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代表取締役退任のお知らせ。そして、SMOUT(と松原)はそれぞれ次のフェーズに進みます!

本日7月1日付で親会社・面白法人カヤックが対地域事業をもっと盛り上げよう!という決意のもと、地域事業を展開する子会社を吸収合併すること発表いたしました

これに伴い、カヤックLivingも、そしてSMOUTも、面白法人カヤックに合流いたします。

そして私個人は、これを機にカヤックLivingの代表を退任し、今後は少し離れて外からゆるやかに応援していくことになりました。直接ご挨拶をしていない多くの皆さま、この場を借りてのお知らせとなったことをお詫び申し上げます。※メンバーのほとんどはカヤックに移りますので地域のみなさま、ご安心くださいね。

カヤックLivingの設立からは約3年、そしてSMOUTをリリースしてからは2年。一緒にここまで盛り上げてくださった皆さま、本当にありがとうございました。

ひとつの節目なので振り返りを、そしてこれからの事を記しておきます。

SMOUTと共に歩んだ2年間

SMOUTを立ち上げる事になったのは、約3年前。自身が移住を志していた、という経緯もあり「移住領域の新規事業の立ち上げ」がミッションだったカヤックLivingの代表に就任し、2018年6月4日にSMOUTをリリースしました。

SMOUTを知らない人に向けて簡単に紹介します。「すまうと」と呼びます。

地域に移住をしたい人がいて、かたや都市部の活気ある人に来て欲しいという地域がある。その両者をマッチングする出会い系サービスです。

移住をしたい人はプロフィールややりたいことを登録して待ちます。すると、地域の人から、ある日スカウトメッセージが来ます。ただ、1万人の移住希望者から自分の街に合う人を探すのは大変なので、まず地域の人にはこういう人に来て欲しい、こういう町だよ、と情報をプロジェクトとして書いて発信してもらいます(だっていきなり〇〇村に来てと言われても、どこかも何をすればいいかもわからないでしょ?)。それに対してゆるーく興味あるよと意思表示をすることが、移住したい人が存在をPRする方法となります。まったく興味がなさそうな人に声をかけるのは、恋愛でもハードル高いですからね。

私自身も移住を志した経験から、移住の決め手となるのは、仕事よりも住居よりも、知りあった人からの「来なよ!」の一言だと思っていました。そういう繋がりがある安心感が、移住希望者の背中を押すに違いないと考え、人と人との出会い系移住サービスになりました。

実際の出会いまでを私たちはプロデュースしません。オンライン上での繋がりとコミュニケーション(チャット)の場を提供する裏方です。地域ってやっぱり遠いんです。距離のハードルはある。だからこそ、インターネット事業者である私たちは、会う前の関係性をつくることを目指してきました。

そしてリリースから2年が経ち、SMOUTを使って移住したり、関係人口になったりした人もたくさん現れています。私も米国のポートランドに移住をしました。

移住をしたい人は、本当に千差万別です。移住者の希望も、欲しいものも人によって違う。だからオンラインでコミュニケーションして、距離を近づける、ということは大事なステップです。そして今年になりCOVID-19の感染拡大が起こり、オンラインによるコミュニケーションの重要性はますます高まりました。すぐに地域に行かなくても、まずはオンラインでお互いを知り合うところから初めて、相手をしっかり見て関係性をつくる。その過程でSMOUTを活用して欲しいと思っています。

大好きなSMOUTを離れる理由

誤解を受けたくないのでしっかり書きます。SMOUTは私にとって子どもみたいなもの。可愛くて可愛くて仕方がありません。今もリリースした時と変わらずたくさん愛情を持っています。そしてCOVID-19により移住に興味を持つ人は増え、ここ最近はユーザー登録数も右肩あがり、問い合わせも急増しています。

