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週刊金融日記 第165号 なぜ小説が出版されなければいけなかったのか、13年ぶり1ドル125円後半、六本木通りでワインのマリアージュ、パスタを茹でるルーティーン、他

// 週刊金融日記
// 2015年6月8日 第165号
// なぜ小説が出版されなければいけなかったのか
// 13年ぶり1ドル125円後半
// 六本木通りでワインのマリアージュ
// パスタを茹でるルーティーン
// 他

 こんにちは。藤沢数希です。
 いよいよ梅雨に入りますね。5月はとてもいい気候だったのですが。
 連載中の恋愛小説『ぼくは愛を証明しようと思う。』が、cakesで更新されています。

Chapter5-4 クオリティの証明
https://cakes.mu/posts/9490

 そして、とうとう小説が出版されます。Amazonでは予約を受け付けており、おかげさまで、すぐに日本文学のカテゴリーで何度か1位を獲得することができました。さっそく、予約してくれた皆様、ありがとうございます。発売日には品薄が予想されるため、早めに予約しておくことをオススメします。

Amazon予約受付開始 http://goo.gl/V2J5eQ

 読者投稿コーナーも、充実しています。

―銀座バーナン・プロトコル
―30歳過ぎても素人童貞の原因はプライドの高さでした
―ハイスペ三十路女ですが女性からのアプローチ方法が知りたいです
―ポストSPにおける低コストなデート
―非モテコミットの悲惨さがよく分かるアニメ映画

 それでは今週もよろしくお願いします。

1.なぜ小説が出版されなければいけなかったのか

 週刊金融日記は二度読むことができるが、人生は一度しか生きられない。そうしたどうしようもない制約の中で、自分のものではない人生を生きるために、文学はあるのだと思う。人は小説を通して、自分が生きられなかった別の人生を心の中で体験し、何かを感じ、学び取ることができるのだろう。
 ケークスで先行して連載していた恋愛小説『ぼくは愛を証明しようと思う。』が、とうとう出版される。ケークスの連載では、まだ物語は中盤だが、一足先に紙の本が出版される。連載からは大幅に加筆修正されており、また、一流のデザイナーによる装丁やフォントなどはとても美しく仕上がりそうで、やはり紙の本には、Webや電子書籍にはない良さがある。そして、Web媒体にはWeb媒体の良さがあるので、ケークスでは、単に本の原稿を適当に切って出すだけでなく、Web媒体ならではの表現や、違ったエピソードも盛り込みたいと思っている。
 僕は、小説の中の世界は、それを書いた人からは独立した存在となるべきものであると思う。読者はその世界観に浸り、登場人物たちと自分の人生を重ね、各々が好きなように楽しめばいいし、自分にとって必要と思うことをそこから学び取ればいい。そして、小説の中に創り出された世界を壊さないためにも、作家は、ちょっと売れてベストセラーになったからとしゃしゃり出てきて、作品について饒舌に語らないほうがいい、と個人的には思っている。作家は、本というメディアの中にひとつの世界を作る職人のようなものであり、ちょうど誰もこの世界を創った神様を見たことがないように、黒子に徹するべきなのだ。

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