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スパイス料理を始めたきっかけ

今日は僕がスパイス料理を始めた時のことを書いてみようと思う。
「初心忘れるべからず。」なんて言葉があるくらいだから始めた時の気持ちとか感想を残しておきたかったからだ。

時は2018年、当時僕は21歳だった。生まれ育った新潟県を離れ石川県の旅館に就職して3年が経とうとしていた頃、給料や自分の時間、やりがいなどでどうしようもない将来の不安を抱えていた頃、毎週録画して見ていた鉄腕ダッシュでスパイスカレーを作る企画を見て「カレー粉って自分でも作れるんだ。」と思ったのが始まりだ。

このまま続けて明るい未来が見えない職場で何か自分を変えたくて新しく取り組めることを探していたのだ。いや今思えばただの趣味の一つだったんだろう。当時は今みたいに人にほぼ毎日スパイス料理を作っているなんて思いもししなかった。ましてやスパイスカレーを人に教える仕事をしていることなんて考えてもみなかった。だからこそこうして始めた時のことを振り返るのも感慨深い。

TVを見て興味を持った僕は次の休みに車で15分離れた本屋さんへ。
大きい書店に行きたかったのでは無く、田舎故に最寄りのお店がそこなのだ。
お店の中に入った僕は漫画や雑誌のコーナーを抜け、行き慣れない料理のコーナーへ。
そもそもスパイスカレーの本があるかすらわからない。
そんな不安を抱えながらスパイスの本を探すと僅かにだが並んでいた。
置いてあったのは4冊程だったと思う。決して多くない選択肢の中から1番わかりやすい物を選んだ。

著:水野仁輔 スパイスカレー事典

あれから何冊かスパイスカレー本を買いあさり勉強したがこの本が1番わかりやすいし写真も大きく載っていて読みやすい。
今でも時々読み返す頼もしい僕の先生とも言える思い出の1冊だ。

それからというものの空いた時間は大好きなゲームをするのも忘れ、始めて昆虫図鑑を買ってもらった子供みたいにこの本にかじりついて読んでいた。

スパイス1種ごとの解説やカレーのレシピなど興味をそそるものはたくさんありスパイスを買う前から僕はスパイスのとりこになっていたのかもしれない。

早速僕はスパイスを購入。なんと大体のスーパーにスパイスは販売しているのだ。
まずこのことも衝撃だったし、何よりほとんどの人が知らないであろう「スーパーに売ってるスパイスでカレーが作れる!」ってことを知り、庭で新種の生物が発見されたかのような大発見だった。

カレー作りに必要な最低限のスパイスを3種類購入。
今ではネットで500gいっきに買っちゃうような「コリアンダー、ターメリック、カイエンペッパー」の3種類だ。

早速本の手順に従って調理開始。
元から何となく料理はできたので特に苦戦することなく完成した気がする。

2018/10/18 始めて作ったスパイスカレー

さて気になるお味は、
「超絶品!お店の味がこんなに簡単に作れるなんて!」
とはいかなかった。
いや別に不味かったわけではない。
なんかイマイチ味がパッとしなかった。
だがそれでもカレーの風味は感じたし何よりスパイスが織りなすその香りは今まで自分が作ってきたどの料理よりも一際非日常感を放っていた。
普通に自炊しているだけでは決して食卓に上がらないであろう料理がそこにはあった。

この特別感に僕は心を奪われ何度か練習を重ね友人たちにカレーを振る舞い、喜んでもらえたのがきっかけでスパイス料理が立派な趣味となったのだ。

改めて思うがあの時、今みたいにスパイスを仕事にしているなんて思いもしなかった。
当時将来が不安だった僕が趣味だと思って始めたことが仕事になっているのだ。まだたった4年前の出来事だけどはるか昔に感じる。
いろんなことがあったし、これからもっと大変なこともあるんだろう。
一つ間違いないのは、あの時始めた趣味が仕事になっている。
だからこその苦難もあるだろうし生活もまだまだ苦しいが自分の趣味を仕事に出来ている今に感謝している。

さて今日は久しぶりに先生におすすめのレシピを教えてもらって晩御飯のカレーを作ろうか。



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