そんな盛り上がっている最中(最中だから?)、離れることを決めました。

それにはふたつの理由があります。

ひとつめの理由は、個人的な思想の話です。私が、今は鎌倉ではなく、このポートランドの土地で暮らしていきたいから、暮らしで住む場所を選びたいから、です。

暮らす場所を仕事で選ぶのではなく、好きな場所に暮らして仕事を調整していく。仕事も暮らしの一部だから。そう思って、それに挑戦するために移住をしました(私の移住経緯はこちらに書きました)。そして2020年になってからコロナやプロテストなど想定外の出来事もありましたが、今の暮らしをわりと気に入っています。リモートでも仕事ができることも(多くのみなさんがコロナで気づいたように)わかりました。

一方、親会社カヤックが総力を上げて地域を盛り上げよう!と決意し、子会社のサービスだったSMOUTやまちのコインを集結することにしました。「地域資本主義」を謳い、企業、住民、行政みんなで地域を盛り上げていくことが地域の活性につながるとしているカヤックです。また、職住近接でメンバーの鎌倉への移住を推奨していますから、そのカヤックのバリューを重視するならば、マネジメント層やそれに近いメンバーは鎌倉に揃うべきだしそうやって事業を盛り上げる(自分たちが鎌倉という街で地域づくりを実践しながら)、それがしかるべきだと思います。

が、わたし個人はもう少し、このポートランドの土地で家族と一緒に自分の暮らしをつくって、ある意味手応えを感じていたリモートワークにもリモート経営にも挑戦し続けたい、と考えました。

これがひとつめの理由です。

ふたつめ。これは私のミッションにひと区切りついたと思えたから。です。

「新規事業の立ち上げ」。これがミッションでした。SMOUTは今、約350の市区町村が使うサービスとなりました。全国で市区町村は約1800あります。その20%、たかが20%と思うでしょうが、すべての地域が移住促進に積極的なわけではありませんから、これは小さくない数字です。そして1万5000人の移住希望者がサイトに登録して移住のための出会いを待っています。毎月約50個の新規の移住募集プロジェクトが入ってきています。

最初の企画段階から一緒に走ってきたメンバーは私を含めていま4人います。悩んで、挑戦して、失敗しても走り続けて、仲間がどんどん増えて、今では、私以上に(悔しいけれどw)SMOUTのことを考え、愛しているんじゃないか、と思うメンバーがたくさんいます。

愛読する「宇宙兄弟」に出てくる、主人公の恩師ともいえるシャロンが発したこんな言葉があります。

「個人の願いが集まって・・・”みんなの夢”って呼べるようになったら それはきっと叶うわ」

数名で立ち上げたサービスが、「みんなのSMOUT」になった。もちろん、COVID-19の感染拡大のように、どんな事象がこれから起こるかはわかりません。でも、現時点ではきっと大丈夫、そう思いました(私都合の解釈なところもあるかもしれないけど、数字は嘘をつかないはずです)。

これがふたつめの理由です。

地域のみなさん、どうぞこれからもSMOUTを楽しんで一緒に走っていただけると嬉しく思います。生活者のみなさん、地域と移住に興味関心を持ったとき、ぜひSMOUTを覗いていただけると幸いです。

地域の皆さんとつくった移住企画を一部、ご紹介!

SMOUTを、地域の事業をやろうと思った3年前、私はまったくの無知でした。私を育ててくれたのは一緒に走ってくださった地域の皆さんです。

企画やクリエイティブディレクションに参加させてもらった地域関連の企画をこの場を借りてダイジェストでご紹介していきます!(素敵な地域の宣伝でもあります!)

■結日記 w茅野

すでに3回目という長寿企画?になりつつある交換日記による婚活キャンペーン。「交換日記」をやりたい、と言われた時には、「えっ?この時代に?」と思いましたが、茅野市の職員の方のひと言に乗っかって、始まりました。

■シティプロモーション戦略のパンフレット w茅野市
https://www.city.chino.lg.jp/site/citypromotion/

茅野市さんのシティプロモーションを職員さん、住民の皆さんにわかりやすく伝えたいとつくったパンフレットです。

■移住・定住のためのカオスマップ

私の毎年年末の恒例行事だったので紹介させてください。これをつくったら1年が終わる、という気持ちになるもの。おかげさまで、地域のサービスにとても詳しくなりました!こんなに素敵な地域に関するサービスがたくさんあるんですよ!

