2回札幌4日目第11競走 第60回札幌記念 予想 



※レース概要

1965年に3歳以上ハンデ戦として創設され、第1回は札幌競馬場の
ダート2000mで行われた。それまでの札幌競馬場は芝コースが無く
芝コースで同レースが行われるようになったのは、札幌競馬場に
芝コースが運用開始された1990年からの事になる。
また負担重量はハンデ戦から1997年に別定重量となり、2006年から
実績馬の出走を促す観点で定量戦に変更された。

※コース概要

4コーナー奥のポケットからスタートし、コースを一周する。1角までは
380mと十分で外枠側でも先手を奪うことは難しくない。
コース全般にわたって起伏が無く平坦で、4つのコーナーが全て大回りと
ペースが緩みにくいのが特徴で、平均して速いペースで流れる事が多い。
また札幌競馬場はJRA初の洋芝馬場だったこともあり、暗渠排水管や
上層路盤の水はけの良さも相まって、同じ洋芝ながら函館競馬場より
速い馬場となる。
また1990年から2023年までの間で芝が不良になったことは一度もない。

※好走馬の条件

基本的に内枠有利

札幌記念の過去10年における枠番別複勝率を見ると1枠が46.2%と断トツの
数字を叩き出す。以下2枠~6枠は20%~25%で推移し、7枠10.0%に
8枠15.0%と極端な外枠は苦戦傾向だ。
また7、8枠の合計成績は3-1-1-35で6番人気以下の馬がこの枠に入った
場合の成績は0-0-0-27と全頭が着外となっている。
ここでの注目は4枠の成績で、複勝率10.5%と極端に低いのには注意して
おきたいところだ。

上位人気馬が順当に走るが1番人気は12連敗中

実績馬でも斤量の重くならない定量戦。実績上位馬、人気上位馬が
順当に走る。過去10年では1番人気が0-4-3-3。2番人気は5-1-0-4で
3番人気は2-0-0-8だ。勝ち馬は6番人気までの馬で、複勝率から見ても
7番人気以下は数字がかなり落ち込む。
注目は1番人気の成績で2012年からなんと12連敗中である。
この連敗記録に関して、筆者は明確な回答を持ち合わせていないが
2年連続で1番人気は馬券内にも入っていない。2022年のソダシは
明らかに過剰人気が生んだ1番人気だったが別の要因もあるだろう。
これは想像だが、この札幌記念は定量戦ともあって実績馬が秋に
向かっての始動戦として出走することが多い。大目標はあくまで秋なので
この札幌記念はいうなれば肩慣らし。
そのトップクラスの馬に対して、メイチ仕上げで挑んでくる第2グループが
本気度と仕上げの高さで上回るのでは?と見ている。

前走G1組中心

以前は国内G3組の好走も良く見られたが、過去6年のG3組の成績は
0-0-2-29と好走しても3着どまりで、中央G1組4-5-3-17、海外(G1)
1-1-1-8が中心となっている。
今年は前走OP特別以下やG2からの出走登録は無かった。
海外を含むG1組をもう少し精査してみると、複勝圏内15頭中で
前走連対していたのは3頭、14着以下からの巻き返しが2頭で
残す全ては4~8着だった。
海外G1組については日本と地理的に近く、また馬場特性も似通っている
香港組を順当に評価すべきなのは言うまでもない。
またこの組で古馬になってから2200m超のレースを勝っていたのは
2頭しかいない。なお前走海外組の3頭は2000mのG1で3着内実績があった。

※注目馬

8番プログノーシス

言わずと知れた昨年の札幌記念で4馬身差の圧勝劇を演じた。
その後の天皇賞秋でも3着に好走し、2走前の金鯱賞でも内から力強く抜け出して2着のドゥレッツァを突き放してのゴールと、実力は疑いようがない。
クイーンエリザベスⅡ世Cでは出遅れをカバーしての2着で、その時の
勝ち馬は安田記念を制したロマンチックウォリアーだった。
捲り気味で上がってこれる脚は札幌競馬場との相性も良く、天皇賞秋での
好走もその裏付けと言える。
現状で割り引く材料が無く、しいて言えば1歳年を取った位。
勝利に最も近い馬と言えるだろう。

12番シャフリヤール

アメリカ遠征から帰っての出走となった有馬記念では内枠を生かしてインを
追走するも勝ち馬から0.3秒差の5着。ドバイシーマCでは日本馬最先着の
2着とした。しかしながら昨年の札幌記念では11着と大敗。馬場状態が
稍重だったとはいえ、さすがにこれは負けすぎといえる。
道悪適正は無いに等しく、不良馬場の神戸新聞杯ではステラヴェローチェの
後塵を拝した。尚且つ直線が長くないと良さが生きないタイプで、札幌競馬場は基本的に合っていない。
昨年ほどは負けないだろうが、人気によっては切るのも選択肢だ。

13番ボッケリーニ

8歳を迎えても堅実な走りを続ける実績馬で、なんと2着12回と勝ちきれないが展開に左右されない自在戦を得意とする。
明らかに中距離向きで、高速決着が想定される今年の札幌記念では、流石に
厳しい戦いを強いられる可能性が高い。
ただ道悪適正は相当なもので、当日の馬場状態が渋めになり時計が
掛かるようになると、中距離馬のこのう馬の一発があってもおかしく無い。

ジオグリフ

中山記念、大阪杯、安田記念と大きく負けてはいない。皐月賞以来勝ち星から遠ざかりしばらく試行錯誤が続いていたが、ここにきて復調の兆しを見せ始めてきたといえるだろう。
2歳時の札幌2歳Sで圧勝したように洋芝適正に関しては問題なく、今年の
札幌記念が1分59秒台で決着するような速い時計なら、本質的にマイラーであるこの馬が巻き返す可能性は十分にある。
しかしながら母のアロマティコは、小回り特化のアンデスレディー一族。
コーナーを減速せずに回れる小回り適正が高く、コーナー角が比較的大きい
札幌競馬場では良さが十分に生きいないのでは?と不安が残る。

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前走エルムSからの臨戦で札幌記念に挑む。いうまでもなくエルムSはダートであるが、この1回ダートを挟むのは矢作厩舎のマジックローテーション。
芝馬を敢えて成績度外視でダートで使い、砂を被らせることで先行力を
引き出す。次走は芝に戻し先行させそのまま粘りこむという仕組みだ。
前回の根岸Sでは見せ場なく12着大敗だったが、続く阪急杯では3着といきなりの好走を見せた。父キングカメハメハ×母父アグネスタキオンと
道悪適正は高く、なおかつ高速決着にも対応できる。
穴を開けるとすればこの馬だ。

※今回の予想印


  • ◎11番プログノーシス

  • 〇2番ジオグリフ

  • ▲9番ステラヴェローチェ

  • △12番ノースブリッジ

  • ×1番ドゥラエレーデ

  • ×3番ボッケリーニ

  • ×5番チャックネイト

  • ×7番ホウオウアマゾン



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