メンタル不調を起こしやすい案件

どんな案件が危険?

・短納期
・炎上案件
・追加要求が多い

この記事では主にエンジニア案件を想定してますが、主に上記のようなものが受けたくない案件として挙げられているのをよく見かけます。
では、これらの案件がメンタル不調に陥りやすい案件かというと、半分合っていて半分違います。
どういうことかというと、上記の案件が今から挙げる特徴を持っている場合が多いので、半分半分というわけです。
では早速どのような案件が、メンタル不調のリスクが高いかというとこんな要素を含む案件です。

①対応終了時期があいまい
②要件定義があいまい
③クオリティに関する認識がズレている

①対応終了時期があいまい

まず①について、だいたいの案件は期限が決まってはいると思いますが、①は単純な期限の話ではありません。
例えば、納品後の追加依頼に関する期限が定まっていない場合や、修正期間や保守期間が明記されていない場合です。
やってもやっても「何か言われるんじゃないか」という不安が付きまとうので、精神衛生上よろしくないです。

②要件定義があいまい

次に②について、これは要件がざっくりである場合や顧客に詳細を問えないものですね。
例えば、ショッピングサイトを作ってほしいと言われて、詳細を尋ねても「amaz〇nのような感じ」といったざっくりとした内容しか分からない場合などです。
顧客と開発側がすり合わせできれば良いのですが、マーケティング的な希望とシステム的な実現可能性とが乖離している案件は少なくないと思います。

③クオリティに関する認識がズレている

そして③について、②は納品物の内容での乖離でしたが、③は納品物のクオリティの乖離です。
例えば、「100%エラーが起きないもの」を顧客が求めているが、システム上や契約上でそれが実現しがたい場合ですね。
これは修正期間や保守期間、補填処置などのちゃんとした契約があれば良いのはずですが、揉めていることもよく見ます。

学習性無力感というリスク要因

では、なぜこの3つの要素がメンタル不調に繋がりやすいかというと、実は共通項があります。
それは“学習性無力感”が発生するということです。
学習性無力感とは、“自分が努力したにもかかわらず報酬を得られない、あるいは損失を避けられない無力感”のことです。
具体的には、「いつまで頑張れば良いのか分からない」「どうせ評価されない」「どれだけ頑張ったって指摘される」などといった感覚ですね。
まさに①~③の案件に携わっている時に感じやすい内容なのではないでしょうか。

この学習性無力感は、うつ病や抑うつ状態の大きな原因の一つとされていて、学習性無力感を感じている期間が長引くほどうつ病になりやすいのです。

とはいえ、こういった案件を避け続けるというのは、なかなか難しいと思います。
なので上記の案件に携わる際は、対応者の人はは自責的になりすぎないよう意識して、マネジメントする人はフォローを多く行うように心がけるといったことを留意すると良いと思います。

余談

ついでに余談、というかこっちの方が知りたかった人もいるかもしれませんが、“海外に本社がある企業からの案件”、“医療福祉領域での案件”、“仲介会社が多い案件”は、上記の①〜③を含みがちなので特に留意して欲しいです。

企業によってはそれを見越して、制度や環境面で上手く対処してるところもあるんですけどね。そういう企業がこれからもっと増えると良いですよね。


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