■富山県南砺市との「地域の困りごと解決移住促進事業」に関する連携協定の締結 w南砺市
https://www.kayac.com/news/2019/08/livingnanto
南砺市の皆さんとはLIVE!SMOUT(オンライン移住説明会)に市長に参加いただいたりいろいろな取り組みをさせてもらっています。次に帰省(富山が故郷なんです)した時には会いにいきます。

■なな推しプロトタイププロジェクト w七尾まちづくりセンター

七尾市の知られざる(有名なのもある)名品逸品を推していくために、日常の暮らしの中で使えるプロダクトに置き換えて、使ってみたいプロトタイプに投票してもらうプロジェクトです(商品化はされるかなぁ・・・まだ未定)。

■地域おこし協力隊採用キャンペーン「二刀流採用」w花巻市

伝統工芸の活性化とプロモーションを担当する協力隊を募集する採用キャンペーン。「なんで今どき、履歴書送付なんですか?エントリーフォームにしましょう!」という提案を受け入れてくださった花巻市さん、ありがとうございます。採用された方は今花巻で伝統工芸やっています!

■みんなでつくる移住白書2020

1万人にアンケートをとり、今の移住の形を明らかにすべく(私たちが知りたかった!)すべてリモート編集でつくった、移住白書。6月に発売予約を開始して、もうまもなく皆様のお手元に届くはずです。


まだまだたくさん、たくさん、お礼を言いたい方はいます。初期からたくさん相談に乗ってくださってSMOUT関係人口スコアができるきっかけをもらった、海士町の阿部さん、信岡さん。アイデアをくれて乗っかってくれた塩尻の山田さん、リリース時から支えてくれた徳島の大西さん、24時間に参加してくださった山本さん、上毛町の西塔さん、神山町の高田さん、藤本さん、馬場さん。国土交通省の皆さん、総務省の皆さん、あげればキリがありません。

心からのありがとう、を言いたいと思います。ありがとうございました!!!!!

暮らしをつくろう。

暮らしをつくろう。
自分の暮らしのオーナーは自分自身です。
暮らしはあたえられるものではなく、自分のものさしでつくるものであってほしいと思います。

これはカヤックLivingのビジョンです。こちらにも書きましたが、私の個人的な気持ちが少し入っているものだったりします。カヤックLivingの存在はなくなるけれども、わたし自身はずっと大事にしていきたいものであり、40代はここに真摯に向き合っていきたいと、うっすら思っています。

私には二人の子供がいます(3歳と6歳の男子)。ポートランドの学校はながーい休み(すでに3ヶ月目)に突入しました。一斉休校が始まった3月16日からカウントするとまさかの半年間、子どもたちは休みです。その間、家庭保育&家庭学習となり(シッターとかは一切なく家族だけで見ています)、育児や子供との暮らしがすべて、わたしの手の中に戻ってきました。

だから、これはひとつのタイミングと捉えて、2020年の夏は人生の夏休みだと思って、子どもたちと一緒に、暮らしをつくる期間にしようかな、とも考えています。

そして、わたし自身が持っているもう一つのミッションは「PRを広げること」。PRはWithコロナの企業にも社会にも行政にも個人にも、とても大切なスキルと考え方になると思っています。なので私にできる事があったときにはお手伝いしていきたいと考えています。こちらはみずたまラボラトリーという会社をやっているのでそちらにて(ただし当分の間日本には行けませんので、オンライン限定です 笑)。

それでは、SMOUT共々、これからもよろしくお願いいたします!


※トップの画像は、カヤックLivingの本社の鎌倉の由比ヶ浜海岸です。鎌倉で大好きな場所です。

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