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「介護時間」の光景

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家族介護者の独特の緊張感があった頃の、日常の小さな風景の違和感を書いています。それを、現在の「同じ日付けの日」の光景と合わせて、投稿するようにしています。
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2021年1月の記事一覧

「介護時間」の光景㊸「屋根」。1.26.

 はじめて読んでいただいている方には、記事を見つけていただき、ありがとうございます。いつも読んでくださる方には、繰り返しになって申し訳ありません。  私は、臨床心理士/公認心理師の越智誠(おちまこと)と申します。  元々は、家族介護者でした。介護を始めてから、介護離職をせざるを得なくなり、介護に専念する年月の中で、家族介護者にこそ、特に心理的なサポートが必要だと思うようになりました。  ただ、そうした支援をしている専門家がいるかどうか分からなかったので、自分でなろうと思

「介護時間」の光景㊷「影」。1.19.

古い話で申し訳ないのですが、前半は、2001年1月19日のことです。 (終盤に、2021年1月19日のことを書いています)。  2001年には、私は、自分自身の病気もあり、介護に専念するために仕事を辞めざるを得なくなり、母親が入院する病院に通い(リンクあり)、家に帰ってきてからは、妻と一緒に妻の母親を介護する毎日が続いていました。  当時は、限られた場所だけで生きていて、家族以外と話すのは、母の入院先の病院のスタッフくらいでした。全く先のことが分からず、ただ土の中に

「介護時間」の光景㊶「つぎはぎ」。1.14.

前半は、19年前の2002年1月14日のことです。 (後半は、2021年1月14日の事を書いています)。 その頃、私は、自分自身の病気もあり、介護に専念するために仕事を辞めざるを得なくなり、母親が入院する病院に通い(リンクあり)、家に帰ってきてからは、妻と一緒に妻の母親を介護する毎日が続いていました。前回(リンクあり)より、9日後のことです。   (それまでと、それからについては、このマガジン↓にまとめてありますので、よかったら、読んでいただけると、うれ

「介護時間」の光景㊵「ソファー」。1.5.

 私は、2年前まで介護をしていました。  介護を始めて、仕事もやめ、その時間の中で、家族介護者に対してこそ、気持ちの面のサポートが必要ではないか、と思うようになりました。生意気かもしれませんが、そのころは、そうしたことを担当する専門家がほとんどいないように思えたので、自分でなれないだろうか、と考え、臨床心理士になろうと思いました。 (もし、よろしければ、ここをクリックしていただければ、少し長いですが、私の経歴の概要が分かっていただけると思います)。  この『「介護時間」