見出し画像

週刊金融日記 第518号 中学受験は代理戦争ではない!親はウクライナ軍を支援するアメリカのようになれ、マスク氏Twitterを敵対的買収、やはり五反田はいい、私立中高一貫校のインターナショナルコースについて、他

// 週刊金融日記
// 2022年4月18日 第518号
// 中学受験は代理戦争ではない!親はウクライナ軍を支援するアメリカのようになれ
// マスク氏Twitterを敵対的買収
// やはり五反田はいい
// 私立中高一貫校のインターナショナルコースについて
// 他

 こんにちは。藤沢数希です。
 先週は五反田に行ったり恵比寿に行ったり六本木に行ったりとバタバタしながらも東京の春を満喫しておりました。そしたら、東大の入学式が炎上しておりました。入学式の祝辞で呼ばれた女性映画監督が、急にロシアを悪者にするのは簡単、ロシアの正義とウクライナの正義がぶつかっている、とどっちもどっち論とも取れる発言をしたからです。そして、最後は、このように侵略戦争が起きたのだから、日本だってかつてのようにいつ侵略戦争するかもしれず、私はそうなったら反対したい、とキメてくれて、方々から非難されております。
 また、メディアが文脈を無視して一部を切り取ったんかな、と思って、祝辞の全文を読んだんですけど、切り取ったってわけじゃなくて、本当にこれが言いたかったんだな、と僕は思いました。そして、これはないわ、というのが感想です。
 ロシアにもそりゃ正義があるでしょうが、そんなものはオウム真理教にも正義はあったという程度のもので、ウクライナが一方的に侵略されており、ウクライナの罪もない民間人が今日も犠牲になっているのだから、どっちもどっち論はおかしいし有害ですね。また、こんなことが許されたら、ロシアはもっとエスカレートするかもしれず、日本もそうなったら危なくなるのだから、そういう日本の損得というか合理性の視点でも、どう考えてもここで国際社会はプーチンを止めないといけないわけです。
 僕は左翼的な人文系の学者や文化人や政治家など、これまであまり興味もなかったので、彼らがどういう思想でもって活動しているのかぜんぜん気にも留めていなかったのですが、ロシアによるウクライナ侵略で、彼らや彼らの息がかかった一部の著名人たちの言説がたまにTwitterなどで流れてきて、とても違和感を持つことが多く、その背景を調べました。それで、僕なりにわかったことは、要は、過去に日本が侵略戦争して、第二次世界大戦でこっぴどくやられて多くの国民が犠牲になったのだから、日本が二度と戦争できないように徹底的に日本を縛っていこう、ということがこうした政治思想の根幹としてずっとあるわけですね。こうした北斗の拳の無抵抗主義の村みたいなやつは、日本独特の特殊な政治思想というか言論なんだと思います。

★このTwitterのスレッドにまとめましたが、こういう左翼的文化人の人たちにとっては、現在進行系でウクライナが蹂躙されていても、また日本が侵略戦争するかもしれない、それを止めないと!という心配の方がプライオリティが高いんですよね。

★北斗の拳を読み返していたら「Z」と描いてあり驚きました。なんという予言の書だったのでしょうか。

★また、日本で反ワクチンを訴えていた政治家の街宣車にロシアの軍事作戦支持を表す文字である「Z」が描かれており、反ワクチンとロシア支持が奇妙に結びついた点も興味深いと思いました。

 日本の一部の左翼言論人がいろいろ空虚な言葉を重ねている一方で、こちらのウクライナのマリャール国防次官が、ロシアの侵攻がはじまってからの50日間を振り返って綴った言葉は、なんと力強く、そして、人々の心を打つのでしょうか。

「困難な挑戦や失ったものはある。しかし、私たちは皆、ともに強くなり、自らの力により多くの確信を抱くようになり、誰も歴史の車輪の下で屈することなく、挫けることもない。私たちは、自らの抵抗で世界を驚かせたのであり、私たちは皆、自信を持って、楽観的に私たちの共通のウクライナの未来を目にしている。このようなネイションに勝つことなど不可能である。」

●ロシアとの全面的戦争50日「私たちの抵抗は世界を驚かせた」=ウクライナ国防次官
https://bit.ly/38ZgR3d

 最近の東大は積極的にジェンダー問題に取り組んでいるので、祝辞は女性にお願いしたかったのでしょうが、それだったら、マリャール国防次官にオンラインで演説でもしてもらえば良かったんですよね。これだけ格調高い言葉を綴れるとは、いったい彼女は何者なのだろう、と調べたところ、キエフ国際大学の法学研究所の副所長・准教授を勤めておられた方で、アカデミックなバックグラウンドも立派なわけですね。
 それにしても、ゼレンスキー大統領だけでなく、ウクライナには本当にすごい役者が揃っています。

