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週刊金融日記 第130号 FC2社摘発で考えるオフショア経済、株も為替も乱高下、日曜の深夜もやってる麻布十番のフレンチ、愛などいらぬ!再、小説『恋愛工学』2-1、他

// 週刊金融日記
// 2014年10月5日 第130号
// FC2社摘発で考えるオフショア経済
// 株も為替も乱高下
// 日曜の深夜もやってる麻布十番のフレンチ
// 愛などいらぬ!再
// 小説『恋愛工学』2-1
// 他

 こんにちは。藤沢数希です。
 台風18号が接近していますね。月曜日は学校も会社もお休みになるかもしれません。そういえば、昔は、学校の試験の前日などに、大地震とか台風とか来ないかな、と思ったものでした。

●台風18号、6日に関東甲信など上陸の恐れ
http://www.yomiuri.co.jp/national/20141005-OYT1T50008.html

 Cakesで連載中の小説『恋愛工学』のChapter 2-1を添付しておきました。

●ぼくは愛を証明しようと思う。
https://cakes.mu/posts/6591

 Youtubeなどで世界中の若者を勧誘しているテロ集団『イスラム国』への米軍などの空爆がはじまり戦争が本格化してきましたね。第120号『戦争とテロと恋愛工学』で解説したように、動物にとって死ぬより怖いことは、交尾できずに子孫を残せなくなることです。世界の恋愛市場には、素人女性とセックスすることが絶望的になった若い男が溢れているのですから、根が深い問題です。また、ポルノ動画もマネーも簡単に国境を越えますが、現代社会では、テロもネットを通して簡単に国境を越えてしまうことの証左でもあります。

●ベトナムの悪夢よみがえる イスラム国 掃討
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO77801760R01C14A0000000/

●人生一度きりだから死に殉ずる…世界中の若者がイスラム国に惹かれる巧妙なロジックとは?
http://wpb.shueisha.co.jp/2014/09/29/36451/

 今週の人生相談コーナーの見所は以下の通りです。

―南斗六聖拳のサウザーです(愛などいらぬ!再)
―ヤリチンくんに押し倒されてしまう理由
―博士課程進学を辞めて民間企業に就職すべきでしょうか
―第127号『国際結婚×重婚』についての訂正

 台風の災害など、みなさん気をつけてください。今週もよろしくお願いします。

1.FC2社摘発で考えるオフショア経済

 先週の記事で、ぜんぜん違う文脈でxvideosを取り上げたところ、タイムリーに今週は日本のFC2社が摘発されました。

●FC2動画へ無断投稿一斉摘発 4人逮捕
http://www.nikkansports.com/general/news/f-gn-tp0-20140925-1372548.html

●FC2国内会社捜索=米社ダミーか、創業者ら立件視野-わいせつ中継ほう助容疑
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201409/2014093000172

●FC2サービスのほとんどを開発─家宅捜索受けた企業とは
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1409/30/news122.html

●FC2なぜこれまで摘発されなかった?
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1410/01/news045.html

●アダルトサイトの中でなぜFC2だけ摘発されたのか
http://lmedia.jp/2014/10/02/57048/

 簡単に解説すると、FC2社は(少なくともサービスの一部は)xvideosの日本版です。投稿者が自由に動画をアップロードできて、課金できる仕組みを提供していました。こうしたサービスは米国のラスベガスに登記してある会社から提供していたのですが、日本にある会社が実質的な運営会社で、ラスベガスの会社はダミー会社だとして、家宅捜索されました。
 海外の会社が所有する海外のサーバーを通しての無修正ポルノ動画の配信は、日本の法律では摘発できないのではないか、と言われていましたが、今回は、まずは、セックスのライブ中継をしていた男女が「公然わいせつ罪」で現行犯逮捕され、そうしたわいせつ罪を「幇助(ほうじょ)」したとして、FC2の家宅捜索に踏み切ったわけです。動画を海外のサーバーから配信しているのではなく、日本で行われる性行為の「ライブ」なので、それは公然わいせつ罪に当たる、と。
 そして、ラスベガスに登記されていたFC2社を実質的に運営していたとされる日本の会社の経営者たちが、逮捕に向けて家宅捜索されたわけです。今回も、世界的に有名になったP2Pのファイル交換プログラムであるウィニーを開発した、当時、東京大学情報理工学部の助手だった金子勇さんを著作権侵害行為幇助の疑いで逮捕した、京都府警ですね。

●逮捕→無罪 ウィニー開発者金子さん急逝 京都府警サイバー捜査員にも驚き
http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/130708/waf13070820540025-n1.htm

 この件に関して、法律的にどうか、という議論は他の人に任せるとして、僕はいつも思うことがあるのです。
 たとえば、日本のローカルルールで、ポルノは性器を見せたら違法、ということになっています。もちろん、法律でそんなことが明記されているわけではありませんが、警察の運用でそうなっています。それでモロ見えDVDを販売したりすると、警察に逮捕されます。しかし、そんなことに何か意味があるのか?と思うわけです。好むと好まざるとにかかわらず、スマホひとつで、いまや中高生でも簡単に無修正ポルノ動画にアクセスできて、それを制限する方法はありません。そうしたポルノが合法の国は世界にいくらでもあるからです。ポルノを規制することで社会が良くなるかどうかはよくわかりませんが、仮によくなるとしても、日本でそうした業者を摘発しても、インターネットの時代には規制できないのです。それなのに税金をかけて警察が動く必要があるのだろうか、もっと重要な案件があるのではないか、と思ってしまうのです。ルールはルールだ、と言われればそれまでですが。
 日本人が作っていたFC2を潰したら、そこに流れていたトラフィックは、そのまま海外の別のサイトに吸収されるだけで、おそらく世の中は何も変わらないでしょう。

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