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太陽王出陣!J1リーグ 第1節 柏レイソルvsコンサドーレ札幌 レビュー

いよいよJリーグが開幕しました!昨シーズン圧倒的な強さでJ2リーグを優勝したレイソルは、1年ぶりのJ1でどんなサッカーを展開してくれるのか?今からワクワクしています!

第1節ホーム開幕戦、対戦相手はミシャ率いるコンサドーレ札幌との対戦です。ミシャサッカーに対してレイソルが自分たちの色を発揮できるのか注目です!

スタメンはこちら

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レイソルは、千葉銀カップで負傷した中村航輔に変えてキムスンギュがスタメン。その他は昨シーズンとそこまで変化はないものの、やはりオルンガには注目が集まる。

一方コンサドーレは予想通りの布陣。チャナティップ、ジェイ、鈴木武蔵のコンビネーション、そして両ワイドの選手が幅を使いながら前の三枚に同ボールを配給するのか注目です!

1.立ち上がりからスタイル全開❗️

開始からお互いのスタイルをぶつけてくる両者。

コンサドーレは立ち上がりから中央を経由して、サイドを使ってゲームを組み立てる。
その中でも立ち上がりすぐの菅のクラスのシーンと2分のハーフレーンからジェイ、ジェイから菅への展開がゲームプランを物語る。

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レイソルはオルンガを起点に攻めが続くがそこには少しの工夫が見られた。

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開始10分はオルンガを中央にピン留めし真ん中で起点を作ろうとする。
しかし普通にオルンガだけをピン留めすると、いくらオルンガとは言え潰されてしまう。
そこでレイソルが行っていたのは周りのフリーラン。
シンプルにクリスティアーノ、(江坂)、瀬川がフリーランでサイドに抜けると3バックが若干その動きにつられ幅とスペースが中央にできる。

これによりオルンガとキムミンテのみのマッチアップが生まれ、中央でのゲームメイクがやりやすくなる。

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お互いの長所を存分に生かした立ち上がりだったがそんな中でも9分のシーンでは菅から若干角度をつけたロングボールがジェイに入り得点のチャンスを演出するもここはなんとかしのぐ。

しかしこのシーンなんとかしのいだように見えたが、まだまだキムスンギュとバックラインのコミュニケーションが足りないと感じてひやっとしたシーンでしたね。

前半11分ゲームが動きます。

先ほどレイソルの攻撃の形でお伝えした通りオルンガとキムミンテの1on1が起きましたがこれをキムミンテがカットしスローインになり、その流れでサイドに流れたオルンガがコーナー付近でためを作り起点に。

するとサイドにオルンガが流れたこと、そして瀬川のフリーランによってバイタルに大きなスペースが空きます。

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このスペースへオルンガがパスを出すと江坂が一人かわしてサイドネットに!レイソル先制で1-0!


前半19分コンサドーレのカウンター。

鈴木武蔵からジェイ、バイタルエリアでためを作ると最後は白井がクロス!しかしこれはキムスンギュがキャッチ。その後カウンター返し、江坂の浦パスがクソンユンを引き出しそれをオルンガが交わして決定機!これを決めて2-0!


ゴールは決まったが古賀の鈴木武蔵への対応が少し軽かった。

鈴木武蔵が古賀を抜いたことで、ジェイがハーフスペースに流れボールを受ける形になってしまった。結果としてはオルンガのゴールで終わったがもしコンサドーレのカウンターが成立していれば、この後のゲーム運びが違う形で進んでいただろう。

2.コンサドーレを逆手に取ったレイソル

まずはレイソルの好機から。後半立ち上がりから積極的に仕掛けていくレイソル。

中でも、クリスティアーノ、江坂、ヒシャルジソンの追い越す動きは素晴らしい。オルンガがボールキープをするために一列下りればその背後に飛び出る選手が必ずいる。

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また、コンサドーレが後半からより高い強度のプレスをレイソル陣内、そして中央でボールを収めようとするオルンガに仕掛けた。

しかしコンサドーレが中央でオルンガにプレッシャーかけたこと、でオルンガは中央ではなくサイドで起点を作り始めた。すると前プレをかけているコンサドーレの目線はボールホルダー、特にキープ力にたけているオルンガに集中する。

この現象が頻繁に起きたことでコンサドーレの3CBは逆サイドを大きくあけることが多くなった。

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こういったシーンが増えてきた中で後半56分、ゲームが動く。

レイソルのビルドアップをコンサドーレが跳ね返すも、江坂、神谷の二人組がカット。その流れで前がかりになったコンサドーレCBの背後があきすかさず神谷が縦パスを入れる。

オルンガが反応し、パスに反応すると残りのCBがそれに一瞬つられるとクリスティアーノに大きなスペースを与える。オルンガがパスを送ると、江坂にフリーランのスイッチが入る。

大きく開いた中央のスペースにクリスティアーノがパスを送ると江坂が決めて3-0!


さらに後半64分

コンサドーレのコーナーキックがはじかれると、セカンドボールに対して神谷が反応。ドリブルを一度阻止されるも背後からの追い越しの人数、そして質が良かった。

クリスティアーノがオルンガの前にパスを出すと、クソンユンが前に出てコースを消しに来る。ここを冷静にかわして4-0!


レイソルの質の高いカウンターと2点目同様クソンユのポジション取りを良く見ていたオルンガの素晴らしいゴールになった。

3.クソンユンの2.4失点はどうして起こった?

