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生米からつくる『豚粥』のレシピ 2021/05/13

お粥研究家 鈴木かゆ

豚の脂が旨味と化す……!お皿を舐め回したいほどおいしいおかゆができました。

ふだん割と綺麗な言葉を使う夫が「うめぇ」と申しておりました。

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変わった食材や、高級な食材を使ったわけではないのです。おいしさの秘密はちょっとした2つのコツ。

1つ目は、豚肉に焼き目をつけること。豚肉からの肉汁の流出を防ぎ、焦げた脂が香ばしいお出汁となります。

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2つ目が、豚肉を焼いたお鍋にお米を入れて、旨味を全部吸わせること。

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旨味を一滴も逃しません。

このたった2つのコツで旨味が爆増!お昼ごはん、晩ごはんの主役になれるほどの「うめぇ」おかゆです。定番おかゆに決定。

焦げ目がポイント『豚粥』のレシピ

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調理時間:約1時間
目的:疲労回復、滋養強壮、美肌

【 材料 】(2人前)

 ▶︎ 米       ・・・1/2合
 ▶︎ 水       ・・・800ml
 ▶︎ ごま油     ・・・大さじ1
 ▶︎ 豚バラブロック ・・・100〜150g
 ▶︎ 生姜      ・・・1かけ
 ▶︎ ネギの青いところ・・・1本分
 ▶︎ 塩       ・・・小さじ1
お好みで
 ▷ 韓国唐辛子

*豚バラブロックは一口大に切れているものを130g使いました。

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*アクセントとして韓国唐辛子を乗せました。韓国唐辛子は日本の唐辛子よりもずっと辛味が少なく、甘みのある唐辛子です。

キムチ鍋やスンドゥブなどの韓国料理を作る際にちゃんと韓国唐辛子を使うだけで、途端に本格的なお味になります。何かと便利なちょい足し食材です。

*韓国唐辛子の他にも、黒胡椒、おろし生姜などもおすすめです。

【 作り方 】

①米を研いで、表面を乾かしておく。ネギの青いところを3cm幅に、生姜を薄切りにする。厚手の鍋にごま油をしき、豚肉に軽く焼き目をつける。

②一度火を止めて米、ネギ、生姜を入れてよく混ぜる。水800mlを入れる。フタをせずに中火にかける。

③ふつふつと沸いたら、鍋底から米粒をはがすようにおたまでゆっくりまぜる。弱火に30分かける。

④塩で味をととのえる。鍋全体をゆっくりとまぜて火を止める。フタをして10分蒸らす。器に盛りつけたら完成!

【 作り方 (詳細)】

①準備

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米( 1/2合 )を研ぎ、表面を乾かしておきます
後ほど焼きたての豚肉が入った油ギッシュなお鍋にお米を投入するため、あまりにびしゃびしゃだと水が飛び跳ねて大変危険です。ザルでしっかり水を切り、空気に触れるようにして、米の表面を気持ち乾かしておきます。

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生姜は薄切りに、ネギは3cm幅に切ります
生姜もネギも臭み消しの役割で入れました。

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厚手の鍋にごま油(大さじ1程度)をしき、豚肉に軽く焼き目をつけます
よ〜くお鍋を温めてから油を入れて、お肉を焼き始めたのですが、脂身の部分がお鍋にくっついて焦りました。後の工程で水を入れたらスッとはがれて、焦げの部分もいい風味を出してくれました◎ 結果オーライです。

豚肉を焼いてから煮込む方法は、角煮の作り方を参考にしました。旨味を閉じ込めてくれるうえ、臭みを抑えてくれる効果があります。

②中火

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お肉に焦げ目がついたら、一度火を止めます。米、ネギ、生姜を入れて、よく混ぜます
用意をしていた具材をお鍋に入れます。この時点で成功を確信すると思います。本当に良い香りなのです……!

お米に油分を絡ませることで、お米の粘り気を抑え、サラサラ〜っとした口当たりに仕上がります。油を旨味として活かすやり方は、中華粥から学びました。中華料理は油の使い方が本当に上手ですよね〜。

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具材を混ぜたら、水800mlを入れ、沸騰するまでフタをせずに中火にかけます。
焦げつかないようにお鍋の中心と火の中心を合わせます。アクは最後に上の方に固まるため、この段階で取り除かなくても大丈夫です。

手間のかかる作業はここで終わりです。あとはコトコト煮込むだけ!

③弱火

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お鍋の中がふつふつと沸いたら、鍋底から米粒をはがすようにおたまでゆっくりまぜます
底にくっついた米粒をそっとはがします。今回は油を使っているため、ほとんどくっついていないかと思います。念のため焦げつき防止にかき混ぜておきます。

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箸を渡してフタをして、弱火に30分かけます
お箸をかませてフタをすることで、ふきこぼれを防止しつつ、水気が飛びすぎるのを防ぐことができます。いじりたくなりますが、あえての放置。混ぜずに開けずに、じっと待ちます。

④仕上

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弱火に30分かけたら、さっとアクをすくいとります。
表面に固まったアクをすくいとります。

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塩( 小さじ1)で味をととのえ、火を止めます
今回はしっかり目に味をつけました。

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フタをして10分蒸らします
蒸らし時間におかゆがふっくらとして、味が馴染みます。少なくとも5分は蒸らします。

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おかゆを器にもりつけたら完成です

なんじゃこの香り〜!絶対おいしいやつ……!

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写真が暗くておいしさが伝わりにくいのですが、おかゆのベースの色が黄色っぽくなっているの、わかりますか?

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ごま油、豚の脂の焦げの色です。初めの一手間が味を作っているんですねえ……

コッテコテなお味になるかと思いきや、口当たりはさらり。

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あ〜うまい。あ〜〜たまらん。……と、「あ〜〜〜」が出てくるおいしさでした。

あ〜〜〜〜また食べたい……!

豚肉ってすごい

豚肉は疲労回復効果があると言われています。

豚肉に含まれる「ビタミンB1」の働きがその理由。疲れのモトである乳酸が身体に蓄積するのを防いでくれるのだそうです。豚肉に含まれるビタミンB1は、鶏肉や牛肉など他のお肉の5倍とも10倍とも。

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さまざまな食材と合わせやすいのも魅力的です。冷えが気になる日は生姜を増やして、特に元気が欲しい日は高麗人参を入れて……と、ちょいと一工夫。大根やきのこ、お豆腐もいいですね。

おいしくて、元気になれて。豚肉ってすごいです。

今週のおかゆ

2021年第19週目(2021/05/10〜2021/05/16)のおかゆのテーマは『ととのうおかゆ』。

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「あ、風邪ひきそう」「生活が乱れ気味かも」と自分の違和感に気づいたときに、すぐに自分をチューニング。「ととのった〜!」と明るい気分になれるようなおかゆを目指す一週間にします。

5月10日(月) 何度でも食べたい『中国風ニラ粥(韮菜粥)』
5月11日(火) 潤いチャージ『松の実粥』
5月12日(水) リッチな気分になれる『まるごと芋粥』
5月13日(木) 焦げ目がポイント『豚粥』
5月14日(金)
5月15日(土)
5月16日(日)

どんなおかゆに出会えるかたのしみです。
ごちそうさまでした!


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