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週刊金融日記 第391号 出生前DNA親子鑑定と中絶や結婚戦略へのインプリケーション、ユニクロが日経平均株価を吊り上げる、函館五稜郭から麻布十番のトン焼きまで、N国党の今後の展望、他

// 週刊金融日記
// 2019年10月22日 第391号
// 出生前DNA親子鑑定と中絶や結婚戦略へのインプリケーション
// ユニクロが日経平均株価を吊り上げる
// 函館五稜郭から麻布十番のトン焼きまで
// N国党の今後の展望
// 他

 こんにちは。藤沢数希です。
 香港から帰ってきました。香港はちょうどいい気候だったのですが、日本はすこし肌寒いですね。それで香港の不動産市場、オフィスやアパートの賃料なんかを一連の騒動のあとにどうなったのか見てきたんですが、これが驚くほどまったく変わってないんですよね。相変わらず異常なほど高いです。いまでも世界一家賃高いと思います。日本でいうところの麻布のマンション的なところだと、ワンルームで家賃50万円超えですね(笑)。
 一方で観光客はめちゃくちゃ減ったので、香港に行く航空券や香港のホテルはだいたい半額になっています。とりあえず観光がお得です。

●世界一高い家賃に嫌気、香港の若者は「違法」でも工業用ビルに居住
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-08-27/PE3LYP6KLVR701

★香港は家賃とかは死ぬほど高いですが、低賃金労働者も多くて、飲食やタクシーは安いんですよね。海老ワンタン麺は美味いです。

 先日このメルマガでも取り上げたソフトバンクの孫さんですが、倒産しそうなWeWorkに追加出資でナンピン(買った株が下がってしまい、損切りせずにさらに買いますこと)です。ソフトバンクとひとことで言っても、いまはホールディングカンパニーのソフトバンクグループと、おなじみの通信会社のソフトバンクがあり、さらに10兆円ファンドはまた別です。ソフトバンクグループとソフトバンクは親子上場しており、これにファンドも付け加わって、利益相反とかグループ間取引での利益操作とか、もう金融や会計のコンプライアンス的にいろいろな問題がてんこ盛りです。金融関係者ならこんな危ういことはやらないのですが、良くも悪くも、孫さんは非金融の事業家であり、実質は投資家であるという特異なポジションにいます。それで、今回はファンドから追加出資しようと思ったら、サウジの王様たちに止められて、ソフトバンクグループの金を持ってきてのナンピンですので、もうめちゃくちゃですね。まあ、でも、孫さんは天才だし、なにより日本国民に愛されているので、孫さんなら許されるし、孫さんなら最後は帳尻を合わせてくると思います。がんばれ孫さん!

●ソフトバンク、米ウィーワークの経営権取得へ追加出資提案=関係筋
https://jp.reuters.com/article/wework-financing-softbank-group-idJPKBN1X02BZ

●ソフトバンクG、WeWork株の過半取得を提案
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO51269290S9A021C1000000/

●ソフトバンクGの節税策、財務省が抜け穴封じへ
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO51195880Z11C19A0MM8000/

『週刊金融日記 第388号 いまさらだがソフトバンク孫さんの10兆円ファンドがめちゃヤバかった』

 ご要望にお答えして、週刊金融日記の重要バックナンバーのリンクを夜間飛行のほうでも作りました。

●週刊金融日記 重要バックナンバー(夜間飛行)
http://yakan-hiko.com/PU14

 こちらは以前に作ったまぐまぐのほうです。

●恋愛工学主要バックナンバー(まぐまぐ)
http://blog.livedoor.jp/kazu_fujisawa/archives/52160748.html

●教育工学、他、主要バックナンバー(まぐまぐ)
http://blog.livedoor.jp/kazu_fujisawa/archives/52160749.html

