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奇跡の集落、丸山物語。

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山の端の梢

山の端の梢

今日は高柳さんの命日なので、高柳さんに会いに行ってきました。

私の考えでは、今日のように天気の良い日には、高柳さんに会うことができるのです。麓から遠く見上げる山の端で、ひわ色に揺れる梢のところを移ろいながら、高柳さんは無邪気に遊んでいます。それとも今日のところは、白い雲になったのかも知れません。

平成21年の5月、高柳好徳さんは、初めて、丸山にやってきました。その谷あいの集落は、新緑のひわ色に

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集落丸山という決意。

集落丸山という決意。

古民家の宿「集落丸山」が開業したのが平成21年10月、もうすぐ9年になります。今では、地方創生の分野でとても有名な集落になりました。集落の人たちとの交流は、集落ホテルという共同事業は、いつも私たちに安らぎと希望を与えてくれます。

弊社は「古民家再生を起点にコミュニティ再生を実現する」ことを事業手法としていますが、その理念や理論のほとんど全てを、この集落丸山のプロジェクトから学びました。私たちの原

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妄想と構想のあいだ。

妄想と構想のあいだ。

私たちのチームは全員が妄想家、妄想する性向と能力を持っていると思います。「ヘンタイ」に属す。

マルクスは資本論のなかで、「人間が立ちむかうのはいつも自分が解決できる課題だけである」と書いたらしく、確かに人は、自分の能力を超えている問題の問題設定はしないものです。マルクスの言は真実を突いていると思いますが、一方で私たちは、解決できるかどうか分からない課題にも、果敢に、軽率に、挑みかかってきたように

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空き家の流動化

空き家の流動化

私たちは、集落丸山から多くのことを学びました。

それは、実際に取り組んだ者だけが得ることができる「生きた知見」です。だから、このコラムに書いたからといって本当にその知見を手渡すことはできないし、これを読んだからといって本当に受け取ることはできません。

それでも、ヒントぐらいにはなって、貴方が実際に取り組めば、貴方にとって生きた知見となるでしょう。実践者の貴方のために、ヒントを書き留めておきたい

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