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モチーフとしての窓

昨日まで開催されていた国立近代美術館の「窓展:窓をめぐるアートと建築の旅」へ行こうと思っていたが、ついに行きそびれてしまった。

美術館や博物館の企画展で3ヶ月以上開催されているものは、まだまだ期間がある…と思っていたら、あっという間に終わっているということがよくある。これを企画展の法則と名付けよう。

建築についての知識はないが、今回の展示は「窓」をモチーフとした絵画・造形作品に加え、窓に関するあらゆる展示が行われていたので気になっていた。古代から現代まで、時代や地域ごとに多様な変遷を遂げた美術における窓と、技術の進歩とともに変化してきた建築としての窓。これらを並行して展示するというのも面白い。ほぼ全ての作品が撮影可能とのことで、そこにも興味があったのだが、図録で我慢することにしよう。

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もうネタバレに恐れることもないので、窓展へ行った人の感想をネットで探っていると、様々な人が窓に関する哲学的な感想が述べられていた。

なんでも「窓学の視点から見る窓展」というリーフレットが配布されたらしく、窓についての様々な考察が書かれているものだという。ネットで検索をしたら、ヤフオクで300円で出品されていた。正直、無料配布のものが…と思う気持ちと、それでも欲しいという気持ちが入り混じる。

さて、よくよく考えてみると、窓というものは非常に面白いものだと感じる。

窓の役割とは外と内、2つの世界を結ぶものなのか。それとも、仕切るものなのか。はたまた、切り抜くものなのか。

窓に近づけば、世界は見える広がるが視線の先は近距離を捉え、遠ざかれば見える空間は狭まるが、より遠くに視点を持つようになる。

そして、額縁効果を生む。額縁効果とは、四方を囲い、見える世界を区切ることで、より視界を安定させるもの。写真などで使われる技法だが、窓枠はこの額縁効果を生むにはうってつけ。見える世界を制限することによって、より強い印象と美しい印象を受ける。

身近にありすぎて、全く気にしたことがなかった窓だが、今後の造形創作の中で窓をモチーフにするのも面白そうだなと思った。

ちなみに、これは余談であり、私自身の備忘録なのだが、以前書いた「自分を評価するのは、いつも他人」という記事の中で挙げた4つの自分というものには、「ジョハリの窓(Johari Window)」という心理学用語として使われているらしい。

① 自分も他人も知っている自分の性質(解放)
② 自分は気付いていないが他人は知っている性質(盲点)
③ 他人は知らないが自分は知っている性質(秘密)
④ 自分も他人も知らない性質(未知)

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余裕があると油断してタイミングを逃し、手の届かないものになることは、生活の至るところにあるので、みなさまお気をつけを。

今後も有料記事を書くつもりはありません。いただきましたサポートは、創作活動(絵本・書道など)の費用に使用させていただきます。