#1 日の出前、ネパール。R53G116B146
旅先での、朝が好きだ。
目覚時計に起こされることもなく、おもむろに目を覚ます。
どこか勝手の効かない重たい布団、そして見慣れない天井。
まだ、ぼんやりとした意識の中でも、わずかに開いた
まぶたの隙間から、異世界が、僕の中に流れ込んでくる。
ーそうか、ここは旅先なんだ。
旅の間 毎朝出会えるその感覚が、いつになっても好きだ。
ゆっくりと身体を起こし、静かに窓を開けてみる。
その時になってようやく、まだ太陽が上っていないことを知る。
太陽に起こされるのでもなく、目覚時計に