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咲く

耐えて
咲く
涙を超えて
花の意志

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いわさきちひろさんの描く花がとても好きです。

ちひろさんのことを認識したのは高校生の時。たしか高校の修学旅行では東京文化コースを選び、自由時間に練馬にある「いわさきちひろ絵本美術館」(当時の名)に行ったのです。

作品を眺めながら、幼いころ目にした物語の絵の多くはちひろさんの作品だったことを知りました。子供心に、ちひろさんの描く子供達の独特の空氣感が深く刻まれていたようです。

この夏は、安曇野に短い旅をしました。安曇野にあるいわさきちひろ美術館を訪ねるためです。

安曇野はとても氣持ちの良い場所でした。雲が広がり空が淡いブルーグレイに煙る日、氣温は30度ありましたが、空っとしていて過ごしやすいのです。

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ブルーグレイの空に霞む山々の稜線と、稲穂の緑をやわらかに照らすこの日の日差し。眼前にひろがる美しい光景に主人もわたしもすっかりこの地が氣にいりました。

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美術館をとりかこむ安曇野ちひろ公園に植えられていた大きなひまわり。ところどころに小さな子供用の椅子が数脚並べられていました。

すっかりここで遊んでしまいなかなか本命の美術館にたどり着かない(汗)。

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ゆたかな緑がひろがる安曇野ちひろ公園は、隅々まで手入れが行き届いた美しい場所でした。子供と花が大好きだったちひろさんの想いが力を放ち、いまだこんな風に生き続けている。すごいことだなと思いました。

展示室では、彼女の作品とともにその生い立ちと苦悩の数々を詳しく知ることとなりました。

やわらかで美しい作品を生み出したちひろさんの人生を知ることで、これまで以上に彼女の作品がわたしに深く浸透してきました。

この日は、とりわけ小鳥と子供を描いた作品に心を奪われ、持ち帰りたい衝動に駆られる程でした。

館内では、海外のとある作家さんの展示コーナーも開設されていました。しかし、わたしはその作家の作品を見ようとしても見ることができませんでした。その部屋を素通りしながら、今はただ、自分の中にちひろさんから生まれた色彩が響き渡り、その世界に浸っていたいというわたしがいることを知りました。

奇しくもこの日8月8日は、55歳の若さでお亡くなりになったちひろさんの命日でした。

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美術館のお楽しみはミュージアムショップ。

若い頃氣に入って、その全てを友人への便りに使い切ってしまったポストカードセットはまだ健在でした。

今回の展示で印象に残った作品は、残念ながらポストカードになっていなかったので、いくつかある作品集の中から花の画集を選びました。

ポストカードになっていなかった、わたしの好きな作品。

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ちひろさんの作品の中でも、輪郭のない水墨画のような風合いのものがとても好きです。

昨日はじめて知ったちひろさんの若い頃の苦悩についてずっと考えてたら、だれかに似ているなと。ぼんやりとわたしの中に浮かぶ一人の女性のイメージがありました。ピアニストのフジコヘミングさんでした。

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安曇野のちひろ美術館。ここにはまたきっと来よう。

今度は人の少ない平日に。








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