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電脳病毒 #46_237

 台子《テーブル》に成員《メンバー》が囲む。劉は台子《テーブル》の端に腰を下ろす。
「各自、捜査報告を」李が一声放つ。
 時を経て、半数の報告が終わる。劉の番だ。劉は立ち上がり説明する。
「電子街で電脳病毒の軟件包装《ソフトウエアパッケージ》を入手、その編碼を破訳中です」
「何を判明させる?」
「病毒開発の成員《メンバー》を辿り、その出所を特定する」
 徐の組織全容は、未だ判明していない。犯行声明文にあった成員《メンバー》は、徐を除き全てが仮名だ。
「破訳で出所を特定できるのか?病毒の編碼に、隠された手掛かりは少ない。偽造した病毒ならば尚更だ。破訳は自ら行っているのか?」
「いえ、人に依頼を」
「誰だ?
「電脳学徒の成員だった者に」


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