 今週も読者から興味深い投稿がいくつもあります。見どころは以下のとおりです。

- iMacを買おうと思っていますが所長はどうお考えですか
- Macアプリの三種の神器は何ですか
- 私立中高一貫校の「インターナショナルコース」に通わせるのはありでしょうか
- 元製薬メーカーの者ですが花粉症対策について補足
- 資産管理ツールと花粉症に効く食品について
- 子供が生まれるのですがさい帯血保管サービスを利用すべきですか
- 田舎に特有の恋愛工学のアドバイスはありますか
- 現実的な労働紛争の争い方
- 恋愛工学を教えてくれた所長に長年のお礼です

 それでは今週もよろしくお願いします。

1.中学受験は代理戦争ではない!親はウクライナ軍を支援するアメリカのようになれ

 冒頭でも書きましたが、日本は太平洋戦争の反省からか、それまでの軍国主義から一気に逆に振れて、とにかく日本が再び他国を侵略することを心配して、日本が絶対に戦争できないようにしよう、という人たちが言論界で勢力を保っています。また、それとは別というか、つながっているのか知りませんが、とにかく反米思想で、世の中の戦争はすべて米国が裏で糸を引いている、と考える人たちも割とたくさんいて、今回のロシアの一方的なウクライナ侵略でさえ、米国が武器などをウクライナに供与しており、これは米国の代理戦争だ!と非難したりしていました。
 Twitterを見ていたら、この戦争で使われている兵器に関していつも詳しいコメントを書いている軍事評論家の方が、いやいやどう考えても代理戦争ではない、代理戦争(=より強大な力を持っている国の都合で代わりに戦争させられている)だったら、こんな士気が高いわけなく、もっとウクライナ軍は弱いだろう、と言っていて、確かにそうだな、と思いました。

「代理戦争なんかじゃないと思いますよ。ウクライナは自ら望んで徹底抗戦しているだけです。もし無理矢理に代理戦争をさせていたらそうですね、もっと士気が低くて弱い筈ですね。」
-- https://twitter.com/rockfish31/status/1515566594675527684

 それで中学受験は子供が親の都合や見栄やエゴを背負って、子供の将来のため、という大義名分の下で子供が受験戦争に参加させられる代理戦争だ、と僕も昔よく書いていたのですが、いま思うと、代理戦争やらされている子供は弱っちいな、と思った次第です。そんな子供は、中学受験というこの厳しい戦争には勝てない、という当たり前のことを再認識しました。
 軍の兵士だけでなく、ふつうのウクライナ国民が銃を取り、祖国を守るために立ち上がりました。理不尽に侵攻してきたロシア軍に対して、自分たちの祖国を守るため、家族を守るために戦っているのです。そこには圧倒的な正義があり、兵士たちの士気は極めて高いです。また、ゼレンスキー大統領も、ロシア軍が侵攻を開始すると、アメリカが特殊部隊を送って国外退避を手伝う旨を伝えてきたのですが、彼はそんな誘いを一蹴し、いま必要なものはそんなものではなく、戦うための銃弾だ、もっと銃弾を送ってくれ、と言い、自ら首都キーウに留まったのでした。
 こうしてウクライナ国民が勇敢にも強大な敵に立ち向かいました。多くの血を流しながらも、その抵抗で世界を驚かせました。そして、ウクライナ国民が自ら武器を持って立ち上がったからこそ、世界はこれほど助けようとしているわけです。各国、特にアメリカが知恵を絞って、対ロシア軍で有効な武器を次々と供与しています。軍事衛星や偵察無人機を使って得られたロシア軍の情報を共有し、さまざまな有効な軍事作戦を提供しています。また、供与される兵器をウクライナ軍がすぐに使いこなせるように、英米の特殊部隊が中心になりウクライナ兵を訓練しています。
 ゼレンスキー大統領が最初のアメリカの勧告に従って国外に逃げていたら、もうとっくにロシア軍によってウクライナは蹂躙されていたことでしょう。自ら武器を持って立ち上がらないのなら、世界は援助の手を差し伸べることもないし、また、助けようと思ったとしてもそんな意志では助けることなどできないのです。

ここから先は

16,122字

¥ 220

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?