二つの茶碗
少し肌寒い季節。
外では冷たい雨が降っている。
机の上に、茶碗が二つ。
片方は、ちょっとおおめ。
片方は、ちょっと少なめ。
自然に調整されたその量に、やさしさが宿る。
平和が満ち満ちている。
日に干したシーツ
床に置かれた財布
出しっ放しの服
とても小さな特徴がたくさんある。
少し茶色い目
跳ねやすい髪の毛
うれしいと揺れる癖
顔が曇るときもある。
いつも迷っている。
いつも考えている。
どこか自信がない。
そんなことは誰にでもある。ぼくにだってある。
ときより見れる笑顔に、いままでの人生が積み重ねられている。
二人が揃うと、色々なことが起きる。
頼られたら頑張ってしまう健気さ
切り替え下手で困ってしまう不器用さ
見失いがちな愛
不揃いな二人、歩き方が違う二人、すきなものが違う二人。
今日も机の上には、二つの茶碗。
片方は、ちょっとおおめ。
片方は、ちょっと少なめ。
*
あとがき
今回のnoteは個人的には新しい挑戦です。読んでいただいた感想をぜひぜひお聞きしたい。
最後まで読んでいただきありがとうございます。