馳浩がワナワナと怒った思い出

プロレス界初の大臣となった馳浩さん、まずはおめでとうございます。

佐々木健介も夫人の闘病に続いて取材で忙しくなるかと思ったら、今のところそうでもなく、猪木議員に直撃した新聞社も今のところないようだ。

馳といえば(いまや大臣だがプロレスラー当時の話だから敬称略でよいだろう)、テレ朝の迷作「Give upまで待てない」で山田邦子に対して怒りをぶつけたことで有名だ。本人によれば、実際は緊張する生放送ゆえスタッフと「途中で席を立っても構わない」との約束があったとのことだが真相はわからない。

そんな馳に対して「プロレスニュースをどう思いますか?」などと聞かなくてもいい余計なことを聞いたのが、ターザン山本全盛期の「週プロ」だった。

「プロレスニュース」とは1990年ころ私が担当していた日本テレビの「全日本プロレス中継」で、深夜の放送ゆえにファンの拡大を目指して、当時まだ若かった三沢や川田、小橋たちの一般知名度をなんとか上げようという名目で、試合前の発言やプチ情報、来日外国人選手のキャラクターなどをバラエティーテイストで紹介していたミニコーナー。伝えるのはこれまた若き日の福澤〝ジャストミート〟朗アナウンサーであった。

三沢の発言を彼の口癖「ハッキリ言って…」を誇張気味の声色を使って紹介したり、ハンセンの語尾に「俺は絶対負けなウィー!」 とウィーを多用し定着させたり、「渕が白い」「戦う陸サーファー、サニー・ビーチ!」など、私は駆け出しのディレクターとして正直完全に面白がり楽しませてもらっていた。

実際このコーナーが超世代軍ひいては全日の人気に一役も二役もかっていたのだが、「週プロ的価値観」の信者たるプロレスヲタク(プヲタ)にとっては神聖なるプロレス及びプロレスラーへの冒涜に思えたのだろう。毎週ハガキの裏面にギッシリと非難というか呪詛を書き連ねてくるヒマな、いや熱心なプヲタたちもいたものである。

そんな状況に自称プロレス界のオピニオンリーダーたる週プロが黙っているワケもなく、しかし知性派の誇り高い週プロがプロレスニュース如きに自らの手を汚すワケもなく、ここで一丁利用してやろうと白羽の矢を立てたのが新日の知性派にして後の文部科学大臣こと、馳浩だった。

山田邦子に激怒という実績を持つ馳に何かのインタビューをしていた週プロ。話の流れで馳のプロレス愛テンションが高まった頃合いにいきなり「ところでプロレスニュースをどう思いますか?」と絶妙の燃料を投下したのだ。さすがターザン魂、いい感じにエゲツない。

すると馳は、(週プロの描写によれば、だが)

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