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「初動力」ある子が、結果を出せる時代

最初の一歩を踏み出せる能力を、私は「初動力」と呼んでいます。

あらかじめ成功するイメージが持てなくても、正解できるなという見通しが立たなくても、「きっとやってみたらいろいろわかってくるはずだ!」「僕なら・わたしならできる!」と思えることがはじめの一歩を後押ししてくれます。

子どもたちにはこの「初動力」を身につけてほしいと思っています。

日本のような成熟した社会は、次になにを目指す?

これからの日本社会はどうなっていくでしょうか。

かつての高度経済成長期のように、自動車や家電といった特定の工業製品で国全体が潤っていくという未来は、もう想定できません。

バイオやAIなど大きく成長しそうな分野はありますが、日本のような成熟した社会では、既存の産業のなかで「あんなものがあったらいいんじゃないか、こんなものもおもしろいんじゃないか」という、小さなイノベーションがさまざまな分野で起きている、という状態を活性化させるほうが、社会も個人もより豊かになるように思います。

日本のように経済や社会制度が発展し、必要な物やサービスが充実している成熟した社会が、目指すべき次のステージです。

小さな豊かさがいっぱいの社会で活躍するための力

そして、そこで求められる人材は、初動力の高い人だろうと思います。

「とりあえず手を動かしてみる」「走りながら考える」という力=初動力の高い人が活躍する時代になるでしょう。

あらかじめ先が見通せないと手が動かないという子は多くいます。

しかし、よくわからないことがたくさんあって、複雑で構造を理解しきれないなかでも模索し、振り返って学び、また次に生かしていけばいい。

そんな人生観を身につけられれば、まず「走り出してみよう」と思うことができます。


学校での勉強や受験を乗り越えるための能力と、初動力は一致しない点が多いと思っています。

学歴はあったほうが多くの機会を得やすいですし、良い学歴を取得するために努力と工夫ができる人だという時点で、能力が高いと言えます。でも、それだけでは足りないのだということです。

ものすごく勉強できる子が陥りがちなこと

何か問題解決をするとき(例えば少子化問題やSNSの活用リスクなど)、考えたり分析することは重要ですが、ある程度から先は考えてもあまり意味がありません。

〝ものすごく勉強ができた〞という人は、自分ですべてのことが見通せるはずだと勘違いすることがあるように思いますが、それは無理です。

〝いまの自分には見通せないものがあって、そこはやってみないとわからない〞という姿勢が大切です。この原体験を子どものうちに体験してほしいのです。

スタートして試行錯誤する

スタートさせてみて、さまざまな反応を見ながら何が問題なのかを考えていく。

ときに手法を変えたり、視点を変えたりしてやってみる。

そういった試行錯誤を繰り返していくことで、だれかに喜んでもらえる新しいものをつくりだしたり、状況を打開できるでしょう。

「できると思えないと動けない・・・」ではなく、
「きっとやりながらできるようになる!」という態度です。

このような力を子どもたちに育むために私はSTEAM教育に取り組んでいますが、スポーツや音楽などでもよいでしょう。その子に合ったジャンルがあるはずです。

「いつも良い点を取る」ばかりでなく、
「初動力を育んでいる」という視点も持って子どもたちに関わっていってほしいと思っています。




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