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指示するのが苦手な人への処方箋

お世話になっております。
かずふくです。

いきなりですいませんが、若者にウンザリされる話ナンバーワンの「おじさん昔話」をさせていただきます。

「かずふくくん!このデータ集めといて。」
「これコピーしといて!20部ね!」

「はい!わかりました!」

なんて答えていたのは多分、新卒の1〜2年目くらいまでだったと思います。3年目くらいになると、「なんで僕がやらなきゃいけないんですか?」とか反抗することも増えてきました。
生意気ですね。

「部下に嫌われるかも」と思ってうまく指示できない方や、年上のおじさんに指示を出さないといけない立場の方に向けて、昔の私も素直に従うような指示の出し方について今回は考えたいと思います。

なぜ指示されるのがイヤなのか?

正直に言うと、すでに新卒1〜2年目の時も「印刷くらい自分でやればいいじゃん」とか心の内で思いながら動いていました。上司の指示を” 脳死 ”で受け入れていればよかったと思うんですが……。なんで指示されるのが嫌いなのか、改めて自問してみました。

まず、指示って上から目線なんですよね。学生時代、高時給に目が眩んで始めたパチンコ屋のアルバイトは、時給は同じなのに新人が必ずトイレを掃除するという謎のルールがありました。理由を聞いても「先輩から新人にやらせるように言われてるから、いいからやって」という回答で、ここは先輩が絶対ルールの刑務所か?と思ったこともあります。もちろんすぐ辞めました。
そして、もう一つは「なんで自分がやらなきゃいけないのか」が理解できていないからストレスなんだと思います。

デキるおじさんは背景を説明する

質問をしても「とりあえずやってくれればいいから」とか言ってくる上司いませんか?その上司は、単に説明するのがめんどくさいのかもしれないし、最悪の場合、上司も理由がわかっていない可能性もあります。先述したパチンコ屋の先輩は後者ですね。これは論外です。
いずれにせよ、作業について説明しないのは、部下には嫌われ、育ちもせず、いいことは一つもありません。

ですので、単にやって欲しい仕事を指示をするのではなく、仕事の背景を説明したうえで依頼をすることがベストです。
扱いの上手い上司はこの辺りを理解して、業務を部下に振っています。「なぜ」「あなた」に「この仕事」を「今」お願いしているのか、これを意識して説明しています。
お願いした仕事が、全体の中でどういう位置付けで、それを今やらないとどうなるのか、なぜあなたが適任だと思ったかを説明します。

たとえば、同業他社のデータ収集を依頼する際には、
「お客さんがAかBかを決めるに際して、同業他社がどうしているか気になっている。どうやらお客さんはAにしたがっているので、その決断を促すような資料を作りたい。同業他社について、この点とこの点について調べて欲しい。君には以前にも別の案件で似たような調査をお願いしたことがあるが、締め切りに間に合わせるためにも、データ収集の得意な君に今回もお願いするのがベストだと思っている。」
「そこまで聞いてねぇし」とツッコまれそうなほど丁寧に説明します。

ここまで説明すると、言われた方も、「なるほど、この作業は俺がやらないと間に合わないな」とか「確かに私がこれをやることがチームとして一番効率的だな」なんて思ってくれます

一度は指示をイヤがるフリをするかもしれませんが、「なんで自分がやらなきゃいけないのか」が理解できれば、当事者意識が芽生え、最終的には「しょうがいない、やるか」と言ってくれます。その時、彼らの" 仕事 "は”  私事 ”になり、自分ごととして楽しめるようになるんです。

指示する側へのメリット

背景を踏まえた指示は、指示を出す側にもメリットがあります。部下に背景を含めて仕事を説明するためには、自分もしっかり内容を把握していないとうまく伝わりません。相手に説明する過程で言語化されることで、業務内容とそのタスクも整理されます。

また、背景を含めて説明すると、指示を受ける側からも質問が出てきたり、意見が出てくることもあるでしょう。たとえば、資料を印刷するという作業も「なんで印刷が必要か?」と素朴な疑問をきっかけとして、
「おじさんが出てくるため、ノートPCで見るには字が小さい」

「じゃあ参加するおじさん3名分だけ印刷にしようか」

「そもそも、プロジェクターを用意してもらえば印刷は不要じゃない?」

「じゃあ先方にプロジェクターを用意してもらうよう依頼しておいて」
と、効率を考えると全く別の作業で代替されるかもしれません。

実際はここまでシンプルなことは少ないでしょうが、一方通行で指示するよりも、作業の背景を共有して二人で考えた方がいいアイデアがでるんです。

気をつけなきゃいけないのは「あいまいな相談」

一点、気をつけたいのは、指示ではなく「どうしたらいいと思う?」のような相手に質問を” 丸投げ ”するのは絶対避けましょう。もちろん、コーチング的な「あなたはどうしたいの?」という問いかけが重要なタイミングもありますが、業務に関して言えば、相手は作業を振られると身構えています。それ指示ですか?相談ですか?みたいな曖昧なのものは相手にストレスを与えます
自分の中で指示が明確に定まっていない場合も、「○○をお願いしたいんですが、他にもっと良いやり方、思いつきますか?」などと聞くようにしてください。育成と指示はうまく使い分けることが大切です。

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