手紙|拝啓、社会人1年目の私へ。

お元気ですか?

毎日朝早く起きて、夜遅く寝る生活が続いてますね。土日もなく、ただただ仕事に熱中する日々を過ごしていますね。

そんな必死な生活を送っている社会人1年目の私へ、手紙を送ります。


必死にPDCAを回してほしい

何もできなかったけど、人にだけは恵まれて、当時の上司から厳しくも的確なアドバイスをたくさんもらっていますね。

「お前の意思はこの仕事のどこにあるんだよ。伝書鳩ならいらないぞ。」

ディレクションをしていたとき、クライアントと発注先の間に挟まれてしまい、どちらの言い分も大切にしすぎて、自分の意見がなくなっていましたね。

大変だとは思いますが、関係者全員が共通して目指せるゴールを模索するというPMにおける一番大切なことを学べる機会なので、諦めないで乗り切ってください。

「事業をどうしたいのか、もっとはっきり描かないと誰にも伝わらないし、誰もついてこないよ。」

マネージャーをやらせてもらったとき、ビジョンが描けずに叱咤してもらいましたね。

未来を描くことは難しいですが、自分が心から良いと思えるビジョンを胸に秘めて、一生懸命周りに伝えてみてください。他の人と一緒に目標を目指すことができる、なかなかできない貴重な経験です。

もらった言葉をもれなくノートにメモしていましたね。さらに同じミスは繰り返さないように、学んだことを次に活かせるように、気をつけていましたね。

そのPDCAを回す習慣は、仕事をする上でとても重要です。ぜひ継続してみてください。必死に継続するうちに気づけば遠い所まで連れて行ってくれるから。


弱い自分を受け入れてほしい

どんなことをするにも自信を持つことができませんでしたね。

経験がないから。
実績がないから。
自分よりもできる人をたくさん知っているから。

ただ、いまならなんとなくわかります。

自信があるように見えていた人も実は不安なこと。
不安でも前に進まなければいけないこと。
不安な中、意思決定することの大切さ。

だから、自信がない自分を否定しないであげてほしい。何もない中で必死に努力しているから。

経験がない中で上手くできないのは当たり前です。真面目で誠実な君は、悔しがって自己否定してしまうかもしれない。

けれど、どうか弱い自分を受け入れてあげてほしい。苦手な部分と弱い部分に向き合ってほしい。できない自分も含めて、自分なのだから。

自分にやさしくしてほしい

何もできなかった自分にもプライドがあって、弱みを見せることができませんでしたね。

自分をさらけ出すことができないことは、良い点でも悪い点でもありましたね。

良かった点は、

できないとわかっていても「できます」と言ってから、考えて、できるようになったことがたくさんあること。

限界だとわかっていても「やります」といったから、たくさんの機会に恵まれたこと。

それによって得られる経験とスキルは、将来の大切な宝になるから、決して無駄ではないよ。

ただ、その強さは弱さでもありましたね。

体にも精神にも、負荷は大きくかかっていたこと。

抜き方や休息の仕方をよく知らないまま、倒れるまで努力してしまったこと。

自分を労わる時間も大切なのに、常に成長するために負荷をかけ続けることが正義のように感じていましたね。

そのまま続けると身体を壊すことになるので、どこかで自分にやさしくあげてほしいです。壊したことがないとわからないかもしれないけど、身体的にも精神的にも崩れるということは、本当につらいから。


間違ってもいいから意思決定してほしい

どんな選択をするかよりも、選択した先で精一杯努力することが大切です。

正しい意思決定ができるように尽力するべきですが、どんなに賢い人でも常に正しい意思決定ができるわけではありません。

なので、意思決定をせず流されてしまうくらいなら、間違ってもいいから自分の意思を尊重した意思決定をしてください。

参画したい事業の選択。
上司との議論。メンバーとの対話。
戦略的に重要な施策の実施検討。

どの選択もできるかぎり納得いくまで考えて、決断をしてください。

失敗したらそこから学べばいい、成功したらそれに奢らず継続すればいいから。


一瞬の機会を掴む準備をしてほしい

成長してゆく中にも不安を感じていましたね。

自分の内側が空っぽのような感覚があり、それを見たくないから目の前のことに脅迫的にのめり込んだかもしれないですね。

その不安は、そのままでもいいです。

その結果、得られた友人がいて、尊敬する上司ができて、大切なメンバーとも出会えて、得られた経験やスキルがあります。

どんな状態でどんな気持ちであれ、目の前のことに集中して真摯に向き合えた経験はこの先の人生を支えてくれます。

だからどうか、現状否定して斜に構えて何も行動を起こさない人にならないようにしてください。

機会は、掴みたいと思っている人の前だけに一瞬だけ現れます。その一瞬の機会を掴める準備を怠らないでください。


体と気持ちのメンテナンスをしてほしい

成長している苦しい期間は、成長を自覚することは難しかったですね。

それでも、日々後悔することがないようにやり切る努力を続けていましたね。それは本当に素晴らしいことです。ぜひ継続してください。

ただ、身体を壊して倒れてしまうことは、周りの人に心配も迷惑もかけてしまいます。やさしい周りの人はあなたには直接言うことはありませんが、色々なことを思うでしょう。

そして、何よりも自分が一番苦しいのです。やりきれなかった悔しさ、間違えてしまった後悔を抱えることになります。

だから、身体を整える習慣を身につけることをおすすめします。よく食べてよく運動してよく寝て。メンテナンスを習慣にするとともに、体や気持ちの変化に敏感になってあげてください。


挑戦に寛容で常に前向きでいてほしい

色々な困難や苦しいことがありますが、安心してください。26歳の自分から振り返ってみても、後悔の残る選択は一つもありません。

より賢い選択はたくさんあったようにも感じますが、いつも自分なりに精一杯考えて悩みながらも、常にチャレンジングな選択ができています。

挑戦に寛容で常に前向きな姿勢がもたらしてくれる機会と成長は、ゆくゆくの自分を助けます。どれだけ迷っても悩んでもいいので、その真摯な姿勢は大切にしてください。


自分の人生を楽しんでほしい

「自分の人生に責任を持てるのは、自分だけ。」

この言葉がすきです。

強さと厳しさの二つの側面があります。ただ、ヒリヒリするような責任を持つからこそ、喜びや悲しみをダイレクトに受け取ることができると思います。

これから先の人生で起こる出来事は自分の見方一つで、良くも悪くも映ります。

順調なときも困難なときも、常に楽しむ心を忘れずに、自分の人生のオーナーシップを持って、これからも頑張ってください。




追伸:

どうせ無理すると思うけど、ほどほどにね。生きてさえいれば、なんとでもなるから。


最後まで読んでいただきありがとうございます。