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賢さ=学力??

「賢い」=学力と とらえている保護者の方は多いと思います。

学歴をゴールとするならそれでもよかったです。

ですが、アクティブラーニング入試やSTEM入試など、受験では思考力や表現力を試される方向に変わってきています。

これまでのような、
「この問題はあのやり方で解けばいいんだよね」というパターン攻略をたくさん詰め込むだけでは乗り越えられないでしょう。

そして何より、複雑な社会で仲間とともに問題解決に取り組んでいくのに、
”学力だけでは通用しない”
ということは多くの人が感じていることと思います。

私はぜひ保護者のみなさんに、「賢さ」を再定義してほしいと思っています。

学力以外にも大切な力があって、それらを含めて賢い子と捉えてほしいのです。

では、学力以外にはどんな力が大切でしょうか?

いろいろな教育理論がある

ヴィリングを創業した2012年当初、脳科学や発達心理、世界中の教育メソッドについていろいろ情報を集めました。

様々な理論がありますが、はじめに「なるほど」と思ったのは、
「多重知能(Multiple Intelligences)」という理論です。

ハーバード大学教育学大学院教授のハワード・ガードナー教授が提唱するもので、おおまかにいうと「人の能力を8つに分類して、それぞれを高めていく」というものです。

言語能力や空間認知、音感能力、運動能力などです。

「8つの脳」とも呼ばれるもので、多くの教育サービスがこれを参考に取り組んでいることがわかります(教育会社のwebサイトによくでてきます)

新しい賢さは6Cs(シックスシーズ)

多重知能(Multiple Intelligences)はわかりやすいですし、バランスよく育む基準にはなると思いますが、脳はここまで単純に区切れるものでもないため私は少し違和感を感じていました。

このほか、IB(国際バカロレア)のPYPプログラムが提供する「学習者像」や「21世紀スキル」、レッジョエミリアやモンテッソーリなどもなるほど~と勉強になる理論ですが、「これからの新しい賢さの指標」という点で最も共感したのが「6Cs」という理論です。

キャシーハーシュ氏が提唱する学習理論

6Csを知ったのは2016年12月11日に内田洋行さんの本社で開催された教育イベントです。

ここに、6Csを提供する米国の発達心理の研究者「キャシーハーシュ氏」が登壇されたのです。

キャシーハーシュ氏は発達心理の世界では大変有名な方で、
『Einstein Never Used Flash Cards』という書籍は世界中に翻訳され、
優れた心理学書に贈られる「Books for BetterLife Award」を受賞(2003年)されています。

しかもこのイベントでは、キャシーハーシュ氏が翌年(2017年)に日本で発売する書籍「科学が教える、子育て成功への道」(扶桑社BOOKS)の翻訳を担当している慶応大学の今井むつみ先生(認知科学の第一人者)と市川力(当時、東京コミュニティスクールの校長)のお二人と一緒に登壇されたのです。

なんと豪華なイベントでしょうか。
(そのイベントの様子↓ マイクを持っているのがキャシーハーシュ氏)

6つのCとは

キャシーハーシュ氏が提供する6つのCとは以下です。 
 1.Collaboration =協力してつくる力
 2.Communication =伝える力
 3.Content =学力
 4.Critical Thinking =批判的に考える力
 5.Creative Innovation =創造する力
 6.Confidence =失敗を恐れない気持ち

学力(≒知識と論理的な思考力)ももちろん入っています。
しかしそれは6つの大切な力のうちの1つにすぎません。

仲間とともにつくるコラボレーションや、伝える力、ゼロベースで考える力や創造力、そしてチャレンジするマインドも組み合わさって「賢い子」というわけです。

私はこれにとても共感しました。
ほかの学習理論よりも実践的なところが特徴だと思っています。

ヴィリングが運営するスイッチスクールやステモンでは、これを指標にスタッフたちがカリキュラム開発や言葉がけを行っています。

学校の通信簿では、どうしても『3.Contents』で評価されがちですし、
親もここに目が行きがちです。

しかしそれ以外にも大切な力があり、バランスよく育むことが大切なのです。

「賢い=学力が高い」ではなく、「賢い=6Cs(シックスシーズ)」と捉えなおしてみてください。

すると、子どもが失敗を恐れずに何度も挑戦する姿が一生懸命伝えようとしているつたない様子も、「いま賢くなるための鍛錬をしているのだな」と見守れることと思います。

STEMで6Csを育む

このイベントでキャシーハーシュ氏はSTEM教育の有効性についても触れていました。これを聞いてますます私は、「やはりSTEM教育を選んだのは間違いではなかったな!」と安心したのです。

(当日の配布資料)

なぜSTEMがよいのか?
それは手を動かし仲間とつくりながら考えることで、
 1.Collaboration =協力してつくる力
 2.Communication =伝える力
 3.Content =学力
 4.Critical Thinking =批判的に考える力
 5.Creative Innovation =創造する力
 6.Confidence =失敗を恐れない気持ち
が網羅的に育みやすいということだとおっしゃっていました。

私もステモンに通う子供たちを見てまさに実感しています。
いまこそ賢さを再定義しましょう。


ありがとうございます!