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真面目に生きるのがバカらしくなった日。

この前とあるカフェに行った。

インスタで見かけて「かわいい!」と思った、カップケーキが有名なアメリカンテイストのカフェだった。

都内にあるが、駅から800メートルほど離れているカフェで、最寄り駅も地方寄りだったので行くのに迷ったがどうしても食べてみたくて向かった。

お店に着くとちょうど満席で「これにお名前を書いて外のベンチで待ってていただけますか?」と従業員(Aさんとする)に言われたので名前を書いて外で日傘をさしながら読書をすることにした。

30分くらい経っても呼ばれないので「まだ満席なのかな?」と振り向いて店内を見るとお店にはほぼお客さんがいない状態だった。

要は私は待たされた上に忘れ去られていた。

店内に入ると先ほどレジでウェイティングリストに名前を書くように言ったAさんとは違う店員(Bさんとする。たぶん店長。)がいた。

「席、空いてるみたいですけどまだ入っちゃいけないんですか?外で待っていてと言われてずっと待っていたんですけど」と言うと、慌てた様子で対応してきた。

「そのウェイティングリストに書いてる〇〇っていうのが私なんで。それ、もう消してください。」と言うと初めて事態を把握したというかんじで、申し訳なさそうにレジ対応をしてくれた。

席でしばらく待っているとBさんが「大変申し訳ございませんでした。こちら、1つ商品をサービスさせていただきます。」と2つ頼んだ商品のうち高い方の商品の代金を机に置いてくれた。

本当に申し訳ないと思っている様子だった。

そこからさらにしばらくしてウェイティングリストの存在を忘れていたのだろうAさんが商品を持ってきた。

「ありがとうございまーす」と笑顔で、全く自分の落ち度を自覚していないような表情で商品を置いて行った。(もしかしたら状況を伝えられてなかったのかもしれない。私の顔もたぶん忘れているようだった。)

飲食店で2番目くらいにやってはいけない失敗をしたAさんが平然とし、それとはまったく関係ないBさんが他人の失敗を申し訳なく思っている図があった。

別の例がもう1つある。

都内から少し離れた温泉旅館に行った時、ほぼ1番に入館した私たちが待合室で待っていたグループの中で一番最後に案内されるという(おそらく)ミスを食らった。

案内を行った従業員(Cさんとする。年配の方でこの道のベテランかと思われる。)は申し訳ございません、と形式的に謝り、後は世間話で私たちの機嫌を取ろうとしていた。(実際別に私たちは不機嫌ではなかったけど気分は良くなかった)

夕飯の時間になった時もちょっとあった。

配膳されたものの中に大きな鍋があり、デザートまで出た段階で「なんだろうね」とふと開けてみたら味噌汁が入っていた。

おそらく食事と一緒に飲むものだったが配膳の際に説明がされないまま放置されたのだろう。
お皿を下げにきたCさんに「あの・・・これは何でしょうか?」と遠慮がちに聞いたところ、「あれ、わたくし"温めて飲んでね"と言わなかった?」とキョトンとされた。

実際、言っていなかったのでおどけてごまかしていたんだと思う。

さらに「お時間あれば飲み切れるでしょう。おいしいから召し上がって」と言って何事もなかったかのように去っていった。

自分のミスに対して「まぁ、そういうこともあるでしょう」という態度で気にしていないようだった。

私は先述のアメリカンテイストのカフェから出て電車で帰る途中でぼんやりとこの旅館に宿泊したことを思い出しながら「世の中で病まずに気楽に生きていくのはAさんやCさんのような人なんだな」と思った。

私はどちらかというとBさんのようなタイプである。

他人に迷惑をかけるのが嫌で、時間や仕事や家事に対して潔癖な部分があり、自分のミスをいつまでも気にする。

ミスをしてしまった場合はお礼として何か渡したりお金を渡して解決・和解しないと気が済まない。

Bさんとはまた違うのだろうが、神経質で生きづらいタイプだと思ってる。

他人に対して誠実な故に気に病んでしまうBさんが正しいはずなのに、世の中をストレスなく楽しく生きていけるのは他人に対して(いい意味でも悪い意味でも)適当なAさんやCさんなんだ、と思うと悲しくなる。

もちろんBさんみたいな人が最終的には評価されて幸せになるという見込みは大いにあるが、そこに至るまでにBさんは結構病むことが多いのではないかな、とも思う。

こういうのって性格だからなかなか直せないし直らないんだろうけど、難しいな、と常々思う。

俳優の三浦春馬が自殺した時、「真面目過ぎる誠実な人が病んで損する世の中」という意見がちらほらあった。私もそう思う。

真面目に生きてる人ほど傷ついてしまうことが多い、と。

なんというかこれらを機に自分ももう他人に対して適当に生きていこうかな、世の中の人全員がそうだったらもう少し楽になるんじないんかな、と思った。

真面目な人ほどそれ見たことかと不満を持った相手から八つ当たりされがちだからね。

そういう性格が悪い人が世の中たくさんいることを33年生きて十分学んだから。

自分の身は自分で守らなきゃいけないし、気持ちをコントロールしていかなければならないね。

PS:ちなみに飲食店で1番にやってはいけない失敗は料理がまずいこと、だと私は思ってる。料理はおいしかったので誠実に対応してくれたBさんのためにも、またあのカフェに行こうと思ってる。(本当に料理はおいしかった!)

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