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週刊金融日記 第436号 続・コロナバブルに乗れなかった人たちの反省会 ロビンフッドに熱狂する米国個人投資家たち、菅首相でほぼ決定、レストラン紹介コーナーは自粛中、アベノミクスのツケは将来世代の払う税金でなんとかなるのか、他

// 週刊金融日記
// 2020年9月8日 第436号
// 続・コロナバブルに乗れなかった人たちの反省会 ロビンフッドに熱狂する米国個人投資家たち
// 菅首相でほぼ決定
// レストラン紹介コーナーは自粛中
// アベノミクスのツケは将来世代の払う税金でなんとかなるのか
// 他

 こんにちは。藤沢数希です。
 香港の新コロ第三波は順調に収束して、レストランも夜の10時まで営業できるようになり、ジムも再開し、だいたいの制限はなくなりましたね。とはいえ、僕はデリバリーでご飯を食べる習慣がすっかり定着して、相変わらずデリバリーが多いです。
 香港は世界一家賃が高いと言われている都市で、だいたいの人が狭く劣悪なアパートに住んでいます。かなりの金持ちでも家にまともなキッチンがありません。だから、新コロ禍でレストラン営業に制限が加わっても自炊が流行るわけではなく、人気のレストランはデリバリーで繁盛しているようです。デリバリーが加わると、レストランはテーブルの数以上に料理を売れるので、上手く立ち回れるところは、もっと儲かるようになるのかもしれません。
 僕は都心に住んでいるので、美味しいレストランが近所にたくさんあり、スマホでピッとやると出来立ての料理がすぐに運ばれてきます。こうなると、わざわざレストランに行くのがめんどくさくなってきて、もはや新コロ禍による仕方なくの代替手段以上のものになってきています。

★香港は、UberEatsもあるのですが、ローカルの別のアプリのDeriverooなんかのほうが参加レストランも多く便利だったりします。日本もUberEats以外でも勝てるアプリが出てくるかもしれませんね。

★もちろん、人々は外で食べるのも好きなので、香港の夜のレストラン街の活気も戻ってきました。

★9月1日から中国政府と共同で始まった大量検査プロジェクトで無料で誰でもPCR検査できるのですが延べ100万人ほどが参加しそうです。

★本日の香港の新規の市中感染者数はとうとう3人にまでなりましたね。

 今週も読者から興味深い投稿がいくつもあります。見どころは以下のとおりです。

- アベノミクスのツケは将来世代の払う税金でなんとかなるものでしょうか
- やはり社会では学歴は大切でしょうか
- Post Covid19では地方回帰がますます進みますか
- 創業70年になる製造業の跡継ぎですが業務改善を率先する人は煙たがられる運命なのでしょうか
- 東京ラブストーリー2020に恋愛工学を彷彿とさせる場面がいくつもあります
- コロナ感染を防ぐ既婚プレイヤーの新しい恋愛様式

 それでは今週もよろしくお願いします。

1.続・コロナバブルに乗れなかった人たちの反省会 ロビンフッドに熱狂する米国個人投資家たち

 加熱していた米国株式市場ですが、先週急落して、じゃっかんのガス抜きになったようです。しかし、株価が二週間前の水準に戻っただけで、まだまだバブル相場の真っ只中であるという見方に変わりはありません。
 前回は株高の理由として、(1)非伝統的金融緩和とヘリコプターマネーによるインフレ期待、(2)ヘリコプターマネーをもらった個人投資家を中心に株式投資ブームが起きている、(3)新コロ禍は深刻な被害をもたらしているが深刻さの度合いがわかってきたことによるリスクプレミアムの低下、という3つの視点を書きました。

●5分でわかるアベノミクス総括と株高を説明する3つのポイント(金融日記 Weekly 2020/8/21-2020/8/28)
http://blog.livedoor.jp/kazu_fujisawa/archives/52177378.html

 今週号ではコロナバブルに浮かれたアメリカの個人投資家がロビンフッドという株取引アプリでめちゃくちゃ株を買っていて、それが今回の急落の大きな要因だったのではないか、ということを書きたいと思います。
 ロビンフッドですが、要はアメリカのネット証券なんですが、そのアプリがいま米国で大変なブームになっているということです。歴史はかなり長く、2013年に創業しています。バイジュ・バットとウラジミール・テネフがスタンフォード大学の数学科で友達だったのですが、証券会社の電子取引プログラムを開発する会社に務めていて、それから2人で起業しました。当時は、世界同時金融危機の後で「ウォール街を選挙せよ」デモが流行っていた時期で、会社のスローガンは、ウォール街は自分たちで金融市場を独占して貧乏な庶民からは高い売買手数料を毟っている、けしからん! 庶民のためにこうしたウォール街の大手金融会社から富を奪い庶民に配るんだ、というものでした。だから、中世の悪い貴族や商人から盗んだ金品を庶民に配っていた盗賊ロビンフッドと、自分たちの会社を重ねていたのです。その目玉商品が、株式取引の手数料ゼロでした。

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