜ。)

~~~トランプ"Locker Room Talk"全訳終了~~~

 どうでしょうか? こうして前後の文脈を見てみると、アメリカのメディアも日本と同様に、有名人の発言の過激な部分だけを切り出し、誤解を生じさせるような報道をしていることが一目瞭然ですね。まったく悪意のある報道だったと思います。
 トランプ氏は、第2回テレビ討論会で、こうした発言について、男同士の他愛もない雑談だったとしながらも、それでも不快な気持ちにさせてしまった女性たちに対して、清く謝罪しています。

"That was locker room talk. I'm not proud of it. I am a person who has great respect for people, for my family, for the people of this country. And certainly I'm not proud of it, but that was something that happened."
(これは男同士のちょっとしたバカ話なんだよ……。わかってほしい。でも、こんな発言をしたことを、いいことだとはもちろん思ってないよ。僕はアメリカ国民を尊重している。そして、私の家族も。だから、男同士のバカ話だったとはいえ、ちょっと恥ずかしい発言をしてしまったことは認めるよ。ごめんなさい。)

 そして、次のようにクリントン氏に反論しました。

"If you look at Bill Clinton, far worse, mine are words, his was action. This is what he has done to women. There’s never been anybody in the history of politics in this nation that's been so abusive to women, so you can say any way you want to say it, but Bill Clinton was abusive to women."
(でも、ヒラリーさん、ここはひとつあなたの夫のこと、夫が「したこと」を思い出してもらえませんか? 私はちょっとだけ口を滑らせてしまいました。そして、プライベートな会話が、こんなふうに悪意を持った人間に暴露されてしまった。でも、あなたの夫のビル・クリントンは、実際に行動を起こしたのですよ。あなたが私の発言をどう言おうとかまいませんが、あなたの一見まじめな夫は、実際に、女性たちを辱めた。侮辱したんです。合衆国の政治の歴史の中で、あなたの夫ほど女性を弄び慰みものにした人間はいません! ビル・クリントンは実際にやりまくったんですよ。僕の場合は言葉だけだ。)

 こう言われてしまったら、ヒラリーさんも立つ瀬がありませんね……。
 さて、それでは、恋愛工学の視点から、トランプの"Locker Room Talk"を解説していきましょう。

★★★トランプさんから学ぶ英会話★★★

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