僕の分身だった丹羽さん

【概要】
この漫画は主人公・天才少年ハッカー是枝和希(コンビニのおでんを、10分以上見つめ続けてクビになるほどのコミュ障)と、エンジェル投資家・坂井(自宅に銭湯を作ってしまう胡散臭い30代)が、システムを乗っ取られて暴走する戦闘機や、海外のテロリストによるテロの阻止など、国家を揺るがすような犯罪を、サイバー的手段で解決する物語。

そして、幾多の事件を解決するうちに、是枝くんと、依頼人やその周りの人々の間に信頼が生まれる。それがこの漫画の醍醐味の一つだ。ゲームプログラマー、警察官や、弁護士など、数多くの人たちと繋がりを形成していった是枝くん。

その中でも信頼を築くのに最も時間がかかり、それだけに是枝くんの仲間になった時は最も感動したのが、丸坊主の「丹羽(にわ)さん」だった。僕の分身とも言える「丹羽さん」。そんな丹羽さんについて、是枝くんを中心に絡めながら語りたいと思う。


【丹羽さんと是枝くんと時々僕】

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丹羽さんは、サイバー課の刑事で......よく言えば真面目、悪く言えば融通がきかない性格だ。同期の神崎刑事は、柔軟な性格で丹羽さんとは真反対のため、二人はよくぶつかっている。

ちなみに髪型は丸坊主。高校時代の僕と一緒だ。身体的分身。


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是枝くんと丹羽さんの出会いは、自動車のシステムを弄り、事故を誘発した集団の事件。

エリートであることに誇りをもち、プライドの高い丹羽さんは、警察に協力する是枝くんを敵視する。丹羽さんの気持ち、わかる。僕が中学生時代、春に入部したばかりの1年生に、サードのレギュラーをうばわれたときの気持ちも、多分このときの丹羽さんと同じ類だと思う。



丹羽さんの是枝くんへの嫌悪感は加速する。

犯人逮捕のための仕事。なのに、楽しそうにパソコンへ向かう是枝くんを見て、衝撃を受ける丹羽さん。丹羽さん自身は訓練だと思ってやってきたこと。それをまるでゲームで遊ぶ少年のような顔をされたら。自分のやってきたことが、なんだかバカらしく思えてくるだろうな。わかるぞ。ここまで丹羽さんに共感しっぱなしだ。

そして2人の尽力もあって、事件はひとまず解決。丹羽さんの是枝くんに対する目も変わるかのように思えたが......



丹羽さんの是枝くんに対する不信の炎は、より激しく燃え盛ってしまった。そりゃそうだ。是枝くんの圧倒的な能力を見せつけられたあとでは。

丹羽さんは正義の人だから、彼の犯罪を暴くという隠れ蓑で、嫉妬という感情を隠しているだけだと思う。

僕も同じことをするに違いない。自分の正しさを証明するには、相手の間違いを指摘した方が早いから。この時点で、丹羽さんは僕のペルソナ、とまで言えるシンクロぶりだった。精神的分身。もう同一人物。



続いて、闇サイトの住人を摘発する作戦で、是枝くんと丹羽さんが再び共闘。



丹羽さんは確実に逮捕するため、是枝くんを直接闇サイトの連中と接触させる作戦を強行する。少しくらい危険な目にはあうかもしれないが......くらいの気持ちだったのだろうか。僕なら、「ちょっと危ないめにあってビビってしまえ、調子のんな!」くらいの気持ちでいるだろうな。

しかしこの丹羽さんの作戦が完全に裏目にでた。なんと、是枝くんが危険に晒される状況になってしまったのだ。失策を犯した丹羽さんに、警察上層部からの激しい責任追求。


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そして丹羽さんの上司が、是枝くんの庇護者である坂井さんに、保身のための取引を持ちかける。

ここで丹羽さん正義の目が覚めた!是枝くんを救うために奔走。丹羽さんのみならず、多くの人の協力で救い出された是枝くんだったが、彼は事件の影響で入院してしまう。



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丹羽さんは是枝くん自身の犯した罪の重さと、正面から向き合うわけ。これがすごい。

僕なら逃げる。逃げて逃げて、マイアパートの部屋から一歩も出ない。だって自分のせいで、傷をつけてしまったのだから。是枝くんの顔すら見れない。名前も顔も思い出したくない。自分の心が傷つくのは何よりも怖いから。是枝くんに怒られたくもないし、失望されたくもない。

そう。ここで、僕のペルソナだったはずの丹羽さんは、見事な脱皮を果たしたのだ。おめでとう。



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ファミレスで神崎刑事、是枝くん、丹羽さんの3人で、サイバー犯罪を取り締まるための新しい武器を考えるほど。

信頼を深めている是枝くん&丹羽さん。

是枝くんはサイバー的な話を理解できる丹羽さんと話すのがとても楽しそうで、丹羽さんも是枝くんの才能を認めている描写にほっこり。


一見、丹羽さんの変わりぶりはすごいように思えるけど、もともと持っていた心を、どこかに忘れてしまった心を、取り戻しただけなんだな。実は。

僕にも丹羽さんと同じように、正義の心が眠っていることを切に願う。

途中まで一緒だったんだから、あると思う。あってくれ。頼む。

もし正義の心があってくれたなら、後輩に借りてる5万円を全額返そうと思えるのに。


終わり......











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