 今週も興味深い投稿がいくつもあります。

- Surface Goについてどう思われますか
- N国党立花孝志氏がモテ男である根拠とN国党の今後の展望
- 手取り25万円への具体的な職業選択
- 外資系金融勤務ですが給与所得以外の収入源の作り方をご教示ください
- 筋トレ習慣化のコツ
- ケアンズのおすすめスポットを教えてください
- まだ童貞ですが非モテコミットしていたときの方が恋愛が楽しかった気がします
- 婚姻しているため8年間も続いている信頼できるセフレに不妊治療ができません
- 社会人1年目ですが別れてしまった彼女と復縁したい

 それでは今週もよろしくお願いします。

1.出生前DNA親子鑑定と中絶や結婚戦略へのインプリケーション

 恋愛工学を支える理論的支柱はもちろん進化生物学である。自分が属する(生殖可能な)種の遺伝子プールのなかで、自分の遺伝子の占有率をなるべく高めるべく生物の行動は自然淘汰によって最適化されてきた、という非常にシンプルな原理である。この考え方は極めて強力で、動物、そして、動物の一種である人間の感情や欲望を驚くほど上手く説明できる。
 しかし、一方で、進化生物学は学問としていまだに認められておれず、多くの人に「真実」として受け入れられているわけではない。これは恋愛工学のような実践的な技術体系を習得しようというユーザーにとっては、ライバルが増えないということで、むしろ好ましい状況である。それでは、なぜ受け入れられていないのか考えてみよう。
 まず、ひとつは自然科学という学問の成り立ちだ。自然科学の世界では、さまざまな研究者が自ら仮説を唱え、喧々諤々と議論を戦わせている。それで誰が正しいかは、神が決めることになっている。神が作った自然だ。どんな理論も実験により正しさを証明されなければいけない。途方もなく巨大な宇宙の理論も、逆に電子などの極めて小さいものを扱う量子力学も同じである。この神という公平な裁判官がいるので、自然科学はこれほど発展することができたのだ。しかし、進化生物学は実験が不可能だ。自然淘汰によって生物がさまざまな性質を獲得していくには数万年単位の時間が必要だからだ。だから、しょせんはよくできたひとつの仮説に過ぎず、物理学などの他の学問のような地位にはなりえない。
 また、このように絶対的な神がいるハードサイエンスはいいのだが、その他の文系学問との関係性を考えても、進化生物学が嫌われる理由がわかる。『サピエンス全史』が世界的ベストセラーとなったユヴァル・ノア・ハラリ教授は、人類がこれほど繁栄したのは、フィクションを作りそれを信じることができたためだ、と喝破した。これにより、多くて100人程度の集団でしか協調的な行動ができなかった人間が、株式会社、法律、そして、宗教などのフィクションによって万単位で統制されるようになったのだ。そして、文系学問とはフィクションで、僕が考えるに、それは剥き出しの人間性を否定し、ある種の社会道徳を育もうとうする強烈なバイアスがかかっている。剥き出しの人間性とは、進化生物学的な人間像に他ならない。既存の文系学問とは、その隠された出自の目的からして、反進化論的なのである。

『週刊金融日記 第148号 既存の文系学問はなぜダメなのか』
『週刊金融日記 第251号 サピエンス全史と生物学的欠陥で滅亡しつつある人類』

"Sapiens: A Brief History of Humankind," Yuval Noah Harari
http://amzn.to/2jpF2xd

『サピエンス全史(上)文明の構造と人類の幸福』ユヴァル・ノア・ハラリ
http://amzn.to/2jpIlEJ

『サピエンス全史(下)文明の構造と人類の幸福』ユヴァル・ノア・ハラリ
http://amzn.to/2kMWfB1

 ずいぶんと前振りが長くなってしまったが、何を言いたいかというと、進化生物学的には、生物は自分と多くの遺伝子を共有する自分の子孫が繁栄するために生きている、ということである。そして、そこでは生まれてきた子供が本当に自分の子供と確信を持てないオスと、確実にそうであることがわかるメスとの攻防が生まれる。

『週刊金融日記 第12号 Good Genes or Good Dad?』
『週刊金融日記 第13号 女の生理周期と浮気の関係』
『週刊金融日記 第17号 なぜ素人女のセックスの方が高いのか?』

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