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ここで2.4点目を少しレイソル目線からコンサドーレ、特にクソンユンに目を向けてみましょう。

まずは2失点目

カウンターからオルンガが抜け出し、クソンユンが対応したシーン。

最初のポジションの位置は正直絶妙だったと思います。というかオルンガをサイドに誘導できたことは少しミスに見えた部分もあるとは思いますが良い対応になったと思います

問題はこの後。ポジションを取ろうとしたクソンユンはゴール方向に向かって戻って行きました。この戻りがあまり良くなかった。

まずはゴールエリア付近までクソンユンが下がってきたことで、ゴールカバーが前に出てしまった。(逆のクリスティアーノが気になったこともあって)失点のコースはゴールカバーが最初にいた位置と前に出た位置の中間にいれば触れたかもしれない、またはオルンガに上を狙わせることができた可能性もある。

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そしてもう一つ。

クソンユンの戻りすぎてしまったポジショニングと、足を出した時の対応。

なぜあのポジションが悪いのか。それはオルンガへの圧のかかりかたの違いと、単純にコースを消すといった1対1の原則からなると思います。立ち位置が後2.3歩前だったら単純にクソンユンの身長を考えてもかなり狭まると思います。

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そして、足を出した時の対応。これはポジションを取り終えてからの数秒間の話。クソンユンはシュートを打たれるまでの数秒間オルンガの横移動について行きましたが、ここも斜め後ろに下がりながら対応していた。

斜め後ろに下がったことで、体重がやや後ろにかかり足を出した時に体が後ろに行ってしまったことが分かる。

もちろんキーパーのポジション取りは原則ボールとゴールを結んだ中心にいなくてはならないが、今回のシーンではオルンガは斜め前に進んでいたこともあったため、少し前で、かつ斜め前に仕掛けてきたときには横移動でコースを消してもよかったのかもしれない。

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続いて4失点目。

これについてはそこまで多く話すことはないのですが、この失点で一番気になったのはペナの外に出続ける必要があったのか?というところです。

もちろんこの失点シーン、クリスティアーノのキックのタイミング、場所、質のすべてが良すぎたことがもちろんあるのですが、よく見返してみれば個のボールに対して追いつかないことが分かっていながらも前に出てしまったように見えます。

出ない判断をした時に、これをペナ内ギリギリで構えポジション移動をしっかりとしていれば抜かれることはあまりなく、時間も作れたのではないか?と思うシーンでした。

4.2失点目から見える不安

後半67分、ルーカス・フェルナンデスが右サイドでスローイン後、リターンパスをもらいドリブル開始、切り崩してクロスを上げるとジェイを超えてチャナティップへ流れ、折り返しを鈴木武蔵がスルーをし、荒野が押し込んで4-1。


このシーン相手なんですけど一番好きなシーンは荒野のブロック&コンテニューです。笑

何がいいかというと、ルーカス・フェルナンデスがドリブル開始をした時受けるそぶりをしながら三原をブロック(スクリーン)して一瞬対応を遅らせます。荒野はこの後コンテニューという形で受け手に回りクロスが上がれば、中央に走りこみました。

このシーンは荒野の賢さと、綺麗にブロック&コンテニューが決まって素晴らしいと感じました。

後半75分、チャナティップがセカンドボールを拾い神谷を引き付けると中央でターンをし、時間を作りレイソルのバックラインの背後にパス。鈴木武蔵と鎌田が反応するも、鎌田が鈴木武蔵の一瞬のスピードで入れ替わられてしまいキーパーと1対1。ここを冷静に決められてしまい4-2。


後半76分、ルーカス・フェルナンデスのクロスからクリア不十分で宮沢に拾われると、シュートを打たれる。シュートブロックをするも続いてチャナティップから荒野へ。ここを落ち着いてかわされキーパーと1対1.ここはキムスンギュノビックセーブ!


このシーンキムスンギュの超反応!という感じに見えると思いますが、キムスンギュの素晴らしい対応もあってのビックセーブでした。

特に何がすごいのか。それは荒野がゴール前でレイソルDF2枚を交わした時の対応です。

これは現PSGパリ・サンジェルマン)のナバスが良くやる対応の仕方ですが、ゴール前で相手選手が見方DFを交わす時には必ず時間が0.5~1秒ほどかかります。この交わすタイミングでナバスや今回のキムスンギュのように1歩、詰めていく対応をします。すると間合いを詰めたことでコースが狭まり、手の届く範囲で反応できます。

(ナバスとキムスンギュ、セービングもどことなく似てる気がしますね。)


今回のシーンは荒野が交わしてから打たれるまでの数秒間にキムスンギュが一歩つめたことがビックセーブを生んだ結果となりました。

2失点目から見える不安は、CBについてです。

もちろんレイソルのバックライン、特にに今回あげたCBについては素晴らしい能力を持った選手が多いのですが、J1で勝ち続ける、特にこの先上位をキープする上で必須条件になるのが「スピード」の部分ではないかと思います。

具体的に今回の2失点目では一瞬の差が鈴木武蔵との入れ替わりを生み、置いて行かれたと思っています。そしてこれからの試合「スピード」が売りの選手を相手にすることが増えてくると思います。(FC東京の永井や横浜FMの仲川等)

この問題を解決するには身体的にカバーをするのか、相手の動きを予測し対応することが必要になってくると思います。今回の失点で、J1で戦い抜くには改めて「スピード」の問題が必須ですし、選手の飛躍が問われると思いました。

5.最後に


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開幕戦を4-2と勝利し、レイソルの強さを見せつけれたと思う反面、コンサドーレの能力の高さ、ペトロヴィッチの手腕を見せつけられた試合だったと思います。またコンサドーレは今シーズンから「プレス」の部分に力を入れているということで、J2とはまた違ったプレッシャーの質を感じれたのではないかと感じました。



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